2度目の京都めぐり。前回、1回目は息子に日本人として見ておくべき!? スポットとして清水寺・三十三間堂・銀閣寺・龍安寺・金閣寺・嵐山・天龍寺・産寧坂を1日で回った。今回2回目。前回と同じく観光タクシーをお願いし、運転手さんにはだいたいの希望を伝え、プラスアルファのエリアはお任せしました。
伏見稲荷大社
前回、運転手さんに「京都の人気スポットはどこですか? 」とお伺いを立て、間髪入れずに帰ってきた答えが「伏見稲荷」。え、金閣寺じゃないの? 清水寺じゃないの?
千本稲荷の朱の色が外国人観光客の感性にまことにマッチ、インスタ映えする。アクセスもいいし、お山を登れば京都の町を一望できる、地元商店街がおもてなし(英語接客、Wi-Fi完備)体制を整えたことで、今や世界レベルで京都の代表スポットに躍り出た。
今回はぜひとも制覇したい。
年末に行ったので境内の無料駐車場は閉鎖。直近の駐車場は屋台が設置されていては入れず、線路を渡ったあたりの少し離れた場所に車を置いて、さて、出発。
いつもは押し合いへし合いなんだそうです。(コロナ下なので無茶苦茶すいている)
参道を進み
大晦日に行った。初もうでの飾りつけの最中でした。
「稲荷」とは「稲がなる=みのる」豊作を願う。しめ縄は降る雨と雷を現している。バリエーションは無限にあるけど、もともとの意味は自然の恵みである雨を願う人々の祈り。
豊作祈願はもちろんだけど、京都のお寺や神社で一番間口が広いご利益は、「疫病退散」なんだそうで。どこも今、必死になってやってます。とも。コロナ退散! 早く! 早く! お願いいたします!!!
小雪舞う本殿。
.いよいよ千本稲荷!
いつもは大渋滞。人気の撮影スポットでは全員立ち止まって写真を撮るので、ますます行列は動かないんだそうですが。今日はスペシャル。
どの鳥居も真新しい。傷みが早く、せいぜい30年くらいしかもたない。皆平成の御代に奉納されており、この写真は行きだけど、裏にはみな奉納した方のお名前が。1本130万って言ってたな、運転手さん。
一番手前の鳥居は「花王」。2番目が「電通」だった。
ご利益がほしくて奉納するのではなく、日頃のご加護に感謝させていただくのが本来。
とも聞き、うん、わかる。
〇〇するんだから〇〇してくれ、の気持ちじゃ、信心って言わないと思う。
まだまだ続く。本気で登ると2時間くらいかかっちゃうから
手前までにしておきますね、と運転手さんに先導され
「おもかる石」。
灯籠の上の石を持ちあげる。軽いと感じれば願いはかなう。重いとかんじれば、願いがかなうのはもう少し! 全然重くなかったぞ! 気合で百難、ねじふせるぞ!
となりには奉納されたろうそくがともる。
「根上がりの松」
くぐれば「値上がり」すなわち金運。膝腰の痛みにも効くらしい。あやかるべく、くぐらせていただきました!
千本稲荷が見渡せる。
外国の方には、千本稲荷の裏の「漢字」がCoolに見えるらしい。
とりわけ人気なのが「(株)」の文字なんだそうで。バランスといい、ナントカ(よくわからん)といい、申し分ない、良い! …日本人で(株)の字、そのテの感性で見る人、いないぞ~。
見る人が変わると、感想って変わるんだなあ。
平等院
10円玉の裏の刻印、平等院鳳凰堂を、息子に見せようかと。車で30分くらい。
はじめに宇治川に連れてっていただいた。
宇治と言えば宇治茶・平等院・源氏物語の宇治十帖。
宇治十帖のヒロイン、絶世の美女、浮舟が2人のプリンス、薫と匂宮との板挟みに苦しみ、川に身を投げた…のがこのあたり。
駐車場は裏手なので、南門から入ります。
拝観料は1人600円。鳳凰堂に入るには別途300円。時間制で、20分ごとに20名ずつ。内部は撮影禁止なので
お借りした画像です。
平安仏師の巨匠、定朝作の阿弥陀如来さま。阿弥陀様を囲み、雲に乗り音楽を奏で舞い踊る雲中供養菩薩さまたち。当然国宝。極楽浄土をこの世に再現し、流れた歳月は1,000年あまり。しみじみ阿弥陀さまを見上げておりました。
装飾の美しさでこれまた国宝の鐘も見に行った。
平等院のお宝は、実は併設されている宝物館、鳳翔館で見るべき。
- 釣鐘も、外にあるのはレプリカ。本物は鳳翔館。
- 雲中供養菩薩も半分は鳳翔館に展示されている。
- 建立当時の鳳凰堂の両端にあった鳳凰一対も鳳翔館にある。
どれも距離が近く、じっくりとまじかで本物が目の前にある。
鳳凰の厳しさ、鋭さ。息をのむ緊迫感。釣鐘の天女の優美さ。阿弥陀さまのお姿、舞い奏で飛ぶ菩薩さま、均整のとれた鳳凰堂の見事さ。
みどころ満点。
竹茶寮
3年前も観光タクシーで京都を巡った。今回も同じタクシー会社、同じ運転手さんを指名。それはひとえに、連れて行っていただいた竹茶寮のお昼ご飯が美味しかったから! リピ熱望! 再訪できました!
金閣寺に近く、アクセス良し。
住宅街にあり、隠れ家的で観光客向けのカラー薄め。
近くに撮影所があり、芸能人御用達でお店には色紙が所せましと飾られている。
お料理はシンプル。軽め。
突き出しは湯葉。
湯豆腐。
揚げて煮込んだ生麩。大徳寺麩・利休麩。
締めサバ。
汲み上げ湯葉。
この! 汲み上げ湯葉が! どうしても食べたかった! 絶対また京都行く! 湯葉を食べに行く! と恋焦がれていた。
ゆばなのにとろり口の中で生クリームみたいにとけて大豆の香りがほのか、つけ汁とのからみ具合は、初めていただいた時、真面目に、目をむく・絶句する美味しさだった。
茶わん蒸し。
ごはん、赤だしの味噌汁、香の物。
あと50回くらい食べたいわ。
お昼ご飯を終え、タクシーは金閣寺の前を通りかかる。人がぞろぞろ歩いてくる。「金閣寺の葺き替え完了 黄金の輝き復活」と新聞で報じられたばかりだった。
運転手さん「たいしたもんですなあ。」と一言。
三千院
洛南の平等院のあとは洛北の三千院にやってきた。雪だー。。。街中は雪は降っていなかった。三千院は京都市中から車で30分くらい。
入口。
杉木立と緑つややかな苔の広がるお庭を見たかったのですが、一面の雪景色も、また一興。運転手さんは「私、雪の三千院、はじめてです。」レアな景色だということで。
構内で一番古い往生極楽院。中に阿弥陀さまがいらっしゃる。
ここが撮影向きのスポットですよ、と運転手さんに教えてもらった。
勝林院
三千院から歩いてすぐ。
大原は天台宗の聖地で、法然上人さまのエピソードが伝えられている。「大原問答」。偉いお坊さまたちが夜通し仏教協議について問答を行い、法然上人さまは手ぐすねひいてやってきたお坊さまたちをことごとく木っ端みじんに論破してしまい、名声と教えは広く世に知られることになる…。の舞台がここ。
前を通り過ぎただけ。中には入らず。
何百年も前のエピソードが、語り継がれ、人は惹かれ、引き寄せられる。人の気持ち・人の心のオーブって、確かにあって、続いていくのですね。国内国外、どこに行っても変わらない。
宝泉院
勝林院の前を通り過ぎ、さらに奥にあるお寺。
三千院・勝林院・宝泉院がベテラン運転手さんの選んだ大原で行くべき三院。
入館料はお抹茶とお菓子の料金こみで、お庭(名園! 有名! )を拝見しながら縁側の緋毛氈に座り、お茶とお菓子をいただけるのです。
五葉の松と血天井も名物だとのことで、見せていただく。ただ、松の木はパンフレットのイラストとくらべ、だいぶ・かなり元気がなく、枝ぶり・葉ぶりがさびしい…。 行く末を案じてしまった。
曼殊院
写真撮影禁止と入口に出ていたので中の写真が撮れなかった(ただし帰りに見たらお庭の写真はOKだった。もっとよく見ればよかった;;;)。
「ミニ桂離宮」がウリで、紅葉の名所。成り立ちは奈良平安時代までさかのぼり、今に残るお寺は江戸時代の皇族、つまりお公家さま(当時の天皇の甥っ子・従兄弟)が建てたお寺なので、公家好み。境内は広大で、残る宝物も江戸時代が多い。
お坊様の建てたお寺、お武家様の建てたお寺とは一味ちがう建築や装飾、お庭のつくりを運転手さんが説明してくださった。
…素晴らしいんですけど、とにかく寒かった。お庭を見せるため、戸は開け払ってある。暖房なんかない。見学者は我々だけ。
ゆっくり見て回れるのだから良しとしましょうか。
息子は宝物の「幽霊の掛け軸」がいたくインパクトあった、と申しておりました。
(うららかな時節だとこんなかんじ)
金戒光明寺 五劫思惟阿弥陀仏(アフロ仏像・アフロ地蔵)
タクシー貸切りは8時間でお願いしていて、少し時間に余裕があったため、宿に帰る途中でちょっとだけ見に行った。
阿弥陀さまがアフロヘアだ~。
かわいい~(なんて仏様に言っちゃいけないんだけど)
世を救いたい、と寝食を忘れて修行に打ち込み、髪の毛になんか気がいかない。ひたすら没頭していた証が、アフロヘア。
お寺さまは、「なにがアフロだ」と内心苦々しいらしく、案内板には「アフロ」の文字は出ていない。
新選組発祥のお寺としても有名、淀君の妹、徳川幕府二代将軍秀忠夫人の江姫のお墓もあった。境内は広大。墓所も広々。
第1回目、京都観光の王道ツアーはこちら。