スペインおんなおひとりさまの旅。地理には超絶弱いが旅行は行きたい。絶対危ないめにあいたくない。楽して観光地を回りたい。 今のところの結論は「到着後、初日は日本語の現地の半日~1日ツアーに参加、2日目以降はツアーの取りこぼしを拾い、行きたい場所に単独Go! 」
現地発着ツアーのメリット
- 個人で観光名所を1日2~3ヵ所回るところを、ツアーなら5~6ヵ所回れる。旅先で一分一秒ムダにできない時間を有効活用できる。
- 精通した添乗員さんから、現地の最新情報や必見スポットの成り立ちや見どころ、やっとのことでたどり着いた旅先で不快な思いやトラブルにまきこまれないためのアドバイスなど、かゆいところに手が届く行き届いた日本語で教えてもらえる。小さい質問も気軽にできる。
- 観光地や名所の目の前で、詳細な説明が日本語で受けられる。
- 道に迷う心配がない。
- 頼れる人についていけるこのうえない安心感
現地発着ツアーのデメリット
- 値段が割高。観光地入場料+移動経費に上乗せされるプラスαの費用が発生する。
- わがままは言えない。ツアーのきまりは守らなければならない。自分ではじっくり見たいスポットでも時間までには切り上げなければならないし、たとえ興味のない説明があったとしても、おとなしくしていなければならない。団体行動を乱してはいけない。
- 団体行動はなにかと気を遣うこともあるかもしれない。
- 何も考えずに添乗員さんにくっついていけばいいので、旅のスキルがさっぱり上達しない。
をハカリにかけ
- 日本語の説明
- 現地滞在時間の体力の範囲内でのフル活用
- 複数箇所のチケット取り・待ち時間と交通機関の予約を現地ツアー予約で一発カバー
の視点から
マドリードと近郊観光の最大公約数をもれなくカバーできる
絶対にオトク!1日で見どころを廻る☆マドリード散策とプラド美術館+世界遺産トレド観光<日本語>by[みゅう]
に参加しました。
ツアー参加前・集合時間まで
集合時間は9時なのです。 参加ツアーに含まれない「王宮」。
外観だけでも見たい、と朝7時に起きてホテルを出ると
真っ暗だったりします。(明るくなるのは7時半過ぎてから。注:9月中旬)
ライトアップされて人気のない
アルムデナ大聖堂
*
王宮
王宮前広場を抜け、
先に朝食をいただいてしまいます。
チョコラテリア サン ヒネス San Ginés Chocolateria
マドリード名物、チュロスとホットチョコレート。
https://chocolateriasangines.com/
San Ginés Chocolateria
24時間営業。
あたりはまだ暗いというのに、世界中から集まってくる観光客でお店は大賑わい。
1階は満席だったので地下の席を案内され、
出てきました!
チュロスをホットチョコレートに浸していただくのです。
チュロスは揚げたて。カリッとした食感ともっちりしたかみ応え。脂の香り。
そしてチュロスもチョコレートも、ぜんぜん甘くない!
チョコレートはカカオが香りたつ。
スイーツじゃないし、やっぱり食事なんでしょうね。
チュロスもチョコレートも、油が強いから腹持ちがいい。
ツアー始まりまで
09:00 プエルタ・デル・ソル広場のアップルストア前 集合
マドリードのシンボルの一つである、クマが山桃を食べる銅像の目の前ビルにAppleマークがあるのでわかりやすい。
受付後、早速写真を撮り
全員集まったところで、
イヤホンを渡されます。
添乗員さんの生の説明を、添乗員さんに近づかなくても、イヤホンを通じて
ツアーの間じゅうはっきり聞くことができます。
昔はスピーカーなどを使っていたはずだけど、大声でやられてはまわりはたまったものじゃないし、
遠く離れてしまうと声が聞こえなかったりする。名案です。
もちろん、ツアー終了後、イヤホンは返却。
いよいよ出発。
プラド美術館まで町歩きしながら添乗員さんの説明を聞く。
もともとスペインの首都はトレドだった。
名君、カルロス3世(1716-1788)がマドリードを新たな首都とした。
スペインの全盛期は15~16世紀ではあるものの、18世紀のカルロス3世の御代も広大な植民地を構え、富は莫大。
贅をこらし、主に王宮からプエルタ・デル・ソル広場のあたりは、 国の威信をしらしめる骨太でありながら優雅で華麗な建物がたくさん。
20世紀初めには、ニューヨークのマンハッタンを意識してグランビア通りの整備が進んだ。
また、スペインは金属加工、窓枠とか、鉄製の門とか、階段の手すりとかに使われるアレ。ガウディの建築なんかも植物や動物をモチーフにしたオリジナルな金属加工が残されている。が非常に高度。
20世紀初めに作られた建築物は金工の装飾が豪華なので、見分ける目安になります。とのこと。
メインストリートは工事中。2019年中には工事は完了する見込み。
も1つ。マドリードにしかない、珍しいもの。
マドリードはLGBTの聖地でもある。世界最大級のゲイ・レズビアンのパレードなども開催されているのだそうで。(初めて知った)
なので
歩行者用信号機の
「止まれ」「進め」マークが男、に決まっているのはおかしい、
とかで、珍しく、女の人や、男男・女女が並んだマークの歩行者用信号機があります。
(マドリードの町の中心地のみ。マドリードの町外れや、他の都市ではスカートをはいた歩行者用信号機にはお目にかかれなかった)
プラド美術館
ガイドブックにでていた外観の写真をついに自分のカメラで、と意気込んで近づくと
…工事中。
ちょうど開館200年なんですね。
待たずに入場!がこのマドリードツアーのウリの一つ。
内容は、プラド美術館に着いたら、ツアー客を列に並ばせ、前もって待機していた人と添乗員さんが予約した人数分のチケットを取りに行く、方式です。
全然待たないかと聞かれれば、誇大表示にはなってしまう。
しかし空いている日なら、文字通りスイスイ入場できた人もいるらしい。
(入場待ちの列から見えたサン ヘロニモ エル レアル教会。日本の遣欧少年使節団がスペイン国王に謁見した教会)
自力でオンラインチケットを購入してもいいんですが
スペイン語も話せず、印刷したバウチャーを持ってウロウロ…するよりは楽であることは間違いない。
それでも開館後ほどなく、中に入れて
写真撮影は入口ロビーのみになります。
と注意を受け、スマホとカメラをしまいます。
※撮影禁止は、著作権うんぬんというよりは、皆が記念撮影や自撮りで特定の絵に殺到し、混雑するのを防ぐためなんだとか。
「フランスのルーブル美術館も、そろそろ禁止になるんじゃないですか~。『モナ・リザ』のまわりなんか、ひどいでしょう。」確かに…。
入場には手荷物のX線検査あり。
プラド美術館の大きな特徴は、スペインの王様のための美術館であり、スペインの王様の好みが色濃く反映されているところに特色がある。
エル・グレコなんかは、王室づきの画家の座を熱望したが、かなわなかった。
グレコの激しい画面構成や色遣い、感情表現の独創性は時の王様の好みに合わなかったという理由。
なので残された作品は民間が依頼する教会の祭壇画などが多い。20世紀になり、フォービズムやキュービズムの流れの中、源流はエル・グレコにあるとして、評価が伊藤若冲のようにうなぎ上りで、プラド美術館にも作品が集められている。
ベラスケスはスペイン王室付きの画家であり、欧州各国を渡り歩き、あっちの王様、こっちの女王様の依頼を受け、多作で、膨大な絵を描きまくったルーベンスよりは、寡作ゆえに知名度が低い。作品も、大部分がスペインにある。
大作に強く、正統派。ドラマティックであり、威厳に満ち、豪腕超速球。スケールが大きい。
『ラス・メニーナス』は、絶対にプラド美術館から外にでることはない。
はるばる、マドリードまで来た人だけ。プラド美術館に来た人だけが、本物の『ラス・メニーナス』をご覧になれるんですよ、とのイヤホンガイドを聞きながら、うっとり、正真正銘本物の『ラス・メニーナス』を前に、感動で、震えておりました~。大感激!
午前中11時30分解散なので、ガイディングはエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、ルーベンスでおしまい。
予習してきた私には、全然物足りない。
入り口ロビー内のカウンターでスタンプをもらうことにより、当日中ならば再入場OK! 必死でお目当ての絵を探し回る。 6~7割くらいは、カバーできました。
午前中のツアーはプラド美術館内でいったん終了、解散
午後のツアーは、
- 『ゲルニカ』のあるソフィア美術館のツアー
- 古都トレド巡りのツアー
に続く。もちろん午前中のツアーのみ参加だけもOK。
午前中のツアーは11時30分に終了。
午後のツアーは、14時50分集合、15時出発なのです。
そして集合場所が離れている。貸切バスでトレドに向かうため、観光客が集中するエリアから離れた場所にある。
集合場所そのものは地下鉄なりタクシーなりを使える。
3時間以上ある。長い。
この間
- プラド美術館に再入場
- 王宮など、ツアーに含まれていないスポットを観光
- レストランやサンミゲル市場で食事(プラド美術館周辺、午後集合場所周辺はランチエリアとしては淋しい地域なので、途中の繁華街で取るのがおすすめ)
しながら、マドリードの町を突っ切って、集合場所に向かうのです。
ランチクーポン利用の昼食
私は、ランチクーポンも一緒にお願いしたのです。
土地を知っている人のおすすめにしていけば間違いない、と。
+8ユーロ。
案内のあったお店は「LIZARRAN ATOCHA店」。
Lizarran Casa de pinchos | Franquicia de restaurantes
クーポンには12時開店、とはっきり書いてありましたが、間違っています。13時開店です。
場所は朝の集合場所、プエルタ・デル・ソル広場から歩いて5~10分ほどなので、下見は集合前に済ませておきました。
メールで送られてきたミールクーポンをお店の人に渡し、
カウンターに並んでいるピンチョスを3つ、と1ドリンクを選べる。
できるだけ腹持ちのよさそうなもの(午後のツアーは夜解散)を、と大きいピンチョスばかり欲張って取ってしまいました。
おいしいです! 日本人の口に合う!
トレド半日ツアーに出発
14:50分、ホテル・フロリダ・ノルテ内 [みゅう]デスク集合
【最寄り駅】地下鉄6号線または10号線 プリンシペ・ピオ駅(Intercambiador de Principe Pio)
15時出発です。
バスは新しくてピカピカ。
トレドに届くまで、添乗員さんからはトレドの町の歴史や見どころについての説明があります。
(もちろんお昼寝していてもOKです)
トレドは古都。日本で言えば京都。
歴史は6世紀にまでさかのぼり、敵の攻撃を防ぐため、小高い山全体に町が築かれる。古い町なので道が狭い。町を広げようにも三方を川に囲まれ、おまけに山の上と悪条件。マドリードに首都が移された。
そしてスペイン、石造りの家なので、中世の町並みがそのまま残っており、町全体が世界遺産になっている。
産業としては刃物・金細工が名産品であり
郷土菓子はマサパン(アーモンド粉末と砂糖(蜂蜜)を固めた甘いお饅頭のようなもの。)と トゥロン(アーモンドを砂糖、蜂蜜、卵白で固めたもの)。
16~17世紀にスペイン絵画の大家、エル・グレコがトレドに住んだことから、世紀の名画がトレドに今なお残っている。
着いたようです。
トレドの町の全景を見渡せる絶景スポット
まず町に入るのではなく、トレドの町の全景を見渡せるビュースポットに行ける。個人旅行では、車を借りないかぎり、まず無理。
とはいえ、タホ川を隔て、向かいの山の山腹あたりで、いたって普通の道路の路肩に車をとめ、参加者が思う存分写真を撮るのを待つ方式です。
それでも、バスから降り、思わず歓声とため息出ちゃいましたよ。
色が白~淡ベージュ~ベージュに統一されていて山全体に石造りの中世のお家。
ヨーロッパの古い町のお約束、教会の尖塔がひときわ高く、
メルヘンである。小さい頃、おとぎ話の絵本の挿絵にあるかのような。
ファンタジーで、霧が晴れ、にわかに主人公の目の前に知らない町が現れたかのような。
いや~、世界には。こんな場所が、現実にまだ、存在しているんですね。
夢ではなく、リアル。な風景が今、自分の目の前にあります。
ツアーで一緒だった人も、感嘆の声とため息。
私たちが行った日は、雨だったので、絶景、実は心配だった。ギリセーフ。
トレド入り
なんてステキな町なんでしょう、の興奮さめやらぬうちに、バスはトレドの町のふもとへ。
観光客は車の乗り入れ禁止。エレベーターで町の中に入るのです。
(地元の人は車乗り入れ可。ただし道は急な坂道・石畳・道幅超狭・駐車場皆無でみんな路肩に車をとめている)
道が狭く、迷子になりやすいです。私(添乗員さん)の側を離れないでください。万が一迷子になったら警察を呼んでください。と脅かされ!?
ヨーロッパの古い町巡りのお約束、大聖堂に向かいます。スペイン最大のゴシック教会。
トレド大聖堂
13世紀に建築開始。15世紀に完成。(時間がかかるのは建築は信者からの寄付と同時並行。寄付が途絶えれば工事はいったん中止、をくりかえしたから)。基本はフランス・ゴシックだけど、修理と改築が繰り返され、スペインの郷土様式も随所に取り入れられている。スペインのカトリックの総本山。
と、何の知識もない人間を先導し、ポイントを絞って、見るべきスポットを教えていただけるありがたさ。
とても大きく、広く、中はほの暗い教会の立派さと、地元の方々が何百年と大事にして積み上げてきたものの重みと、キリスト教徒でもないのに、ふらっとやってきて遠い異国の旅人に、いくばくかの観覧料で見せていただけるのにも、あわせて感謝申し上げねば。
鐘楼は外装工事中。
※スペイン旅行ではトレドにはじまり、コルドバ、セルビア、バルセロナと行く所行く所大きな教会があった。
大聖堂はアジア人の私の目から見て、どれも似ている…。
移動を重ね、教会やお城を次々見ていくと、混乱してきます。
教会は、もともとは地元に住む方々のものなんだし、時代毎にあらん限りの最高の知識と技術を注ぎ込む。結果、たとえエリアは離れていようとも、百年単位の時の流れがあって、似てくるんだろうな~とか思いながら後半は見ていた。
もちろん、毎回、間近に見た都度見た都度は、胸に迫る迫力、厳かな神礼賛の気配に感動していました。
ただし、メスキータのムデハル様式のアーチと、サグラダファミリアのユニークさは別格。
市庁舎前広場散策
大聖堂をじっくり見学し、出口前のトレド市庁舎前の広場でちょっと休憩。
水面に映る大聖堂。『鏡富士』ならぬ『鏡大聖堂』ですね。
トレド生まれのトレド育ち、14才の時から同じ商売をしているというおじいさんから
「トレドのガイドブック、安いよ。価格破壊。5ユーロ。記念の絵はがき2枚おまけ」の
流暢な日本語の口上と、おじいさんの愛嬌に乗り、つい、買ってしまった。
サント・トメ寺院『オルガス伯爵の埋葬』
朝から夕方、今日はエル・グレコの絵を何枚見たんだろう。
エル・グレコって、すごい画家なんだなあ。今日はいい絵をたくさん見たなあ、のダメ押しの1枚が待っていました。
エル・グレコの絵だって、当たり前ですが、みんな同じではない。
数を見ていくと、さらっと仕上げた絵、勢いで押している気配は、私みたいな絵のど素人にもなんとなく、伝わってくる。
エル・グレコの最高傑作、生涯通じての代表作は、マドリードでもなく、バルセロナでもない。トレドの小さなお寺にある。中宮寺の弥勒菩薩みたいでした。
同行してくださったスペイン人のガイドさんは「世界最高の絵だから」と誇らしげにおっしゃる。
目の前に現れた「オルガス伯爵の埋葬」をひと目見た途端、戦慄が走るっていいますか。総毛だつっていいますか。
スペインの弥勒菩薩。スペインの鑑真和上像。
エル・グレコの絵のあるお部屋には、同じ霊気がありました。
絵の下、現実の世界では、なきがらとなったオルガス伯爵が美々しいよろいをまとい、これまた麗しい法服をまとった聖者さまが2人、天界から迎えにおりてきた。見守るトレドの町の名士たち。
天上世界では天使が伯爵の魂を抱いて上っており、聖ヨハネがマリアさまの前にひざまづき。キリストさまは黄色い衣の聖ペテロを指さし、伯爵が天国に迎え入れられたことをあらわしている。
オルガス伯爵が亡くなったのは14世紀。絵が描かれたのは16世紀。エル・グレコは200年前のトレドの偉人を描いたのです。
天上世界を描く、エル・グレコのイリュージョン。イマジネーションの豊かさに心打たれ、もちろん、この絵も、絶対にトレドを、このお寺を出ることはない。
スペイン行こうと決めて、はるばるやってきて、天才の絵の前に立っている私。うん。私って、とっても、幸せな人間だわ。
ショッピング
観光客向けのお土産さんが立ち並ぶ通りで、時間調整とトイレ休憩のため、自由時間があります。
トイレのある場所を教えてもらい、行きのバスの中で見るべき・買うべきモノの大筋の基礎知識を得たツアー参加客は三々五々、散って行く。
ハサミが名物なら、記念に買っていこうかな、と小さいのを買いました。
40ユーロ。高い。と値切ったら、35ユーロに負けてくれた。35ユーロでも、高いんだけど。いいや。
マサパンとトゥロンが名物菓子。
サント・トメSanto Tomeというお店が有名。
向かいのお店は、修道女さんたちのお人形がディスプレイされており、かわいかった。
解散まで
帰りのバスの中、ツアー客は疲れ果て(午前・午後とけっこう歩く)すやすやと眠っていしまっている人も多いけど、添乗員さんはマドリードの町情報を(どこの店の何が美味しいとか)ずっとガイディング。
町がそろそろ黄昏はじめるころ、プリンセサ通りにつき、ツアー終了。
前はドン・キホーテの銅像のあるスペイン広場が解散場所だったのですが、工事中。
銅像の写真も撮りたかったのですが、まわりはびっちりフェンスが張り巡らされており、内部の様子はわからない。
メチャ充実の1日でした!