湘南・鎌倉名物の一つ、江ノ電の江のノ島電鉄が毎日運行しているお手軽鎌倉市内観光名所めぐりのバス旅に参加しました。
なぜ観光バスを選んだのか
鎌倉が、混んでいるからです。(キッパリ)
一昨年、何十年ぶりかで鎌倉を訪れ、主要な観光スポットはひとめぐりしたのですが駅前をごった返す観光客の群れ、小町通りはものすごい人で歩くことすらままならない。
道が狭く一方通行も多い。一本道の袋小路で抜け道などなく、相互交通でがんばるしかない道なんかもあったりある。
行ったら行ったで駐車場に空きがあるのかひやひやしっぱなし。
お寺の拝観券を購入しようにも行列。
見学ルートは観光客がぞろぞろ列をなして歩く。「立ち止まらないで進んでください」などと警備員さんに注意されてしまう。
食事をしようにも並ばずに入れるお店など見つけられず
お茶して休憩しようにも道ばたでソフトクリームを食べようにも(注:今は鎌倉、路上飲食禁止です)
人・人・人…。
情緒もヘチマもない。のが率直な感想でした。
混雑・人混みなして鎌倉の大仏さまや鶴岡八幡宮を見るのがかなわぬ夢であるなら仕方がない。あきらめる。
ただし前回の鎌倉は20代息子と一緒でしたが、今回は70代後半母と一緒。
最優先すべきは前回が「有名なスポットはざっと一通り見ておこう」なら、今回は「くれぐれも無理をさせず、楽な日程」とコンセプトが180度異なる。
バスツアーであれば
・観光地から観光地まで運転手さんが連れて行ってくれて
・知らない道や駐車場探しに血道を上げる必要がない
・名所の説明はバスガイドさんがしてくれる
・時間配分はバスガイドさんに丸投げできる
・料金は拝観料・入場料こみなので
入場券を購入し、入場受付の列に並び直す時間が節約できてストレスフリー
・一定レベルの食事を待たずに食べられる
と良いことづくしです。
江ノ電鎌倉観光バス しずか号
鎌倉駅に行く前に、希望者がいる場合は
鎌倉プリンスホテルと鎌倉パークホテルにもバスは止まります。
5月の最後の日曜日でした。
参加者には
首かけ式の当日パスが配られ
「お渡ししたパスが本日お参りするお寺や神社の入場料支払済の証拠になります。
入り口でパスと提示すれば入場料はかかりません。
当日限り有効です。なくされますと自己負担になります」
と説明を受ける。
建長寺
鎌倉五山第一位のお寺。門構えも立派。ガイドさんに連れられて中に進むと
さらに大きな門が見えてくる。
近づくと一層の迫力。
右奥には 国宝の梵鐘が吊るされている鐘楼が。
樹齢推定760年の大木、ビャクシン。開祖の中国のお坊さまがお国から持っていらした種をまき、こんなに大きくなった。
「あとはご自由にご覧になって下さい。集合時間は○時○分です。」と解散。
では手前から見せていただきましょうか。
仏殿。御本尊の仏様がいらっしゃいます。
江戸時代の建築です。元は芝の増上寺にあったのを移築してきた。
中に入ると
かっとおん目を見開いた仏様。
続いては法堂。
江戸時代のもの。かつてお坊さまたちがお勉強した場所。
関東では最大規模。
中は垂れ幕が色鮮やか。 パキスタンから贈られたお釈迦様の苦行像と
創建750年を記念して2000年に奉納された天井の雲龍図。
さらに奥へと進み
お坊さまのお住まい、方丈へと。
今は修行や法要で使われている。江戸時代の建物で、京都から移築されてきた。
本堂では「フラメンコ」のリハーサルをしていた。
(畳に板を敷いてサパテアード付きで踊る)
修理されたばかりの唐門は金色、ピカピカ。
昔は身分の高い人しか見ることができなかったお庭などを見せていただく。
戻るとリハーサルのフラメンコ、始まってました~!
前に来たときには、別の部屋で書家の「金澤翔子」さんの個展をやっていた。
生の金澤先生のお姿を見つけてしまい、
初めて金澤先生の生の書を見て、感心したのを覚えている。
「書道の個展」「フラメンコ」と「鎌倉の名刹」。一瞬アレって思うけど。
でも、ホールや貸画廊より「鎌倉の建長寺」で「個展とリサイタル」。
いいですよね!
緑まぶしい参道を戻ります。
鶴岡八幡宮
由比ヶ浜からであれば巨大な一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居をくぐって
鎌倉駅からであれば参道に出て、
太鼓橋のある正面入口からお参りするのですが。
バスツアーは団体客用の駐車場のあるうら寂しい(失礼)脇の入口から鶴岡八幡宮に入ります。
いきなり目に入るのが
かの静御前が行方知れずの源義経を思い「しずやしず」と舞ったとされる舞台
源実朝が暗殺された石段、
暗殺者が隠れていたとされる大銀杏の切り株(大風で倒れてしまった)
のお話をざっと聞いたあと、自由時間。階段を上ってご本尊にお参り。
門の前までは写真撮影OKですが、境内は写真NGです。
お参りを済ませ、中の国宝館の入館料も支払済みなので入れる。と聞かされたので入館。
品数はあんまり多くないし、「国宝」だが「複製」の弓矢や絵や衣装などを見せていただく。
眼下に広がる景色をカメラにおさめ
母は孫たちにおまもりを買いました。(鶴岡八幡宮の御利益は武運長久)
駐車場の境内案内図。
次に向かうバスの車窓から太鼓橋がちらっと見えました。
鎌倉宮
ここも境内は撮影禁止。
明治天皇が後醍醐天皇の第一皇子、護良親王(もりながしんのう)をまつった、わりと新しくできた神社。
護良親王は身長180㎝を超える美丈夫。幼いころからお寺に預けられ、僧兵として武芸と智恵を磨く。
華々しい勝利をあげたものの、足利尊氏と対立し、今も鎌倉宮に残る石牢に幽閉され、斬首された悲運のプリンス。享年28才。
天皇が政権を奪還したのは南北朝と明治維新。明治天皇は、無念の死を遂げたご先祖様をしのび、鎌倉宮を作った。
と若い神主さんがお話してくださいました。
母はプリンスが閉じこめられた石牢がインパクト大きかったらしい。
御代川 鎌倉店(昼食)
創業者の初代御代川鯉之助さまは「煮物の神様」と謳われた伝説の料理人。
「御代川」は鶴岡八幡宮・大本山建長寺などをはじめ鎌倉諸山の古刹、名刹の料理御用を務めている。
でてきたのは「松花堂弁当」。
1,500円。(食事なしツアー参加費との差額)
正直、お味は普通で、特別記憶に残るほどのものではなかった。
しかし。
度肝を抜かれたのは、店内に置かれている
吉永小百合の色紙と着物。
棟方志功の絵。
写真、失敗してしまいましたが
川端康成の書、東郷平八郎元帥の書。
をはじめとするお宝、美術品が右を向いても、左を向いても…状態。
観光客で賑わうエリアとは少し離れたところにあり、地元の方がお使いになるお店なのでしょう。
長谷寺
あじさい寺ですね。
山肌に沿うように広がるお寺。
緑が濃く密集し、手入れの行き届いた丈の高い緑とほどほどの高さの緑が続く。うっそうとしていながらも人々の賑わいで和やかな雰囲気です。
階段をのぼり、
本堂の木造としては日本最大級の十一面観音像(長谷観音)にお参りします。
由比ヶ浜を一望できる展望台があります。
展望台をおりて、
なごみ地蔵、見つけちゃいました!
長谷寺から鎌倉の大仏さままではガイドさんの後をついて徒歩で向かいます。
人気の鎌倉紅谷の「クルミっ子」のお店も教えてもらい
「お買い上げになるのでしたら帰りにどうぞ。高徳院から長谷寺の駐車場までは歩いて10分くらいです。」
と説明を受ける。
高徳院(鎌倉大仏)
「鎌倉大仏」として知られる鎌倉唯一の国宝仏。
ひと目お姿を! の善男善女が集ってます!
鎌倉は外国人が少ない
京都・浅草・銀座あたりとくらべて、日本人の比率がとても高い。
長谷寺~鎌倉大仏あたりの食べ物屋さんが固まっているエリアには、少しは、外国人のお客さま、いらっしゃいましたけどね。
体感、外国人は5%。
参加される方へのアドバイス
時間の遅れは覚悟の上で
予定時刻は
11:00 鎌倉駅発
11:10 建長寺着
11:45 鶴岡八幡宮着
12:30 鎌倉宮着
14:14 長谷寺着
14:55 鎌倉大仏
15:30 鎌倉駅 着
です。
しかし、1時間程度の遅れが出る日もある、がバスガイドさんのお話でした。
対策としては
- 1時間の遅れを見込んで帰りの日程に余裕を持たせる。
- 鎌倉大仏を見終わったらツアーから離脱する。
Googleマップによれば鎌倉大仏-鎌倉駅は1.8km、徒歩24分。
決して歩けない距離ではありません。
当日の鎌倉の道の混み具合をバスガイドさんの口調から読み取り、バスにするか歩くか。
どっちが早く着きそうか。を見極める。
なお、私たちは鎌倉パークホテルに車を置いてあったので鎌倉大仏の前でツアーを離団。ゆるゆる歩き、カフェでお茶して、地元の魚屋さんで出来たての湘南・鎌倉名物「釜揚げしらす」を買ってホテルの駐車場まで歩きました。
5月の最終日曜日、ツアーの遅れは15分。
私たちが離団してからホテルの駐車場に到着する時間は休憩こみで30~40分。
建長寺と鶴岡八幡宮は時間が足りないかも
鎌倉宮と鎌倉大仏は、観光客が見て回れるスポットもたいして大きくなく、
バスガイドさんの指定した時間内でも間に合いそう。
しかし丁寧にじっくり、お庭も全部すみからすみまで、小さいお堂もくまなく見て回り、たたずむ石碑とかも制覇したいのであれば
- 建長寺 +1時間~1時間半(敷地が広大)
- 鶴岡八幡宮 +1~2時間(小町通りの散策を含む)
- 鎌倉宮は +10~15分
- 長谷寺 +15~20分(お庭をじっくり鑑賞)
- 高徳院(鎌倉大仏) +10~15分
くらいの時間があってもいい気もします。
正直どこも
「お参りして、主なエリアの写真撮って」+「トイレ休憩」または「お守りを購入」
すると集合時間が気になり、バスに戻りました。
かわりにバスツアーならポイントを押さえ、1日で鎌倉見物、終了です。
体力と時間と旅人のやる気!? 次第ですかね。