縄文杉をこの目でリアルに見るためには
3時間、平坦な木道を歩き続け、さらに2時間も、やったこともない山登りをしなければなりません。
登山経験ゼロでも縄文杉ツアーの登山はなんとかる
一般人にとって3時間山道を歩く、2時間山を登るなんて聞いただけで尻込みしてしまうところはありますが
「縄文杉トレッキング」は、登山ルートとしては初心者コース。
毎日何百人も人が行き来している。子どもも10歳くらいなら、大人より身軽にヒョイヒョイ歩いていってしまう。
もちろん山肌を登り、降り、川を渡って(飛び石がある)また登ってはやらなきゃナラン。
ただし登山道が整備されている。急斜面では木道の階段がある。すがってつかめる枝も探せばある。
大石ゴロゴロの登山道もあったけど、前を行く人の足跡を見て、マネして同じところに足を運べばよい。
ちなみに天気は小雨。傘さして行けました。
つまり登山初心者であっても用心しながら進めば傘さしながら登れる。
軍手は、あれば安心かもしれないけど、結局手をついて登るほどの難所!? はない。
登山道は行きが優先。帰りは縄文杉を目指す組が見えたら脇に待機して通り過ぎるのを待たなければならない。
「見えましたよ! あと10…いや、15分! 」などと大学生とおぼしきさわやかなイケメン3人組が声をかけてくれたなあ。
「さあ、ここからが最大の難所です! 」とガイドさまも同行者のテンションに喝を入れるタイミングも手慣れたもの。
ああ、日頃からもっと鍛えている人ならもう少し楽なのかしら
と心中ぼやきながらもなお進む。
「せっかく飛行機乗り継いで屋久島まで来たんだもの。縄文杉を見ずに帰れるものか! ここまで来て! 」
の一念で進むのです。
息はゼイゼイまではいかない。はかはか、くらい。
視界は開け
何だアレ!? ひょっとしてターザンのすみか!?
とわが目を疑う このお立ち台に昇り。
縄文杉とご対面!
感動しましたねえ、やっぱり。
山登りはじめたあたりから、霧が出てきた。小雨が降りだした。
巨木であり、一般登山者は、お立ち台からしか縄文杉は見ることはかなわない。
展望デッキから縄文杉まではけっこうな距離があり、遠くから見つめるしかない。
うっすらと霧に煙りたたずむ縄文杉は、雨が舞台装置となって、荘厳な雰囲気。
感無量!
30分くらい、縄文杉にいたかも。
来た道を帰ります。
当初の予定では行きに見ていく、との日程だったいくつかのスポットは、人が多く、 ガイドさまは「帰りにしましょう」と決断が速かった。
縄文杉ツアーで他に見ることができるのは
三大杉・仁王杉・翁杉跡・ウィルソン株・大王杉・夫婦杉。
縄文杉はお立ち台から見るしかないけど、ほかは近くまで行ける。
うち説明が帰りに回されたのはウィルソン株
と仁王杉。
縄文杉ツアーは一行は8名まで。
と決まっているんですが、帰り、木道で人がつながり、100人くらいが一列になって進む。
先頭の人の歩くペースがものすごく速い! 正直キツい~。
行きでも休憩した小杉谷休憩舎で離脱できて正直ホッとした。
しばし休んだあと、ガイドさまは歩調をゆるめてくださり、ゆっくりゆっくりのペースで
荒川登山口に戻ってきたのは16時過ぎ。
6時出発・16時到着。10時間ジャストでした。
ガイドさまにひたすら感謝。
頼れる人のいる心強さが身に染みた。
まる1日の行程になるし、いくら初心者向けのコースだとはいえ
どのくらいの速さで歩けば1日で行って帰ってこれるのか。
行程の難易度の強弱の見極めや休憩のタイミングと時間など、
スキルのない人間が山にふらっと行って不安にかられながら進むなんて、とってもおすすめできない~。
気軽・手軽とは言えないけど。
やってやれないことはない。
達成感とほどよい!?難易度のハードルの相乗効果で縄文杉の神々しさは否が応でも増幅されまくり! でした。
マジ、一生の思い出になりました!
縄文杉ツアーを終え、書き残したいことは2つ。
必要な持ち物が毎回派手に食い違う
アクティビティのポータルサイトでツアーの予約をして
必要な持ち物はバウチャーに書いてある。
レンタル品のほかに自前で用意しなければならないもので、
- 厚手の靴下はスキー用の靴下を持っていくことにして
- 小型の懐中電灯はあった方がいいとのことだったので100均で買った。
現地に着き、ホテルに届いた準備物のペーパーを見てみると、
同じ催行先のはずなのに微妙に中身が違っている…。
「携帯トイレ」なんて、バウチャーにはなかったのに入ってる。
軍手もあった方がいい、とのことでしたが忘れてしまい
2つとも屋久島のお土産屋さんで買った。
飲み物は1~2本、スポーツドリンクがおすすめです、とのことだったので
こちらも屋久島のお店で1本買い足した。
現地でガイドさまに拾っていただき、
開口一番、
「マスクは登山中は外してください。熱中症になっちゃいます。」はいいんですが、
私の長袖ポロを見て「半袖、ないの? 」
申し込んだとき、長袖がオススメだっていうから、わざわざ持ってきたのに!
ペットボトルも「1本でいいから。山の水が汲めるとこ、教えるから。」わざわざ買ったのに!
スポーツドリンクは車に放置して出発。(夜ホテルで一気に飲み干した)
懐中電灯は夜明け前にしか出番はないし、タイミングを逃し、いらなかった。
帽子も手袋も携帯トイレも出番はなかった。
縄文杉ツアーであってよかったと思ったモノ
傘
雨天ならレインウェアでもいいんですが、歩いているうちに暑くて我慢できなくなってきた。
休憩所で脱ぎ、リュックサックに濡れたレインウェア上下をパンパンに詰め込み、傘をさして登山を続けた。
着替え
雨の中歩き続け、もともと暑がりの私は、雨の冷たさを感じるどころか、人肌の温度のミストシャワーを浴びている感覚で
さっぱり「濡れてる」感覚がない。
寒い時期のツアーだと、また違ってくるんでしょうけど。
(私が参加したのは9月中旬)
しかし、無事トレッキングを終了し、シャトルバスを待っている間に体は急激に冷えてくる。
更衣室でTシャツに着替えたら、長袖ポロはどっしり重い。ビショ濡れ。
(借りたレンタル品も同じくビショ濡れのまま返却)
ガイドさまも、新しい半袖Tシャツに着替え、さわやかな表情でした。
着替えは必ず、濡れないよう、ビニール袋に入れて防水すること。
おやつ
念願かなって縄文杉をまぶたにおさめ、帰り道は長い。
黒砂糖のお菓子を一袋買ってあったので、糖分をチャージしながら歩き続けました。
なお、登山靴は「厚手の靴下がおすすめなので、いつもよりワンサイズ上がよろしいでしょう」と言われて 素直に言うことを聞いたのに、
イマイチサイズが合わず、行程の最後の方はキツかったな~。
トレッキングツアーは春夏秋冬晴曇雨寒暖の現地のコンディションも参加する人のスキルや体力が千差万別なんだから、
最大公約数をカバーしなければならないのはわかるけど。
いらん持ち物をけっこう持たされ、買わされたのは
なんとなく、面白くなかったりします♪
1日10時間、往復22㎞4万歩歩いたトレッキングツアー終了後の足腰と回復の経過
ガイドさまに宿まで送っていただき、チェックインして部屋に入り、そのまま疲れてバッタリ。
歩く気にもなれず、入り口の靴ぬぎのエリアのキャリーケースはそのままに、荷物を散乱させながら必要なものをさがして見つけたものをちゃぶ台に持っていく。ちゃぶ台まで荷物を入れた袋、袋を開けて開けっ放しにしたのがナメクジの足跡のように続いている。
いったん座り込んでしまうと立ち上がる気にも歩く気にもなれず、幸いにも、和室であったため、室内の移動はすべて「四つん這い」ですます。
脚痛いなあ、とようやっと立ち上がり、食事をすませ、お風呂に入れば少しは歩けるようになるかもしれない、と行って帰ってへたりこんでいたところに、女将さんがあいさつに来てくださり、こっちは汚部屋を見られたくないっていうのに入ってこられて、惨憺たる部屋のありさまに絶句していた。恥ずかしい~。
「今日の日中は縄文杉ツアーでした。疲れて脚が痛くて立って歩く気力がありません。」と苦しい言い逃れで乗り切り、女将さんからは「脚を冷やすといいですよ。」とのアドバイスをいただきました。
もちろんその晩は早い時間に爆睡。
さて、翌日。
目を覚ますと、足の左薬指にマメができて、水がたまってジンジン痛い。
四つん這いのままでキャリーケースへと移動。
持ってきた荷物の中から安全ピンを見つけ、水を抜いたら激痛は止まった。
今日は屋久島を発って次の目的地にたどりつかなければなりません。今日は立てるだろうか。とそろそろと立ち上がってみる。
なんとか歩けました。
しかし。真面目に。ヒザが曲がらない。
気分は映画、『オズの魔法使い』のブリキ男。
立ち上がり、腰掛けることはできるのだから、「ヒザが曲がらない」のは大げさなのでしょうが、 階段の昇り降り、ことに降りる方は、手すりにすがり、体を横向きにしてヒザを曲げないように体をななめに傾けて一段一段降りなければならなかった。
縄文杉ツアー後
- 翌日は飛行機移動の後レンタカーで次の目的地へとむかい、
- 2日め以降は車や公共交通機関で移動して観光の繰り返し
で、立ったり歩いたりする時間は翌日は1時間くらい。2日めからは正味2~4時間くらい。
足を棒にしてまる1日主要スポットを攻めていく日程にしなかったのが幸いした。
2日めからは少しずつ、ヒザは曲がるようになった。
しかし階段のアップダウンは手すりに必ずすがり、
立つ・歩くの間にこまめに休憩。
日中だけで体力は使い切り、夜はさっさとホテルの部屋にこもって早寝早起き。
どうやら本調子に戻るまでには一週間くらいかかりました。