ロンドンで人気のレバノン料理のお店の紹介です。ちょっと残念な結末。
ロンドン滞在中、地下鉄グロスターロード駅から徒歩3分のホテルに泊まりました。
毎日乗り降りし、駅前にレバノン料理のお店があることに気がついた。
朝は素泊まりの観光客がモーニング、夜は会社帰りの人たちで、いつお店の前を通ってもテラス席にまでお客さんがいて繁盛している模様。
私、エスニック料理、大好き!インド料理なら日本にもある。東南アジア料理、すなわちタイ料理、ベトナム料理のお店くらいは行ったことある。
ケバブは大好きなのです。屋台で「一番辛いのお願いします」とオーダーし、陽気な(たぶん)トルコ人のおにーさんが一瞬眉を曇らせ「…辛いヨ~」の親切なアドバイスを受け入れ、上から2番目のケバブに決め、「なんだ、全然辛くないじゃないか。最強の辛さにしておけばよかった」と瞬く間に食べ終わってしまうレベルの辛いもの好きです。
座って食べる中東料理! レバノン料理は未体験! 日本では滅多に食べられない! ロンドンにいる間に絶対食べて帰るべきだ! と毎日の観光の行き帰りには通りに貼り出してあるメニューをしげしげ眺め(英語に自信がない)、機会を伺い、客足がまばらな時間帯、16時ころにやっと店内に入りました。
アクセスと概要
「コントワー・レバニーズ」グロスターロード駅前店。
「コントワー」はフランス語で「カウンター」、「レバノンのカウンター」って意味ですね。
- 年中無休
- 営業時間は月~土曜日が8時から23時30分まで。
日曜日は9時~22時30分まで。
あとで知ったのですが、「コントワー・レバニーズ」って、メジャーなレバノン料理のチェーン店なんですね。イギリス国内だけでもたくさん店舗はあるし、ヨーロッパ各国にも進出している人気&敏腕店。
もちろん、私の行ったお店以外の独立レバノン料理レストランも数多くあり、つまり、レバノン料理はイギリスにおいて広く受け入れられている。
レバノンの首都ベイルートは「中東のパリ」とうたわれた都。また、1975年から90年にかけてのレバノン内戦で、多くのレバノン人が国外に脱出・移住したため、世界各地にレバノン料理がひろまった。パリでもホノルルでも南米でもレバノン料理が定着し、あるいは移住先の現地の料理に影響を与えている。
店内
お客さんがいない。助かった。ほぼ貸切り状態。カラフルでキッチュな内装。
店内を見回すと、レバノンの雑貨が飾ってあります。帽子・銀色のトレイ・銀色のポット・ポスター。
気になったのは店内にずらりと並ぶまばゆいばかりのトートバッグ。
何でできているのだろう。と近づいてみるとトートバッグに金のペナペナのプレートがカラフルな「毛糸」で縫い込まれており、極太の毛糸の刺繍と縫い付けられた金の模様が輝くゴールドの正体だった。バッグはみんな値札が付いており、希望すれば譲ってもらえる。小さいサイズはハンドバッグ大で19.95ポンドだから3,000円くらい。大きいサイズは5~6,000円くらい。
お店の外観も赤系・ピンク系で賑やかだし、メニューの表紙にはおそらくはレバノン美人の笑顔の大きなイラストが。
出てきた料理
1品1品店員さんに聞きながらオーダーする英語力はなく、メニューも英語ばかりで写真がないのが苦しい。
値段は書いてあるので、品数が多く、値段がそれなりにかさみ、太線で囲ってあったりして「ウチのお店のおすすめ」っぽいのにしよう。
幸い、好き嫌いもアレルギーも少ない体質なので、ウエイターさんに何か聞かれたら「イエス」で通し、何が出てくるのかわからないワクワク・ドキドキ感を味わいます。
頼んだのは、
1皿で主食・主菜がまかなえるのではと路上メニューを見ながら目を付けていた「ミックスグリル」。
コーヒーはなぜか食事の前に出てきた。
厨房の一部は客席からも見えるようになっていて肉を焼く香りがしてくる。
ほどなくお料理が運ばれてくる。
- チキンカフタ 鶏肉の挽肉を串に刺して焼いたもの
- チキンタオク 鶏肉を串に刺して焼いたもの
- ラムカフタ 羊の挽肉を串にさして焼いたもの
- ヴェルミチェッリ ライス …形は米っぽい。メニューにも「ライス」と入っている。しかし米はアジアの食材であり、中東はやはり小麦でしょう。わからない。
- サラダ
ソースは2種類。白はヨーグルト系で、オレンジはチリ系!? スパイス系です。
5品ともみんな、香辛料の香りが強いんですね。
私は、中東の方に知り合いなんて一人もいません。そして大都会に出ると、ときどき、電車の中で近くにアラブ系の人の男の人がいたりすると、強い体臭がすることがある。お料理からは中東の人の匂い。がします。
ゴハンはやや弱い、サラダもやや弱い、羊肉はやや強い、と強弱はあるものの、同系統の香り。
そして香辛料に負けず劣らず、辛いとは感じないのですが、塩味とスパイスの味がかなり強い。
香りと味のしないものがプレートにない。せめてサラダは、とつつくと、サラダにもしっかりアラブ風味付け。
そして、カフタにしろ、タオクにしろ肉がどうしてこうもパサパサなのであろう。「ひき肉のこねもの」のはずなのに、本来「ハンバーグ」みたいであっても、「つくね」みたいにジューシーであってもいいはずなのに、どこまでも「きついスパイス味のさつま揚げ」ぽい。
きつい塩スパイス味はさほど嫌いなわけでもなく、帰国してしまえば中東料理なんか次にいつお目にかかれるかわからない。口にふくめば鶏肉と羊肉の違い、挽肉とかたまり肉の違いくらいはわかる。これはこれで肉の味を楽しめば良い、見知らぬ遠い異国、レバノンでは肉はパサパサがあたり前なのかも、と目の前に出されたお料理をありがたくいただきつづけた。
そして日本人のイギリスでの宿命、量が多いのです。日本だと実質2人前はしっかりありました。朝7時台にホテルでの朝食をいただき、昼ご飯抜きで16時なのですから、空腹です。それでも、3/4くらい食べたところで、だんだんと満腹に。
そして店内を見渡せば、ムスリムの家族連れがぼつぼつ入ってきたところ。ふるさとの味を味わいに来たのだろうか。
イギリスの地元の人に愛され、異国の地に渡ったかつての同胞にも愛されているお店なんだろうなあ。だからお店は続いて、数もどんどん増えていったのでしょう。
店内にはレバノン料理の食材コーナーもあった。買って帰れます。
デザート
時間をかけてやっと「ミックス・グリル」プレートを食べ終え、お腹がいっぱいだ、とウェイターさんを呼び、「チェック・プリーズ」と伝えて帰るつもりだったのに。ウェイターさんに「デザートはいかがですか」をメニューを差し出されてしまった。満腹だけど、デザートは別腹、レバノンのお菓子食べてみたい、一生一度のレバノン料理、と頭の中がぐるぐる誘惑と欲望がかけめぐり、結局デザートのアラカルトをオーダーしてしまった。
出てきたのはコレ。
どのお菓子もパイ皮の油の風味と、中にはナッツと味付けされたややパサパサした食感のケーキのスポンジを練った・混ぜたっぽいのが入っている。多少は見た目に違いはあれど、基本同じお菓子に見える。材料の違いがよくわからないため、味の違いもよくわかりません。
さすがに全部はのどを通らず、1個2個食べて残りはナプキンに包んで持ち帰ってきました。
お勘定はチップ込みで30ポンド。
後日、同じお店ピカデリー店の前を通りかかると、何のお菓子だかわからなかったデザートが飾られていて、しかも説明までついている!
- KOLWASHKUR mix nuts and sweet pastry
- ASSABEE Ccashw filled filled flaky pastry
- HADAF Walnut filled sweet flaky pastry
- BOKAJ Layerd filo pastry with cashew nuts
- NAMOURA Semolina,honey and nuts cake
- PISTACHIA BAKLAWA Pistachios and honey pastry
パイ生地に見えたのは中東のフィロ生地。お菓子にはシロップをしみこませる。
ペストリーにカシューナッツ・くるみ・ピスタチオなどのナッツを練り込んである。
甘いお菓子、というよりは油とナッツの風味が先にくるお味でした。満腹だったせいもあるのでしょう。
まとめ・感想
レバノン料理は油ばかり強く、香辛料が強い。ガッツリ食べたい人、クセのあるお料理が好きな人なら向くのかも。とか思って帰ってきたのですが。
実はレバノン料理って野菜メインで味付けも辛くなくてヘルシーでダイエット志向のい女性にも人気らしい、
とのネットの検索結果をみてガクゼンとしてしまった。
つまり、肉料理を選ぶのではなく、パンに豆のペーストや茄子のペーストをつけて食べるらしい。「メゼ」と呼ばれるアラカルト、少量多品種の野菜料理があったらしい。
こっち頼めば良かったなあ。
ちゃんと下調べしていけば別のレバノン料理を味わえたのに。
と悔いの残る結果になりました。