今回の奈良京都旅行のハイライトは炭屋旅館宿泊。京都の老舗旅館。高級旅館。京都三大旅館(俵屋・柊家・炭屋)の一角を担う、純和風の宿。(部屋数20室)
入口と前庭。男性が水をまいたりして、立ち働いておいででした。(カメラ構えると、さっと姿を隠される。)
外観
創業は大正時代。建物は1920年建築(ただし新館は昭和時代)。創業100年の歴史、築100年のお宅拝見できるだけでも盛り上がります。威風堂々の外観。町中のお宿なので目の前の道は正直狭く、駐車スペースはない。
木って使いこむとねずみ色になるんだ。冬でもすだれを使うんだ。
「いらっしゃいませ」と言ってくださり、さあ、お宿拝見!
入口・廊下・階段
御簾の陰に女将さんがいらっしゃいます。大女将、女将、若女将、3人いらっしゃいましたね。若女将は、宿の中で迷ってしまった時、赤ちゃん抱いていらっしゃいました。赤ちゃん、可愛かった!
売店はほんのちょっと。入口すぐにグッズが並んでいるだけ。
写真向かって右がグッズのおいてあるスペース。左側がいわゆるフロントなんですけど、滞在中はほとんど引き戸、閉まっていたなあ。 宿帳もお勘定もお部屋係の方が持ってきてくださるから、客は動く必要はない。
入口から左に曲がってつきあたりの壁には「掛蓬莱」。
ヒカゲノカズラ(日陰葛)は別名カミダスキ。茎を切っても緑が褪せない。ヒカゲノカズラの枝を逆さに飾り、蓬莱山に昇る龍にたとえた平安時代より続く京都の伝統のお正月飾り。
右に曲がって
やや幅が狭い廊下を渡る。(床はちょっとだけギシギシ鳴った気が。なにしろ築100年)
さらに奥に進むと
目に入る柱が細い。そして天井の灯が時代を感じさせる。
ちょっと型違いですね。
磨き込まれた階段を上っていって
お部屋が見えてきます。
お部屋
お部屋は暖めてあり、お茶の支度がしてありました。
その名も「克己庵」。
- 縁側付きのたぶん8畳、張出4畳つき。
- 次の間(着替えしたり荷物を置ける)4畳
- ベット2台の入ったたぶん8畳
- トイレ
- バス
- 2口の洗面所
広さは十分すぎるくらい。
床の間には掛け軸、松飾り、青磁の置物、両脇には掛蓬莱と結び柳。
炭屋さんって、茶事の宿としても有名なんですよ。
結び柳の由来は「結す」と「産す」「生す」(ともに「むす」と読む)が
繋がっていることからと言われます。
また、新年と旧年を結ぶという意味も込められています。結び柳の丸く結んだ部分も「いつまでも変わらぬ生命力の象徴」や
「一陽来福」の太陽を表しています。 (from 「飛耳長目ノート」)
床の間の掛け軸は五穀豊穣をことほぐおめでたい「三番叟」。
床の間脇の屏風には和歌なんか書いてあって、
電話なんか錦のフカフカの枕にのって錦のカバーなんかかけてあって
張り出しにはソファがテーブルをはさんで一対置いてあります。
螺鈿のうるわしい飾り棚なんかもあります。
(滞在中、お買い物のレジ袋でいっぱいにしてしまった我が家族;;)
いまどき、珍しいですね。灰皿とお店の名入りのマッチ。
もちろんマッチは記念に持って帰りましたとも。
次の間には備え付けのお着換えが。
3段になっていて
上が男性用浴衣・帯・足袋・パジャマ。
真ん中が羽織。
足袋は丁子染め(当然持ち帰ってきた)。
下段は女性用。
シルクのパジャマがあるんですよ。着心地よかった!
お宿の中ではほぼこのパジャマと羽織で通しました。
ベッドルーム。布団での寝起きが辛いお客さんのために、あえて段差の低いベットになっています。
床の間の側にはテレビがあり、大晦日の晩はここで紅白のクライマックスを見ました。
水回り(浴室・洗面所・トイレ)
炭屋さん、去年(2017年)、4カ月ほど休館して改装されたんですね。
水回り、ピッカピカ。照明も柔らかで、雰囲気最高だったりします。
お部屋係さまの目の前で思わず歓声あげちゃった。
洗面所、向かって左。
名入りのバスタオルと各人用の温泉タオルは袋入り。
中ほどにはアメニティが置かれており
洗顔料・化粧水・乳液はPOLAで
白に赤、赤に白の麻の葉模様のアメニティは資生堂で
資生堂エリクシール(ELIXIR)の化粧水・乳液セットも置いてありました。
向かって右にはドライヤーと髭剃り用の洗顔料。
お風呂は
高野槇(こうやまき)風呂。関西では一般的な素材。桧より木の色に照りがあり、新しいからいい香り!そして桧より香りが柔らかい。
そしてこのお風呂、大きいんですよ。足が軽々伸ばせる。
(ちなみに旅館内の大浴場とかの案内は特にありませんでした。聞けば教えていただけたのかもしれない。)
息子は高級旅館で贅沢をしようと朝風呂を所望し、お湯を張りはじめたはいいんですが、湯舟が大きいからお湯がたまるのに予想外に時間がかかって焦っていた。
その他の材料やこだわりは改装した檜創建株式会社さまのHPに詳しい。
黒御影石とダークグレーのタイルで落ち着きを。
白い木肌の高野槙浴槽が、黒い御影石にうっすらと浮かび上がります。
柔らかな光を迎え入れる上部に取り付けられた格子窓。
引き戸も同じくカナダ桧で。
堅牢ながら重さを感じさせない造りです。 (檜創建株式会社 施工例より)
トイレも
オート開閉式なので電気が付くとフタがあくのか、それともドアが開くとフタが開くのかで我が家は大騒ぎとなり(当然ウオシュレット機能フル装備)
ボウルも水栓もシックだ。
予約と料金
(ガラスごしに撮った旅館内の坪庭)
12月30日と31日2泊希望。1年前に予約を入れました。(もっとも、当初、大学生の息子を連れていきたかったものの、浪人してしまい、1年伸ばしたので正確には2年前。)
年末年始の予約の場合、そして「どうしてもこの宿に泊まりたい。」とのこだわりがあるなら、「じゃらん」とか「一休」のアップ(おおむね半年前)なんか待ってちゃダメ!そもそもアップされたって、空き部屋なんかありませんから。直接宿と交渉するのです。
そして京都に限らず、年末年始は特別。格の高い旅館、そして収容人数少なめの旅館ほど、常連さんがいて、一見さんはたとえ1年前に泊めてくださいってお願いしても、門前払いされてしまう。(平日に行くから、いいけど♪)
克己庵の料金は1人60,000円。夕食なしだと2割引。
評判・口コミとサービス
(食事用の個室は別にあり、飾られていた南天)
オットは炭屋旅館の歴史的地位や名声を知らず、検索かけて口コミに良いのと悪いのとが両極端であることに驚いていた。京都三大旅館の中では最も肩肘はらないお宿。
しかし、三嶋亭
に連れて行ってくれた京都の知人は
「炭屋さんですか!是非、中、見てみたいです!」とおっしゃっておられ、
観光タクシードライバーさまも
「炭屋さんですか。よく予約、取れましたなぁ。」とのリアクションでした。地元の方にも一目置かれる宿であることは間違いない。
お見かけできたのは玄関番の男性を含め、お二方かお三方。お部屋係の女性2・3名(食事の時は2名)。大女将、女将(メディアに顔出しもされている堀部寛子さま)、若女将(女性、全員京美人!)。大層良くしていただきました。
特に不満とかはなかったなあ…。高級旅館・老舗旅館に泊めていただき、京都ことばの宿の方とお話させていただいただけで、幸せ~。でした。
そして炭屋旅館の最大のウリは、お料理なんですよ!次の記事で紹介させてください。
(3年後、再訪! リピ宿泊の前回との違いなど)
(お食事の場所が変わっています。お料理は同じものもあれば変わったものもある)