「食べ物とは、目の前のものをただ食べればいいのであり、出てきた料理の味についてとやかく言うべきではない。」とおっしゃったのは、たしか高橋義孝先生。 しかし言わせていただきます。なにしろ一生の思い出なので。
1日め(ロンドン市内)
くそ不味いフィッシュアンドチップス
使い方を知らず、トラファルガー広場近くのパブに入る。
【パブの入り方・使い方】(後で知った)
- 席取りする
- テーブル番号を告げ、お店の人に注文、その場で前払い
- お料理が出来るとお店に人が持ってきてくれる
グレートブリテン島上陸後、初の固形の食べ物です。
期待を胸いっぱいにして食べ始まったのですが。
ものすごく不味い。
まず量が多い。
- フィッシュは軽く1ポンドステーキくらいの大きさがある。
- ポテトもマクドナルドのMの5倍以上ある。
それにも増して許せなかったのは
- ポテトは揚げただけ
- フィッシュは小麦粉をつけて揚げただけ
- 豆はゆでただけ
でまったく味がついていない。
付け合わせのタルタルソースはどこまでもねぼけた味。塩コショウとハインツのケチャップやモルトビネガーで調節するらしい。
口に入れてももっさりするだけで風味に乏しく、油の種類が日本と違うせいか胃にじんわりしみてくる。
「郷には入れば郷に従え」の言葉と「こんなの客に出して金を取るのか」との思いが交互に頭の中をかけめぐる~。
ホテルのお持ち帰り自由のスイーツ
ホテルに戻ると「自由にお持ち帰り下さい」とロビーにお菓子が出してある。
見た目はカラフルでかわいいがものすごく不味い。砂糖の甘さと、なじみのない香料とバサバサ・ボソボソ系の口当たりの気持ち悪さ。
あと10日もイギリスにいるというのに。暗澹たる気持ちにさせられました。
疲れて寝落ちしてしまい、夕食は抜き。
(昼食がものすごいボリューム&油っこいのでお腹はたいしてすかない)
2日め(ロンドン市内)
ホテルの朝食①
やっとまともな食事にありついた気がします。
ホテルのブッフェには正統派イングリッシュブレイクファストの定番メニューが並んでいる。
それにしても気になるのは野菜の少なさです。
しかしこの食事でイギリス人は生きているのだし、10日くらい野菜食べなくても死ぬことはあるまい。
バターの味・ジャムの甘み・ベーコンの塩味と油、ソーセージの油と肉汁でお腹がいっぱいになります。
ホールベローマーケットのレモネード
フリーマーケットを見に行き、屋台のオリジナル・オーガニック・レモネードを1杯。甘くて、おいしかった。
ジェイミーズイタリアン
スターシェフのイタリアンのお店で夕食。アタリでした。どのお料理もハーブとスパイスのセンスが良く、しっかりとプロの目配りの行き届いた味付けの料理の数々。
3日め(ロンドン市内)
ホテルの朝食②
昨日取らなかったメニューを中心に。
クリームティー
クリームティーとは。
イングリッシュマフィン・クロテッドクリーム(生クリームとバターの中間のようなもの、日持ちがしないため日本の輸入食材のお店でもあまり見かけない)・ジャムと紅茶でいただく、英国伝統のスイーツです。せっかくなので小さめのケーキをつけて。
ものすごくおいしかったです!スコーン焼きたて!香ばしい風味とクリーム&ジャム。ケーキはひたすら甘く、チョコの風味がきいている。この「ひたすら甘い」も英国伝統の味。
アフタヌーンティーもかなり量が多く、やはりホテルに戻ったとたんに寝落ちして、夕食は抜き。
4日め(湖水地方)
サンドイッチセット
ツアーに参加し、昼食として支給!? された。イギリスでふらっとスーパーやコンビニエンスストアに入るとサンドイッチがずらりと並んでいる。発祥の地ですものね。
自分では買わなかったがいつかは出会えると思っていたらアタリでした。
…やっぱり、味がしないんですよ。バッサバサ。何サンドイッチなのかがさっぱりわからない。スナックとミューズリーの味は、日本と変わらない。
グラスミア・ジンジャーブレッド
グラスミアのご当地名物、老舗の味。ショウガの香りの強ぉ~い、ややしなっとした食感のクッキーですね。
たまに1枚くらいいただくのであれば、珍しいし、紅茶に合いそうです。
キドニーパイ
湖水地方のスーパーで買ったキドニーパイと駅前のマクドナルドのコーヒー。「キドニー」とは牛の腎臓です。
私、キムチの効いたもつ鍋などは大好物です。
お味は「温かければおいしいのかもしれない」です。パイの中に、ビーフシチューの冷えたのが入っているのを想像してみてください。ただし、ビーフシチューよりルウの味が淡くデミグラスの風味を抜き、やや小麦粉の気配を感じる。
5日め(ロンドン市内)
テイクアウトの朝食
ホテルには、朝食時間の前に出発する人のために、早い時間はテイクアウトコーナーが出る。リンゴとバナナとオレンジがあった。ナイフを持ってきてもよかったかもしれない。ミューズリーとヨーグルトとコーヒーをいただきました。
レバノン料理
アラブの香り、アラブ料理。たまに食べる分には、目新しく、おいしくいただけるのではないでしょうか。日本の屋台のケバブよりは、もうちょっと、味にクセはあったかな。イギリスでは中東料理はメジャーな存在で、チェーン店も中華・イタリアンに劣らず、大繁盛で店舗拡大中。
6日め(コッツウォルズ)
カリフラワーと赤トウガラシと緑豆のペナング クミンライス添え
本日のスープ
コッツウォルズツアーに参加し、別名「コッツウォルズのベニス」と呼ばれるボートン・オン・ザ・ウォーターのパブで出てきた料理。メニューのアタマに「カリフラワー」とあったので、野菜が食べられる、とオーダー。
かの林望先生の古典的名著「イギリスはおいしい」にたしか「イギリス料理の野菜は煮すぎて口の中でニチャニチャする」とのフレーズがあったはずだ。なるほど、これがそうなんですね。ルウは軽くカレー味だ!クミンライス、私の口には合いました。
クッキー
温泉宿の饅頭のごとく、コッツウォルズのマナーハウスのお部屋にあった。美味しかったです。
アフタヌーンティー
夕食がわりにアフタヌーンティーセットをホテルの部屋まで運んでもらいました。
クリームティーはやはりおいしい。日本でも機会があれば是非また食べたい。
ケーキも、ガッツリしっかり系で、みんな甘くて、おいしいです。
7日め(コッツウォルズ)
ホテルの朝食③
コッツウォルズのホテルの朝食。今回、私の泊まったホテルの範囲では、朝食のメニューはどこも大差なし。
チョコレート
初日のイングリッシュ・スイーツの味が衝撃的だったため、警戒していたイギリスのお菓子の味。コッツウォルズのチョコレート専門店で買ったチョコは、普通に日本のチョコレートと同じ味。お土産にできます。
ポテトチップス
これもエトランゼの日本人にも違和感なく食べられるお味でした。かさばるし、割れちゃうからお土産には向かないかもしれません。
トラディショナル・コーニッシュ・パイ
ボートン・オン・ザ・ウォーターのカフェ併設のパン屋さんで、「英国伝統の味」とPOPが出ていたので買ってしまった。夕食にはコレ1個で十分。
お味はやはり、「あったかければおいしいのかもしれない」系統でした。
8日め(ロンドン市内)
ホテルの朝食④(ワッフル)
ロンドンで2つめのホテルで、朝食は好きなものをメニューからオーダーして良いみたいなのでワッフルにしてみました。
(とにかくゴハンを食べると量が多くお腹が空かず、小腹がすいたから何か食べよう、との気になれず、おやつのヒマもない)
おいしかったです。
メリルボーンのオーガニックカフェ「ナチュラルキッチン」のサラダ
今、旬のレストランだというので行ってみた。
日本で言えば青山みたいなエリア。
青山にふさわしく、お店は野菜がメインで、ケース一杯の、サーティーワンアイスクリームみたいに色とりどりに並んだサラダの中から選ぶスタイル。パンもデザートも飲み物も「オーガニック」とか「グルテンフリー」とか「ビーガン」とか必ず注釈がつく。
…可愛い若い女の子によそってもらった1人前のサラダがコレ。
「お皿の余白を活かした盛りつけ」とは無縁です。
ただし、イギリス滞在中、唯一の生野菜がメインのお料理だったし、サラダでは腹持ちが良くないから、量は多少多くてもいいんですが。
(外食では淋しい限りのイギリスの食事の野菜ですが、スーパーに行くと普通に野菜は売っている。意識高い系の人たちはジムで運動して自転車通勤し、野菜多めの食事を心がける。田舎にいくほど肥満の割合は大きくなる)
EAT.のイタリアン
ホテルの近くの持ち帰りできるカフェチェーン店(市内のいたるところにある)で買ったパスタとパイ。
ミュージカルを見に行って、終わって部屋に帰ってから食べたのですが、おいしかった!冷めていてもおいしかった。「…イタリア人ってすごい。」とかなぜか感動したりする。
9日め(ロンドン市内)
ホテルの朝食⑤
イギリスでの最後の朝食はやはり正統派イングリッシュブレイクファストで。
キャセイラウンジの担担麺
羽田空港のキャセイパシフィックラウンジで食べ損なった担々麺をヒースロー空港でいただくことができました。
長距離フライトでおいしい機内食が控える乗客に絶妙の量(抹茶茶碗1杯くらい)、繊細な味付け。
西洋がなんだ!東洋最高!と思わず心の中で叫んでしまった。
ラウンジでのスイーツ
ファールトクラス専用ラウンジのマカロンをいただきました。
スイーツやスナック類であればラウンジの食べ物だからといって、特別仕様とかではなく、空港の売店でも、同じものはけっこうあった。しかしラウンジならタダです。
アジア行きの飛行機が離着陸するヒースロー空港ターミナル3は出国までのレストランやカフェ、免税ブースのレストラン・カフェはカジュアルなお店が多く、混雑とは無縁のラウンジの空間でゆったり過ごせるのはラウンジならではです。
(ただし私は2時間で4つのラウンジをハシゴして息つくヒマもなかった。)
まとめ
私が行った範囲においてイギリスの食べ物は量が多く、おそらくは油が日本と異なる。滞在の日を重ねるにつれ、胃がどーんと重くなり「胃がんかもしれない」と怯えながら帰国しましたが、帰国後1~2週間で元に戻りました。
繰り返しになりますが、旅先の食べ物をおいしい、まずいなど、本来言うべきではないと思います。新しい体験をさせていただくために訪れる土地の料理を、たかだか自分の感覚・味覚でジャッジするべきでない。でも、ブログだし。思い出だし。この場合、お許しください。