徳島は鳴門に行くのは2回目。うずしお鑑賞船に乗り、いたく感動した。いちおう日本国内、主だった場所はだいたい行ってるんですが、リピりたい・リピれる場所は数少ない。うずしおはもろ手をあげてリピ熱望! 前に行ったときは開館前だった大塚国際美術館と一緒に極めるぞ!
鳴門へのアクセスは決して良くない
姫路から鳴門に向かいました。鉄道で姫路から舞子駅、高速で高速舞子から鳴門公園口。バスは淡路島を縦断し、四国の突端、鳴門のうずしおを見ることができる鳴門公園エリアに着く。
飛行機だと徳島空港から鳴門公園エリアに向かう。距離30kmあまり。
鳴門公園エリアには鉄道はなく、車とバスに頼るしかない。
高速バス停留所の鳴門公園口に着いたまではいいんですが、バス停やうずしおを一望できる鳴門公園は高台にあり、うずしお鑑潮船の船着き場は海岸線にある。見つけて降りていくしかない。ときおり車が通りすぎる道をとぼとぼと下まで歩いていかなければならない。
私が行った日は船こそ出ましたが、かなりの荒れ模様で、折りたたみ傘を開くとあっという間に雨風にあおられて傘の骨がひっくり返ってしまい、使いものにならなかった。
さらに石段が滑り、派手に尻もちをつき、宿に帰ってからかかとから出血してスニーカーが血まみれになっていた。人の気配は少なく、打ちどころが悪かったら旅行どころではない。たいしたことなくて助かった。皆様もどうぞお気をつけください!
鳴門のうずしおを鑑潮船でワイルドかつダイナミック体験
雨が降る風が吹くということはうずしお体験がワイルドかつダイナミックになるということ。
船に乗り、「写真撮りたいんですけど、甲板に出ていいですか」と質問すると
「風も強いし波もある。濡れますよ。」との助言をいただきました。
多少濡れようとも写真は撮りたい。はじめはおとなしく座席にすわり、船は大鳴門橋の近くにさしかかる。
甲板に出て行って必死にスマホのカメラをパシャパシャする。揺れは、スマホ構えて立ってられる程度なんですが、雨は降る波しぶきが立つ! 濡れる濡れる…。
ずぶ濡れとまではいきませんが、2~3割濡れまではいき、さすがにこれではスマホがダメになってしまうかも、マズい、と船室に引き返すことにしました。
うずしお体験を終え、船は乗り場に戻ったものの船着き場まわりは寂しく(失礼)、タクシーは1台いたけど同乗した人の貸切り。預けたキャリーケースを受け取り、再び坂道を上る。
なお、鳴門のうずしおはお天気のほかに「満潮」「干潮」のタイミングがある。間の時間帯は、いくら天気がよくてもうずしおは見えません。注意。
展望台からは俯瞰でうずしおを見ることができます。
お土産屋さんやお食事処も展望台付近に固まっている。
ガイドブックには「海を見ながら地元メシ」とあった食堂に入ったのに
新型コロナウィルスの影響で、通されたのは窓のない場所。多少残念ではありましたが出てきた鯛茶漬けはおいしかった!
大塚国際美術館に行った動機
今年の夏はホントはイタリアに行きたかった。なのに新型コロナウィルスのせいで、システィナ礼拝堂の天井画も『最後の晩餐』も『春』もおあずけをくってしまった。
ならばレプリカでいい。国内旅行で大塚国際美術館の実物大の複製画(正確には陶板画)を見に行こう。美術館は広大で、ルネッサンスに限らず、全世界の超有名絵画を実物大のレプリカで一気見してしまおう!
実際に大塚国際美術館に行った感想
アクセスの悪さを改めて実感
都会の美術館じゃないから当然なんですけど…。
美術館のエントランスホールには、最寄りのバス停の発着の電光案内板がある。
路線バスか高速バスで徳島なり京都大阪神戸を目指すのですが、本数は当然ながら都会並みとはいかず、
路線バスは現地の人の生活圏を通り、ちょこちょこ止まる。ご当地の風情を楽しみましょう。
高速バスは美術館から離れていて、美術館のある界隈は前にも言ったとおりアップダウンの大きい山あいなので、たどり着くには気合を入れなければならない。
車で行けるのなら車が一番楽ではないでしょうか。
ただし駐車場から美術館までの距離は公称500メートル、シャトルバス送迎があります。
本気で見るなら1日じゃ足りない
今や日本で2番目に来館者が多い美術館。(1位は六本木の国立新美術館)
敷地が広大・所蔵作品も大物が多く、古代のタイル画あたりから見始まって体育館並みの展示スペースに大物の作品の展示が延々続く。環境展示といって、システィナ礼拝堂に始まる教会内部のホールや古代の墓地の再現なんかの再現は展示の最初の方、下の階に数多い。ルネッサンスでおなかいっぱい、印象派を見るあたりでなじみのある絵も増える。その上の現代絵画コーナーは明らかに人が少ない。
所蔵作品はすべて超メジャーな作品ばかりなので、つまりものすごく濃い展示内容。3・4日通ってもいい。(入場料高いけど。一般3,300円)
展示作品は日々増え、変化し続けている
鳴門のあたりは、もともとはタイルの材料の良質な砂が取れる。他のタイル屋さんとの差別化を図るため、アートなタイルの分野で実績を積み重ね、社会貢献と自社の誰にもできない技術を思う存分発揮できる分野として、大塚国際美術館はある。
入館者が増えれば増えるほど、手持資金が増えるので、新たな作品を製作できる。開館当初(1998年)から作品は増え続け、最近はレオナルド・ダ・ヴィンチの『白貂を抱く貴婦人』がコレクションに新たに加わり、白石麻衣さんが絵の衣装風俗ポーズを再現し、私が乗ったバスにも広告が出ていた。
世界の名画の再現技術も、開館当初から右上がりであり、学芸員の方の館内ツアーの説明によれは「初期の陶板作品も、今ならココをもうちょっと〇〇できるのになあ…」のところ、あるんですよ。」とのお話でした。
もはや実物を見に行く必要はないのか
高度な技術で完璧に再現された名画たち。
いちおう私、フランスのルーブル、ニューヨークのメトロポリタン、イギリスのナショナルギャラリー、マドリードのプラドと、大物は見てきた。
大塚国際美術館で『モナリザ』と『最後の晩餐』を見てしまえば、はるばる時間とお金を使って外国まで行って本物を見に行く価値はあるのか。
私は、あると思います。
一番実感したのは、マドリードのティッセン・ボルネミッサ美術館で見た『ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像』イタリアの若き貴婦人の肖像画です。
マドリードでこの絵の前に立ち、一陣のさわやかな、すがすがしい風がさーっと吹き抜けていく気がしました。
大塚国際美術館で同じ絵を見て、本物を見た時のことを思い出した。…風が吹き抜けていかないんだな。今回は。
ボストン美術館でみたクロード・モネの『ラ・ジャポネーズ (着物をまとうカミーユ・モネ)』。
感動してしまったのは、赤い日本のキモノをカミーユがまとって、羽織っているのですが、中に綿がはいっているのであろうどっしりとした質感、鍾馗さまかな、豪華な刺繍がほどこされたあらあらしい筆致が、陶板にはないんですよねえ。どうしても。
ゴッホなんかも、本物は絵の具が盛り上がってますからねえ。
お手本をみて再現する技術と、生みだす技術のそれは、違ってきて当然。
しかしスペインもボストンも、おいそれと行けない。
鳴門なら、ハードルは下がる。
ミュージアムカフェ・ミュージアムショップは大充実
- 最上階にレストラン
- その下の階にモネの池の見える大きなカフェ
- その下、入り口脇に小さめのカフェスペース
がある。
なお、
大塚国際美術館の入口は「地下3階」にある。
最上階が2階。最上階のレストランは1階。
他のカフェは「地下2階」「地下3階」と数える。
混む前に行こう、と11時半ごろに名画鑑賞そっちのけで1階レストランに行き、残念ながら窓際の席は先客で満席。アートランチをいただきました。
14時過ぎに「地下2階」のカフェで休憩。
土曜日のミュージアムレストランは混みすぎず空きすぎず、いい雰囲気。
ミュージアムショップは入口ホールの地下3階にある。たいして広くはないけれど、グッズが凝っていて種類が多い。アートなノベルティグッズも品物がしっかりしていてお値段お手頃。
私が購入したのは
- クリムトの『接吻』のメガネふき(厚手で地色がゴールドだから汚れが目立ちにくくふきやすい♪)
- ボッティチェリ『春』のお花模様の入ったピンクのボールペン(グリップが太めで握りやすく、模様も見やすい)
美術館を代表する超大型展示、ミケランジェロのシスティナ礼拝堂内には、米津玄師が紅白出演したときの写真と「Lemon」のCDジャケットカバー絵の陶板画の展示がありました。
本物のシスティナ礼拝堂に、いつかはたどりつくつもりでいるけど。ここでも、ここでしか見られないものがある。