コロナ前は外国人観光客であふれかえっていると聞きこんでいた高野山。今なら空いてるに違いない! チャンス!
道路はハードだが覚悟していた割には道は良かった
高野山に向かう途中で立ち寄った道の駅で撮った写真。
ご当地名物「杵つきやきもち」の実演販売の隣で、地元の方がシュロの葉でこおろぎやトンボを、目の前でチャッチャと作っていらっしゃる。
「すご~い! 」と騒いだら、なんと、目の前で私のためにコオロギを作ってくださり、いただいちゃいました!
弘法大師さまはまさかご自身のおみ足で高野山まで出向かれ、「ここを信仰の地と定めよう」と決心されたのでしょうから、凡人がぼやくまでもなく、高野山への道のりは、道の駅で聞き込んだ情報、「車酔いに苦しむカーブの連続」。
同乗者ならともかく、私は運転者。そうそう酔わないだろう。と覚悟を決めてナビに従い、進む。
ハードはハード。久々に本格的車での山登り。それでも、道路の改修工事はわりと行き届いていて、ひと昔まえなら危なかったであろうエリアもアスファルトも新しめで道幅もある。さすがにヤバいのでは、との道はなく、急カーブをがんばって登っていった。
また、高野山の門前町に、出光とエネオスのスタンド、ありました! 高野山に着いてからも、給油は可能。
見込みどおりすいていた。金剛峯寺の真正面に、待ちなしで車をとめられた。ラッキー!
(ひときわ鮮やかな紫の袈裟のお坊さまに惹かれてつい撮った)
あたり前なんですけど、高野山、広い。限られた日程で、何を見て帰るべきなのか。
考えずにやってきた。
の私のような不心得な人間すら受け入れてくださるのが、宗教というものでしょう。
と中に入る。大玄関脇の大広間。
高野山5カ所セットの共通内拝券を購入
玄関からお寺の中に入り、チケット売り場で「高野山、初めてなんですけどどことどこを見て回れば」とお伺いを立て、すすめられたのがこちらのチケット。
金剛峯寺、金堂、根本大塔、徳川家霊台、大師教会での授戒料がセットになって2,500円。
「明日の午前中までしか高野山にいられません。全部見て回れますか」
「このチケットは切り離しは無効ですが、有効期限はありません。ただ、授戒は時間がありますから、始まる15分くらい前までに会場にお集まりください。」
全部回りましたが、日帰りでも、うまく回れば2~3時間で、5カ所、まわれちゃいますね。
なお、金堂と根本大塔は購入翌日の朝9~10時頃に行きました。
…チケットもぎりの人、いなかった…。
金剛峯寺
写真撮影可のエリアと不可のエリアがある。
人の背丈より大きい高野杉を見て
入ってきた門をながめ
石庭を横目に
廊下を進んでいきます。
昭和の御代にできた新別殿。
阿弥陀如来さまの来迎図も真新しくも神々しい。
「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」。石庭としては日本最大規模。砂を雲海に見立て、
石は雌雄の龍一対が奥殿をお守りしているさまをあらわす。
静謐な場所でしたが
頭の中の宇宙に
イマジネーションをかきたてる。
なまじお庭が広いから。続くお庭を見つめている間、雲と龍と、それらを見つめる弘法大師さまのありがたきお姿に思いをはせる。こんな時を過ごせることが、日常から離れた場所に行く・立つ意味なんだと、私は思う。
千住博先生の襖絵、写真撮影OKだ!
「断崖図」!!! 「瀧図」!!!
感動~! 千住先生の絵、生で見るの、初めて!
墨一色で。現代を。20世紀・21世紀の芸術の到達点を、これから何百年も、伝えていくのでしょう。
ここまでが「断崖図」。
ここから「瀧図」。
工房の様子も展示されていました。
厨房を抜けて
見学コース、終了です。
徳川家霊台
徳川家康公と徳川秀忠公をまつるため、徳川家光公が建てたもの。重要文化財。
鳥居なしが秀忠公
鳥居ありが家康公。
のぞき込んでみると日にさらされた木肌と輝く黄金色がなんだかミスマッチだけど
お堂の中は金づくしの豪奢なものだそうです。
小雨が降り出し、湿気をふくんだ森の空気が漂う。参拝客は私一人。
大師教会での授戒
実言うと、セット券あるのか、でさっと購入してしまい、中身がよくわかっていなかった。大師教会で、真言密教の奥義に触れる!? ことができる。
薄暗い教会の中の講堂で、お坊様がお経をあげ、ありがたいお話を聞かせてくださり、参加証としてお札を授けてくださるのです。所要約30分。
真っ暗な講堂(2~300人くらいは入れそうだけど私が行った時は10人程度)にぽつんとあかりが灯り、聞こえてくるお経…。
ふらっとやってきた観光客が気軽に、日頃なかなかに得難い体験に簡単に参加できるメニューがある。これこそメジャーな観光地世界遺産の醍醐味・強み。
…お経はろうろうと聞こえたんですが、そのあとのお話の中身は、お坊さまの声が小さいのか私の耳が遠くなったのか、全然聞こえない…。
もっと前に席を取ればよかった。
壇上伽藍
弘法大師さまが最初に高野山整備に着手されたエリアで、5カ所内拝券のうち2か所、金堂と根本大塔はココで使う。(どちらも撮影禁止)
金堂
金堂も大塔も、中には仏様。曼荼羅の世界です。
根本大塔
(夜のライトアップの時間にもう1度行った)
この世のものとは思われない、現実離れした写真が撮れてしまった。でも、iPhoneのシャッター押しただけです!
大塔の鐘(高野四郎)
高野四郎の名前の由来は、鐘撞堂ができた当時、日本で4番目に大きい鐘だったから。
純白のお堂は、ライトアップでこの世のものとも思われぬほど、神秘的。
中門
ホントはここから入ってお参りするんでしょうけど。朱塗りの壮大な門です。
両脇の持国天さま、毘沙門天さまの写真は、失敗。
高野山霊宝館
お宝、絶対見たい! 朝8時半が開館時間だったので、開館同時入場を狙って行ったく。
入場料1,300円。内部撮影禁止。
霊宝館は開館100周年記念の特別展やっていまして
目玉は
国宝の
- 源義経の書状
- 運慶の仏像2体(八大童子立像のうち制多伽童子像・矜羯羅童子像)
重文で
- 快慶の孔雀明王像(クジャクに乗り、クジャクの羽を光背としている。掛軸の作例が多い中、仏像ではあまり見かけない)
ワクワクしながら中に入る。
開館1921年。大正10年。展示のお宝をお守りするにふさわしく、格調高くも重厚な外観も内部も白を基調としたおつくりです。
図録でしか見たことのなかった運慶や快慶の仏像彫刻をじか見できた! 感動!
運慶の彫刻の生々しさといきいきとした人間臭さ。
快慶の彫刻の超絶技巧の完璧な様式美の見事さ。
1,000年近く前に絶頂を極め、後塵の追随なんか、まったくもって寄せ付けないことのものすごさ。
義経の書も、リアルで初めてみた。数を見ていかないと、人となりを語るなんて、おこがましいけど。一字一字が細長く、癇走った字に見えた。あたってるかな。
お宝を拝見したあと、壇上伽藍にもう1度戻り
若いお坊さま、2~30人が朝のおつとめをされていました。お堂の1つ1つをザッザと玉砂利を踏みしめながら回られ、それぞれのお堂の前で、声をあわせてお経を唱えられる。
山の空気は、昨日までいた下界はまだ真夏の陽気だったのに、もう秋の気配。
お坊さまたちの声が澄んだ空気・澄んだ空に響き渡る。
これだけの場所、そうそうない。と感じ入り、清浄な地に立たせていただいてました。