東京都青梅市の武蔵御嶽神社に国宝の鎧を見に行きました。周りは登山客ばっかりでちょっと、いやかなり浮いていたような気もする。無事攻略できて満足です!
武蔵御嶽神社の赤糸威大鎧(あかいどおどしのおおよろい)を見に行こう
美術館めぐりは好きだけど、鎧に限らず、刀剣・馬具・などの工芸品は、それ目当てに行くことはまずない。
東京都青梅市にある武蔵御嵩神社の誇る国宝・赤糸威大鎧(あかいどおどしのおおよろい)。
国宝に指定されるからには状態が良く、欠品のない完全体のうるわしい鎧が見られるに違いない。
神社への奉納品ということは。1,000年も大事に神社が守り伝えてきたということは。
当時のあらんかぎりの粋を結集した最高級の芸術品であるに違いない。
JRを乗り継いでいくのであれば、新幹線で東京なりを経由し、新幹線乗車時間と大差ない在来線に揺られ、駅から徒歩と巡礼さながらの旅になってしまう。
私にとっては泊つきの旅行にしなければいけない距離なのですが。
車で圏央道を経由する用事があり、途中下車すれば武蔵御嶽神社に立ち寄れることが確認できた。
国宝ゆえ、山を降り(武蔵御嶽神社は山の上にある)特別展で鎧と対面する機会を待つよりも今、自力で鎧に会いに行ける。 行きたい!
330段の階段をいったい私は登りきれるのか
鎧を見に行くためには
「武蔵御嶽神社宝物殿」に行かなければならない。
まず、土日祝日しか開館していない。
…ということは、平日に開館していたって、お客さんは少なく、割に合わない、
つまり宝物殿の規模はさほど大きくないことが予想できる。
公式サイトに行くと
トップページはうすずみ色の雲海に包まれており
ナビは神社ではなく、ロープウェーのふもとの駅(滝本駅)の住所を入れてください
330段の階段を上ったところに御嶽神社はあります
…つまり、国宝の鎧は、車を山頂の駐車場にとめて見に行くものではないらしい。
330段の階段。自信はないけど。
縄文杉だって、往復10時間、距離22km、歩ききったのです。
ゆっくり登れば、登り切れるのではないか。
10年後・20年後には足が弱っていけなくなってしまうかも。
登れるか登れないか。
とにかく行ってみなければわからない!
行ってみたらスカートはいてロープウェイに乗っているのは私一人
圏央道のインターチェンジを降り、御嶽神社ロープウェイへの道を車でひた走る。
「小笠原も東京、青ヶ島も東京」と言葉では聞いて知っていたけれど。
車窓の景色はどんどん田舎度が増幅され、御嶽神社の入り口、滝本駅に着くころには、山は迫り、昼なお暗い。
駐車場が満車になるのが怖く、7時半ごろに到着。
空きあり、はいいんですが、入口前の道路の勾配がものすごく急で、全力でアクセルを踏み込んでもいったん車は力が足りず、道を上らず焦りまくる…。
券売機で往復の乗車券を購入し、ロープウェイの列に並ぶ。
びっくりしてしまったのは
…スカート履いて列に並んでいるのは、私だけだ…。
冗談抜きで、私たち以外は、全員、アウトドアスタイル。登山・トレッキングを目的にロープウェイに並んでいる。
私にとっては、ネットで知ってお参りにいく場所であった武蔵御嶽神社のスポットは、
首都圏の人が気軽に自然の中で休日を過ごせる場所だった。初めて知った。
武蔵御嶽神社のある奥多摩御岳山観光客の客層
- 観光客
- 参拝客
- 登山客
の3種類に大別される。
朝一番の武蔵御岳登山鉄道ロープウェイの乗客はほぼ登山客だらけ。
しかし参拝・鎧鑑賞を終え、帰りのロープウェイの待ち時間に御岳平の展望台に行ってみると
山登りはせず、眺望を楽しみに来たらしい観光客も数多い。
土曜日のお昼時、空きすぎず混みすぎず、いい雰囲気でした。
また、コロナ下でありながら、外国人(観光客ではなく滞在者だろうか)もたくさんいた。
お土産屋さんも軒を連ねている。
1組だけ、七五三の親子連れがいました。真っ赤な振袖を着た女の子。お母さんはワンピース、お父さんは背広。
男性は登山スタイル、アウトドアスタイルでない人は、2・3人しか見かけなかった。普通の恰好した人は御嶽神社への参拝客。
また、愛犬連れのアウトドア客が目立って多い。
ロープウェイの料金も、人間のほかにペットの料金が決まっている。
また、犬も小型大型より取り見取り。
飼い主さんのだっこひものなかできょろきょろあたりを見回す小型犬から
本気で暴れたら飼い主などふっとばされてしまいそうな、堂々たる体躯、飼い主愛が伝わってくるツヤツヤの毛並みからも絶対、ここにいる人間などより高貴なお生まれをうかがわせる犬を何匹も見かけた。
もともと、日本武尊を導いた狼がおまつりされている神社なので、 愛犬の健康祈願のお祓いなんかもやっていただける。
都会の喧噪を離れ、愛犬を自然の中に連れて行けるお墨付きのスポットなんですね。にぎわうはずだわ~。
旅の目的 国宝の鎧にひたすら感激
330段の階段。ビビってロープウェイに乗り込み、御岳山駅に降り立った私。
結論から言いますと、
石段は今出来で道幅も広い。昇りやすい。素人でもあっけなく登れて拍子抜け。
御岳山駅からは「歓迎・武蔵御嶽神社」との歓迎アーチをくぐり、矢印に従っていくだけなのでさほど疲れは感じなかった。
20~30分くらいで朱塗りのまぶしい御嶽神社に到着。
巫女さんに宝物殿の場所を教えてもらう。
開館時間は9時30分から16時まで。
会館まで1時間近くある時間帯に、憧れの場所についてしまった。
9時30分が近くなると、職員の方が
扉をあけ、「国宝展示中」の立て看板を中から出してきて参拝客の見やすい位置に持っていく。
フライングもので、
「入っていいですか? 」と頼み込み、 もちろん一番乗り! 宝物館は貸し切りです!
中は撮影禁止なので、写真はないのですが
2階に登っていき、中央にガラスケースが2つ。
赤糸威鎧 兜・大袖付(平安時代)
重要文化財
紫裾濃鎧 兜・大袖付(鎌倉時代)
が拝観客をお出迎え。
国宝はもう一つ、鎌倉時代の螺鈿の馬具一式がある。
ほかに展示されているのは
重要文化財や東京都の指定有形文化財の刀がメイン。
スペースとしては、部屋の中央に立てばすべての展示品が見渡せてしまう。
点数も小さいものを合わせても20~30点といったところ。
国宝独り占めなんか、初めてだわ。
舞い上がってしまいました!
国宝の赤糸威鎧は、豪壮華麗。素晴らしい。
明治期に修理があり、1,000年前の姿をそのままとまではいきませんが。
赤の紐は少し色あせてしまっていますが
大作である・完品である・鼻ブタ状態で舐めるように国宝を見ていられる!
鞍も刀も
鎧も鞍も刀も、武士が奉納したもので、
お寺や神社の宝物館としては異色の品ぞろえ。
じっくり見つめ続けていられただけで
スペシャルな気分になれた。
御岳山ハイキング写真
滝本駅のお土産屋さんは秋模様
武蔵御嶽神社のありがたさがよくわかる
神社の由来、祀られている神様、お宝、祭事と行事。
本殿の奥には
遥拝所があって
お山が見える。
日本武尊を助けた狼を「おいぬさま」としてまつる大口真神社。
年にいちど、鹿の骨を神聖な火であぶり、農作物の吉兆を占う祭場。
宝物殿から見えた本殿。
神社を出たあとは
長尾平。
ヘリコプターなんか楽々降りてこれそうな広さ。
雄大な山の景色を楽しむ。
次は
山道をひたすら降りていく。
木の橋なんか渡って
七代の滝。
おすすめはできませんが、スカートはいてタウン仕様のスニーカーでも降りられました。
坂はきつく、下りも登りも正直ハードだったけど。
参道に戻ってきた!
7時半に滝本駅到着。11時45分御岳山駅発のロープウェイに乗車。
ミッション完了!