広い。規模が大変に大きい。そしてスペイン国内を旅して回り、「ココと同じようなトコ、もう、またはこれから見たな・見るな」感はなかった。スペインっぽい写真がたくさん撮れて、スペイン情緒に浸り、楽しく過ごせる。という意味では、とても良いスポットとして、おすすめできます。
なぜスペイン広場に行ったのか
アンダルシア周遊のツアーに組み込まれていました。
正直、セビリアの観光スポットとしての王道・定番は大聖堂・アルカサル・フラメンコ・(シーズンがあえば)闘牛、白い壁の細い路地の街並みなど。
なぜにスペイン広場に行かなければならないのかが正直わからなかった。
ガイドさまの説明によれば
「(このあと行く)セルビアの大聖堂は開館時間直後は混んでいる。時間を外せば空いてくる。」
が一つ。朝一番の観光でスペイン広場を回っておいて、セルビア大聖堂入場までの時間稼ぎをする。
そしてセビリアのアルカサルは、立派ですが、アルハンブラ宮殿みたいなお城をセビリアにも建てよう、と作られたお城。
で、私たち、セビリアの次にアルハンブラ宮殿に行くので、
行くほどのことでもない…。
白い壁の細い路地の古い街並みは、アンダルシアの主たる観光地には
全部ある…。
現に前日、コルドバで花の小道も行ってしまった。
セビリアで印象に残る観光名所は1に大聖堂、2にスペイン広場。大規模さと壮大さに圧倒される。
目先がかわり、時間が自由になるスポットとして連れていっていただけたのでしょう。
時代としてはわりと新しく、1920年代。
入口。
まず目を奪われるのは、入口ホールの華麗なタイル模様。青と黄色が基調になっています。
模様、手が込んでいますね~。
よりイスラムの影響色濃い、アラベスクの紋様。
スペイン広場の概要
1929年にセビリアで開催された万国博覧会の会場であり、目玉だったのです。
世界をあっと言わせなければ。
産業と工芸におけるセビリアの才能を示すために建てられた。
そして、1929年といえば、世界大恐慌の年です。
もともとは宮殿だった。もう1度、スペインに黄金時代を。と当時の王様が私財を投げうって作った。
スペインの立派な建物全般に言えることなんですが、重厚感がある。どことなく男性的、骨太でありながら華麗なんですね。がこの規模だもんなあ。2010年に大改修したばかり。
面積は50,000平方メートル。半円形のレンガ造りの建物で、両端に高い塔がある。
建物の正面にあるファサードの曲線に沿って、4つの橋が交差する500メートルの運河があり、その中央に広場。
広い、広い。「セビリアのベニス」と呼ばれている。
橋は4つ。スペインの4つの古代王国、カスティーリャ、アラゴン、ナバラ、レオンをあらわしている。
噴水が上がっていれば、もっと盛り上がるのですが。残念ながら今日はなし。
どんどん団体客が入ってくるのですがスペイン広場、広すぎるので、平気平気。
ガイドさまに、「写真は太陽のあたっている方向を撮るとキレイに写りますよ」と教えていただいたので、言うことを聞く。
スペイン的でありながら、異世界感もある。
- ジョージ・ルーカスの「スター・ウォーズ:エピソードII-クローンの攻撃」(惑星ナブーの宮殿)(2002年)と
- デビッド・リーン監督「アラビアのロレンス」(1962年)(シナイ砂漠を決死の覚悟で横断した後に、イギリス軍の本部へ報告に訪れる場面)と
- ジョン・ミリアス監督の「風とライオン」(1975年)
のロケ地に選ばれた。
ピーター・オトゥールが! オマー・シャリフが! ショーン・コネリーが! キャンディス・バーゲンが! R2D2が! ナタリー・ポートマンが! ここを歩いたのかしら。
スペイン広場の見どころ
中央のバルコニー
壮大な中央のバルコニーは特に印象的。
ホールのあたりは、大道芸人の方が音楽など演奏されてまして、床に布を引いて、カスタネットとか、カルメンが使いそうな色とりどりの扇など、お土産品が並べられています。音楽が響きわたり、三々五々観光客がやって来て、散って行く。
とてもなごやかな空気が漂っています。
階段の下の格間天井も見てほしい! なんて素敵なんでしょう。
いくら時間があってもたりないのは
スペイン全県のタイル細工
運河沿いの壁に沿って、スペインの県48、それぞれ県の歴史上のシンボリックな出来事のタイル絵があり、足元には地図がある。
スペイン国内からセビリアのスペイン広場を訪れる観光客は、自分の県のベンチで写真を撮るのが定番。
ホントはバルセロナとかマドリードとか、知ってる土地のタイル絵の写真を撮りたかったのですが。
メジャーな県のタイル絵の前は人だかりも多くて、なかなかいなくならない。
ベンチなので、普通に座れます。ただし、時期9月、暑い。日のあたっている場所のタイルは台座も熱くておちおち座っていられない。
大道芸(私が行った時はフラメンコや音楽)
この塔の裏手は日陰で、涼しい。
大道芸で、黒いフラメンコドレスでフラメンコを踊っている女性が1人。ギター伴奏の人が1人。2人組。
パセティックなギターの調べと歌声。フラメンコを踊り、サビの部分にくるとサパテアードの音が出る板の上に移り、靴音を響かせながらまた踊る…。
前には投げ銭用の小箱があり、
「フラメンコって、もともとは道端で踊り、流浪の民が日銭を稼いでいた踊り」
を実際に目にすることができた。
前の日にセビリアの小劇場のフラメンコショーに行ったばかりでした。
「フラメンコ」と一口に言うけど。味わいは踊り手によって、まるで変ってきます。
じーっくり見せていただき、少しばかりですが、鑑賞料、置いてきました。
ルネッサンス様式・ムデハル様式・ムーア様式が用いられている。ヨーロッパの流れと、イスラムの流れの融合。
広場の小道の脇には、色鮮やかなお土産物屋さんが軒を連ねます。
馬車でセビリア観光、できるんだ~。
ひづめの音も軽やかに、何台もお客さんを乗せたエレガントな馬車が通り過ぎていきましたよ。
「地球の歩き方」には載っていたけど、「るるぶ」には載っていなかった。
外国人観光客向けというよりは、スペイン人向けの観光名所なのかも。
国威高揚のための施設ですものね。
注意点と気がついたこと
注意点としては、ベンチはあるけど、カフェとか、ゆっくり座って休める施設はない。
かんかん照りの暑い日に、「ではここで30分後に集合」で野外で写真撮影に飛び回る。
美しいタイル細工も、見ても見ても見終わらない。体力消耗します。水分補給用にペットボトルは必需品。
お土産品も、露天で売っている観光みやげなら買えるけど、オフィシャルグッズとかはない。
探したけれどホームページもなかった。
かわりにスペイン語の「セビリアの名所〇選」みたいなものには必ず取り上げられています。
旧市街の、さらに町はずれにあるので、交通の便もあまり良くない。
帰り際にバスの車窓から見えた外観。真っ青な、雲一つない空をバックに、ひときわ勇壮であり、美しい。
Av de Isabel la Católica, 41004 Sevilla