今回の奈良京都旅行のコンセプトは「ザ・修学旅行」。
知ってるだけのトコ(金閣寺とか)とか観光名所とかをとりあえずまんべんなく制覇し、京の都の空気感を味わいたい。
行けなかったけどタクシードライバーさんから聞き出した人気スポット・旬なスポットとあわせて紹介していきます。
東本願寺
京都に着いたらまず東本願寺に行こうじゃありませんか。
歩いて10分かかりませんから。 京都駅の中央口で降りて、京都タワーの足元、烏丸通りを歩けば。案内などいらない。
のっけから巨大な門に圧倒される。
中に入れば(入場料無料)
御影堂(みえいどう)、大きい。奈良の大仏殿より大きいのです。
大仏殿は幅57.5m、奥行き50.5m、棟までの高さ49.1m。東本願寺は、幅76m・奥行き58m、高さ38mだから、高さはちょっと低いんですけどね。
奈良から京都入りしました。奈良は良く言えば素朴。古い建物が古いままで残されている。京都は、突き抜けてるんですよ。華やかで明るく、時代は奈良よりも新しくなり、表現はより洗練され、カラフルなんですね。
そしてスケールが大きい。
外観だけ見れば、時間は10~15分で十分。御影堂と阿弥陀堂は中に入れます。お釈迦さまと親鸞上人さまの偉大さがひしひしと伝わってくる。
ここからは次の日、8時間観光タクシー貸切りで名所めぐり。
人気撮影スポット
京都らしい場所に行きたい。京都らしい写真を撮りたいのであれば
産寧坂
清水寺入口、石畳の坂道に古風な家屋が連なり京情緒タップリ
花見小路通り
夜の歓楽街、祇園。舞妓さん歩いてないかしらとつい探してしまう。ずらーっと並んで順番待ちしている観光客向けのお店と、小さい表札だけのやんごとなき方々が利用されるのであろうお店の粋なたたずまい!
source:Tranpan23
巽橋とその周辺
祇園を象徴するスポット、白の石橋、欄干は木製、朱色の街灯、朱色の奉納者の名入りのずらーっとならぶ河岸の柵、並ぶ町屋で「伝統的建造物群保存地区」に指定されている。
白川通りの行者橋付近
柳の緑、珍しい幅66センチの石造りの一本橋。付近の川岸は道路と町屋が近く接しており、無粋な柵がないため非常に写真映えする。
source:かよちゃん
伏見稲荷
外国人の人気No.1。世界版「地球の歩き方」の「ロンリープラネット」に掲載され、行く人が増え、 TripAdvisor等の順位がメキメキ上がった。連なる鳥居が外人さんの目には「Japan Beauty」の極み。
By Paul Vlaar [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons
鴨川デルタ
「科捜研の女」「けいおん!」「パッチギ!」など、ロケ地になったり舞台になったり。普段は飛び石が楽しい市民や観光客の憩いの場。
source:のんたん1号
が京都を知り尽くしたドライバーさまから教えていただいた人気撮影スポット。
他には
- 武豊の豪邸(ドライバーさまいわく「この門の前で奥さんの佐野量子が武豊と不倫についてのインタビューを受けた」)
- かつて美空ひばりが住んでいた豪邸
- 沢田研二の生家
を通り過ぎる時にその都度、教えていただきました。
清水寺
「清水の舞台から飛び降りる」の「清水の舞台」の実物を息子に見せねば。と連れて行った。拝観料大人1人400円。駐車料500円。現金払。参道を上り、産寧坂で写真を取り、
入り口の仁王門(重文)(16世紀のもの)をくぐり、
三重塔(重文)(国内最大級。極彩色がうるわしい。17世紀のもの)を見て、
眼下にひろがる京都の景色を眺める。
「京都では 屋上の広告看板、禁止されてるんですよ」
なるほど。さすがだ。
続いて本堂「清水の舞台」(国宝)(17世紀のもの)に上がり、絶景を楽しみ、
視線を移し、毎年年末のニュースでお坊さまが「今年を表す漢字」を書いて発表する奥の院舞台(重文)(17世紀のもの)を眺め、
舞台を出て、私の知る限りクリぼっちの息子は縁結びに効果絶大と教えられた地主神社で真剣に祈っていた。
そして2017年12月現在、清水寺は平成の大修理の真っ最中。はわかっていたのですが。ドライバーさまは「(修理中の清水の舞台の写真は)かえって貴重ですよ。」と言って下さいました。さすがですねえ。お客さんの気をそらさない。
山を下り、音羽の瀧で霊験あらたかなお水を頂戴し、「清水の舞台」を下から見上げる。昔の人はたいしたものです。人力だけてこんなに大きなものを作ってしまう。今日まで頑丈に使える形で残っている。すごいなぁ~。
参道はお土産物屋さんが立ち並んでいて、帰りは試食しておいしかった生八つ橋と、ドライバーさまに「ここ、人気あります。『白い恋人』みたいでおいしいです」と教えてもらった
京都北山マールブランシュのお濃茶ラングドシャ「茶の菓」
をお土産用にまとめ買い。
それにしても参道も境内も外国人多い…。8割か9割、外国人です。日本人かな…(近づいてくる)違う。ベトナムからだ。みたいなのばっかり。まぎれもなく日本にいるというのに、ここまで肩身の狭い気持ちを味わおうとは。
奈良にしても京都にしても、行きたい場所の修理・改修が全て終わる日を待っていては一生行けなくなってしまう。ただし、2020年の東京オリンピックを集客の大きなチャンスと捉えているお寺は多く、あてこんで2018年・2019年は工事中・修理中の観光スポットは増えそうですね。京都に限らず。
三十三間堂
私は仏像女子のはしくれ、運慶の大日如来さまや東大寺の広目天様あたりが好みなのです。息子に仏像を見て感動してもらいたいものだ、と選んだのが三十三間堂。拝観料大人1人600円。駐車料無料(!)。現金払。
鎌倉時代に作られた長さ118.2mの本堂(国宝)に千手観音様(一番大きいのは国宝、他1,001体は重文)が1,002体。つまり、見終わるのに時間がかかる。
掛け軸とかで50cm四方くらいで十何人かの仏様が金色の雲に乗って姿を現す絵くらいはみたことはあるでしょう。
しかし築約1,000年の長さ120mのおごそかな空間に延々と続く光背しょった塑像されて約1,000年の金色の1,002人の仏さまの集団。階段状の仏壇にいらっしゃるため、お顔は集合写真のごとく目に入り、おひとりお一人、お顔が違う。みな合掌して衆生を見つめている。
お供え物のロウソクは煌々と輝き、…寄進したくなる気持ちがわかります。思わず居ずまいを正したくなる。
あ、両端に風神・雷神像があるんですよ。よくみかける風神・雷神の絵より、頭が小さく筋骨表現がリアルで躍動感がある!
お堂の長さと距離から、古くから弓の聖地であり(通し矢)、仏さまを見終わったお堂の裏手、帰り道、歴代、何人もの諸国の弓の強者が花の都の京に上り、弓を奉納した記録や絵馬が展示されています。
本堂には矢を射た跡がいたるところに残ります。
銀閣寺(慈照寺)
「哲学の道」(京都大学に近く、哲学者が思索にふけりながら歩いたことからこの名がある)沿いの駐車場に車をとめて銀閣寺(国宝)へ。拝観料大人1人500円。駐車料1,000円。
15世紀末、、応仁の乱で世は乱れ、厭世の将軍足利義政が作った隠棲の館。
ちなみに銀は使われていません。
黒漆塗り(ただし現在は剥落している)、柿(こけら)葺き。
金閣寺は作られたばかり。(でも60年)
が、銀閣寺は正真正銘、築500年ですから♪
中に入ることはもちろんできませんが、かなり間近で見せていただくことができる。わりと小さい。(1辺10m未満)そして2010年に大修理を終えたばかりなので建物がしっかりしており、渋い色使いもあり、重厚。
義政将軍の愛したお庭と、茶の湯で将軍が使ったとされる湧き水と、みどころとしては地味め。でも「金閣・銀閣」ですもの。どちらも見ておきたいではありませんか。「ザ・修学旅行」ですから。
こんな展示もありました。
龍安寺
室町幕府のお偉いさん、細川勝元が創建した禅寺。拝観料大人1人500円。駐車料無料(!)。現金払。イギリスのエリザベス女王が1975年に来日し、龍安寺の石庭を訪れ、絶賛したことから一気に知名度が上がった。
「わび・さび」、なにそれ?の息子(と親)に枯山水の世界的に有名なお庭を見てもらおうじゃありませんか。
お庭は白い砂がホウキの目もはっきりくっきり。海のごとく宇宙のごとし。浮かびあがる配置された東から5個、2個、3個、2個、3個の合わせて15の大小の石。「虎の子渡しの庭」「七五三の庭」ともいわれ、どの位置からお庭を拝見しても15の石のどれかが隠れてしまう。
腰かけてお庭を眺める参拝客も、静かなんですよ。静謐な空間を目の当たりにして、人はやはり何かを感じ、心打たれるのですね。
水戸黄門こと徳川光圀さま寄進と伝えられる「つくばい」も有名。見学コースに置いてあるのはレプリカ。(子どもがひしゃくで水遊びしていた)本物は大事にしまってある。「レプリカ、本物とみたかんじ、同じですよ」とドライバーさまは教えてくださった。
石庭だけあるお寺だとばかり思っていたのですが、大きな池(鏡容池)があり、取り囲む草木いっぱいのお庭も緑深く、素敵。
金閣寺(鹿苑寺)
可哀想な若いお坊さんが火を放ち、1950年、足利義満が作った舎利殿はなくなってしまった。ただちに再建(1955年)されたお寺は、ご存じのとおり、きんきらきん…。拝観料大人1人400円。駐車料300円。現金払。
当然ながら人・人・人。情緒ないなあ、とぞろぞろ参道を歩く。
それでも、視界は開け、浮かび上がる金閣寺は夢のよう。
大事なお寺なら、野口英世の生家みたいに、中尊寺の金色堂のように、建物ごと、すっぽりカバーかぶせちゃえばいいのに。とか思ってたんですが、この景色を見に、世界中の人々が集まってくるんですねえ。
それと、おわかりかと思いますが、私、写真、下手。なのに金閣寺の写真に限って言えば、とても良く撮れている(手ぶれがなく光加減がおかしくない、レベルですが)。のに驚きます。わかりやすく、感動できる。のか金閣寺なんだろうなあ。
内部は非公開ですが、写真は見ることができた。1階も2階も3階もきんきらきんは変わらず、仏さまは鎮座しておられ、極楽浄土はかくも光り輝いているのだろうか、CGじゃなくて本物だ。思いつくだけでもすごい。作ると決めて実現しちゃうだけでもすごい。と改めて仏さまとお寺関係者の方々への畏敬の念がふつふつと湧いてきます。
「陸舟の松」にも感動してしまった。将軍足利義満遺愛の盆栽の松の木を地面に移し、600年の時を経て、松は舟の形と帆の形に整えられ、舟は西を向き、西方浄土を目指すのです。何代、何十代もかけて守り抜き、受け継ぎ、受け継がれていく。を目の当たりにできるのが、古都の魅力、ですね。
嵐山・渡月橋
もともとは郊外の風光明媚な平安貴族の別荘地。だったはず。幅広の桂川はさらさらと流れ、視界は開け、川にかかる渡月橋から上流に目をやればぽっかりとそびえる大きすぎす小さすぎないお山が嵐山。お寺と別荘と桜・新緑・紅葉・積雪の風情を愛でる場所だったはず。
しかしドライバーさまには「原宿みたいな所です」と言われてしまった。
確かに、渡月橋の手前の通りはお土産屋さんと食べ物屋さんがひしめき合い、どのお店も観光客で大混雑。ドライバーさまには、「自由時間1時間で好きなところ行ってきてください」と放流!?されたため、
渡月橋と嵐山の光景をカメラに収め、
渡月橋を単独で。
渡月橋から見た嵐山。
ついでに嵐山原宿ストリートを写し、
嵐山昇龍苑(テナントがたくさん入った商業施設)
でトイレの順番待ちしてたら待合わせの時間に遅れてしまった。(女子トイレ、大混雑です。数が少ない。観光地のトイレ(特に女子)は時間に余裕を持って、が鉄則ですね。)
天龍寺
嵐山原宿ストリートから5分も歩けば着きます。上の4枚の写真を撮る前に行ってきた。拝観料大人1人500円。現金払。
法堂(はっとう)。天井に巨大な加山又造の龍の絵があって期間限定で公開される。
庫裏(くり)から入る。
室町時代に足利尊氏が開いたお寺で、お庭は高僧であり、偉大な作庭家でもある夢窓疎石が設計。有名な苔寺の設計も夢窓疎石プロデュース。
真ん中に曹源池を配置し、山水の世界(天龍寺は禅寺)。紅葉のころが盛りかな~。
出口で気づく。左の道も
右の道も歴史的景観が続き、
お寺がたくさんあり、
門構えも町屋より重厚。
二条城
By Wiiii (Own work) [GFDL or CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
二条城にも行きたかったのですが大晦日の1日観光だったのです。
二条城は京都市が管理しており、よって年末年始は休館日!?のため、残念ながら見学できなかった。
ドライバーさま(京都検定合格者♪)から聞き出したみどころポイントは
- もともとは江戸時代、将軍の京都宿泊所として建てられたお城。よって敵からの攻撃に備えて守りを固く、的なつくりではない。
- 京都にいる天皇を監視し、また徳川将軍の威信を誇示するため、お城自体も、内装の装飾も家具調度も贅がこらされており、見応えがある。
夜の京都
三嶋亭ですき焼きを頂戴し
その後夜の京都を散策しました。いまひとつの写真ばかりですが
鴨川べり
鴨川沿いに並ぶお店。夏は張出舞台が出て夕涼みしながらお食事。
先斗町の入り口。
風情たっぷりの裏通り。
立派な門構え。
京都の町屋の桟って、この形がスタンダードなんだそうです。
人一人が通るのがやっと。
たぶん、巽橋を渡るときに撮った。
まとめ
- ドライバーさまによれば、京都観光の人気は清水寺、金閣寺、嵐山。外国人観光客なら伏見稲荷。
- 観光貸切タクシー、良かったですよ~。ドライバーさまは旅のプロ。名所みどころおすすめ、すかさず説明があり、ロスタイムなし!移動時間は休憩時間。自力で回れば足は棒。タクシーは旅館の目の前まで送り迎えつき。疲れ方が格段に少ない!
料金は24,000円ポッキリ(駐車料・拝観料別。ただしドライバーさまの拝観料はすべて無料)。
はるばる旅してやっとたどり着いた京都。行きたい場所はいくらでもあり、時間は限りなく限られてしまう。お金で時間と労力を買うと思えば、決して法外な値段ではないはず。 - 今回の旅行でいささか驚いたのは、寺社仏閣、全部その都度その都度現金払い。クレジットカードのきくところが一つもない。
息子は「共通パスってないんですか?」と聞いていた。同じ話は前にもあったらしく、さるお寺の偉い人に水を向けたところ
「ウチに来るお客さんは寺を見物に来とるんやない。お参りに来てくださってるのや。」…。完全に参拝客目線からかけ離れている。さすがは京都。強気です。
でもお客さんは次から次へとやってくる。ハイ、どうかまた、お参りさせてくださいませ!
最後は苦節(=貯金)○年、ついに降り立った京都駅と、
駅の中から見上げたアトリウム。
改札に向かって左。
改札に向かって右。