スペイン・バルセロナの必見観光スポットといえばガウディ建築。グエル公園とカサ・バトリョとカサ・ミラに行ってきました。
ガウディ建築のどこがすごいのか
国内・国外とわずお出かけ先の名所旧跡といえば、相場は決まっている。「どこにいっても寺と城」。何百年前かのお寺や神社や教会、昔の王様やお殿様のお屋敷の跡。今に伝えられる文物の数々。
民家は残りにくい。まず規模が違う。そして持ち主の意向が最優先。メンテナンスを絶やさず、次代に残し伝える義理などない。
あくまでも教会やお城と比べてになりますが、安普請だから耐久性に劣る。
残った民家は、例えば日本だと、豪農・豪商の家になる。外国だと偉人の生家とか世界の名作の舞台の家とかになる。
学者センセイなら違いをかみしめられるのでしょうが、私の場合、感想は「立派だ。良いものを見せていただき、残していただき、ありがとうございます。」
…似てるの前にも見たな
になる。
ところが、ですよ。バルセロナのガウディ建築は今までに見たどのお城、どの教会、どの家とも違っていた。
ガウディのお師匠さん格の建築物なんかも見てきたのですが、弟子と師匠、底に流れる共通点があることは間違いないものの、あまりにも世界観が違うことにびっくりする。
そしてガウディの世界観は一見異様・摩訶不思議・見るものの不安をあおる、人の心の奥底の陰部をえぐる。
でありながら十分に美しく、感動できる。さらに民家なので、実際に人の住む機能をも兼ね備えている。
バルセロナにしかない。ガウディしかいない。唯一無二であることが、素人にもわかりすぎるくらいわかる。圧倒的なパワーがある。
一観光客としては、建築家にこの手の建物を造らせた施主がいたことにまず驚かされる。
変わりすぎている建物をいくつもいくつも発注して任せる。ことのできる資力がある。
未だ目に見えぬ未来に、リスクがあることに納得した上で賭ける胆力と懐の厚さと深さががある。コロンブスとイサベラ女王、喜多川歌麿と蔦屋重三郎みたい。
稀代の芸術家を動かしたことで自らの名を歴史に刻む人生、ってのが、あるんだなあ。
の人間を産んだ、の都市、バルセロナ敬意を表さずにはいられない。
ガウディの恩師は、ガウディを
「天才か、そうでなければ狂人です」と紹介したと言われている。
好きになった女性はいたけど、思いはかなわず、終生独身だった。
晩年は身なりを構わなくなり、ミサに向かう途中、転んだ拍子に路面電車にひかれる。身元がわからず浮浪者として扱われ、3日後に死亡。「ご主人さまがいない」と家政婦さんが騒ぎ出したことでようやく悲惨な死が明らかとなり、壮大な葬儀が営まれた…のエピソード。
自分の興味のあることに一直線、同時に不遇の影は見え隠れし、人との距離をつかむことが苦手で生きにくさ、生きづらさが常に付きまとった人生。
強い強い光と、それゆえに暗すぎる影。ギャップがまた、人々をひきつける。
グエル公園
バルセロナの山の手の高級住宅街になるはずだった。しかし時代を先取りしすぎ、分譲住宅を建てよう、買おうとする人が現れす、またスポンサーのグエル氏の死去により、計画は頓挫。残されているのは2件の家(スポンサーとガウディの家)と公園、通路などの公共スペース。
公園の入り口。
まず目に入るのは
なんだ、アレ…。
ここ、スペインですよね。ポリネシアじゃなく。ガウディ建築のユニークな造形にまず目を奪われる。
ガウディ博物館が見えます。高級住宅地として売り出したものの買い手がつかず、結局、ガウディ自身が住んでいた。
柱廊の下を通る。天然の洞窟の中を歩いているかのような錯覚にとらわれる。
確かに、お金持ちも方々のお住まいになる日常としては、斬新すぎたのかも。かわりに今はガウディ建築を見に、世界中から観光客がやってくる。
石、落ちてこないのかしら。でも、おちてこないのよね。
広い見晴らしのよいテラス状の広場に着き
ムーディーな波打つ背もたれとタイル絵。
「ガウディは、この公園のタイル絵に、リサイクルの陶片を使いました。環境に配慮し、資源を再利用する。ガウディのセンスは、当時から最先端を行っていたんです。」とガイドさまから説明を受ける。
なるほど。コーヒーカップの取っ手や底なんか見えます。(広場の下の列柱ホール。中央階段に続きます)
照らすは見晴らしがよく、メルヘンチックなガウディのおうちも見えるし
さっき通ってきた柱廊。
見えなかった上の部分もよくわかる。
蝶の形をした扉
シュロの葉っぱをかたどった塀。
「ガウディのお父さんは鍛冶屋さんでした。ガウディは小さいころから、お父さんの鍛冶場の工房に出入りしていたので、扉や塀や窓枠や階段の手すりなど、鉄製のもののデザインを自分でやりました。」
「そしてガウディのインスピレーションの源は、自然です。海や山であったり、動物や植物の形をもとにできたデザインが多数あります」
2番目の女性をかたどった柱から名づけて「洗濯女の回廊」。洗濯女は、ガウディのおうちの、お手伝いさん。
ここにも天然石の形を活かした柱廊。
そしてガイドさまは、私たちをさっきのテラス、グエル広場の土台が横から見える場所に連れて行く。
4本の線としずく、見えますか。足場の奥でちょっと見えにくいけれど。
カタルーニャ人のガイドさまのお話が熱を帯びる。
「スペインには州がある。カタルーニャは昔から自治の機運の高い州で、学校ではカタルーニャ語とスペイン語を習う。独立運動も昔から非常にさかん。
ガウディは、自分はカタルーニャ人だという意識を強く持っていた。
カタルーニャの旗は、黄色い地に赤のストライプが4本入っている。
グエル公園のこの部分にも、ストライプが4本入っている。
そしてストライプの先の水滴。
これは『ガウディの涙』です。カタルーニャは独立したい。でも独立できない。ガウディの悲しい、辛い気持ちを表しています。」
平和ボケで、民族問題など、肌で感じる生活をしていない私などは、初めて聞く話にじっと耳を傾けることしかできませんでした。
ガウディには、警官に呼び止められ、スペイン語でなく、カタルーニャ語で答えたため、逮捕されてしまった。とのエピソードがあります。
寡黙で、およそ今の芸術家みたいに、自分や自分のことを語るエピソードがない。でも、胸の家には熱い思い、屈しない反骨の気概があったに違いありません。
ここまでは、敷地が広いので貸切バスで観光客が次々押し寄せても満員感はさほど感じずにすむ。
ただし! ここからは人多すぎ。
人の映っていない写真を撮るにはかなり根性と根気が必要です。
中央階段
生垣はともかく
名高いトカゲのオブジェは大人気。
じっと待って撮った写真がコレ。バックに足場が映っているのがイタい。
階段脇のタイル。
上の造形もタイルも、かわいい!
建物も近づくと、使われている素材の質感がよくわかる。
石づくりで、パッと見、中世っぽいけど。タイルの使い方。窓の格子の装飾にはモデルニズモの香り。
建物の中はミュージアムショップです。
色鮮やかなモデルニズモのタイル模様のオフィシャルグッズや、各国語の本。
入ってみると小さく、混んでいました。
グエル公園の全景見取り図。
出口・ショップ付近は人は多いものの
小さいガウディ建築、陽光のもと、バルセロナの青空をバックに回りの建物に邪魔されずすっくと立ち
街中にある他のガウディ建築より、落ち着いた雰囲気漂うエリアでした。
(公式HP)
カサ・バトリョ
バトリョさんのお宅だからカサ・バトリョ。
建物のテーマは「海」。外壁のガラスモザイクは海に乱反射した7色の光。アイディアの数々、ディテールの数々の豊かさ。きらびやかさ。明るさ。華やかさは随一。
最初に連れて行かれたのは、屋上。
こ、これが個人のお宅なの? テーパパークじゃなくて? なんて自分の狭い常識にとらわれていては、いけない。
塔のタイルの貼り方、色の流れ。屋根部分も両辺・尾根とみな意匠が変わる。
はあぁ~、とため息しながら次は
裏庭。
道路に面していない部分。本来見ることのできるのは、カサ・バトリョとまわりにお住まいの方だけ。
表側ほど派手派手しい装飾はないのですが、波打つデザイン、金工のユニークさ、タイル模様も施されている。
隣家を隔てる壁にもタイル模様。
床のタイルは色目も違う。ランダムなタイル・陶片を組み合わせて、色目にグランデーションを出している。イスラム建築に源流を持ち、バルセロナで独自の美の形が生まれる。
中ほどのホールは、 金色。
金のうろこ模様の壁。ドアの意匠も、シンプルだけど、ユニーク。
天井のシャンデリアの光を浴びて。アルハンブラ宮殿を産んだ国に、もう1つ。美の形が。
金色のお部屋からは2つの窓のあるお部屋に行けまして
1つはピンク色の壁の
わりとこじんまりしたお部屋です。
もう1つのお部屋がものすごかった。
こ、この天井は。
ドアもさっきは木だけだったけど、窓際のお部屋にはガラス。
すご~い! ヨーロッパの豪邸って、ゴチャゴチャ花とか神話の1シーンとか、日本人の私の目には、デコラティブなのばっかりだと思ってたのに。デザインで見せて、シンプルなのに、目からウロ!
近づくと、一見シンプルそうに見えて、繊細な柄はびっしり入っていました。
窓枠の金工も、独特なだあ。
窓の色ガラスも単純な水玉じゃくて、天井と同じ。中央から渦を巻く。
階段部分は
吹き抜けになっていて、天井から光が差しこんで明るい。
そして白・淡いグレー、淡い水色の菱形タイルの模様が、海の底から泡が湧き上がって水面へ向かって上がって行くみたい。
水色と金のハーモニー♪
ガラスの模様にも手すりの形にも一癖あり。
お菓子のおうちみたいですね、ここも。
下方の手と観光客に注目。混んでました。覚悟の上お出かけください。
ミュージアムショップ。
忘れちゃいけない。カサ・バトリョのあるグラシア通り、石畳もガウディ作品です。観覧料、無料。
(公式HP)
カサ・ミラ
外観がコンクリート色と黒だけだから、観光バスで通り過ぎる程度なら、気づかないかも。ただし私が行った時には、カサ・ミラの前には人だかりが。目印になります。
外からは地味でも
中は豪華ですよ~。
ロビーは吹き抜け。
柱や手すりの意匠にも注目。
まずは屋上に上ります。
カサ・バトリョほど色数はないものの、広い。
色数が少ない分なかなかにシュールな景色。
ダリの絵みたいですね。ちょっと。
屋上からグラシア通りを見下ろして。
…やっぱりダリの絵だ~。
白い塔の肌は、日本の螺鈿細工みたい。
屋上から中庭を覗き込んでみる。
小さい明かり取りの窓が何となく楽しく
窓の手すりのデザインもガウディならでは。
一番下まで、見えました!
博物館
バルセロナ市内日本語観光ツアーに参加し、「カサ・ミラにはガウディの博物館があります。おすすめです。」とガイドさまがおっしゃるので、行ってみる気になった。
外観も現実離れしていますが、内部もしかり。
さっき、屋上から見えた明かり取りの窓の正体は、ここ。
椅子なんか展示してある。一癖あるデザインばかり。
(混んでいました)
地下の坑道みたいな密やかな雰囲気です。
素材の肌と質感を活かし、装飾はなし。でも美しい!
カサ・ミラの全体像の模型もありました。
住居スペースは、奇をてらったところはない。
20世紀前半のバルセロナのブルジョアジーの生活が再現されています。
メイドさんの使うお部屋。アイロン台がある。
メイドさんの寝室。
台所。
調理台。
衣装部屋。
バス・トイレ・洗面台。
書斎。
ダイニングルーム。
リビングルーム。
寝室。
奥様用のバス・トイレ・洗面台。
ガウディ建築ってがある種不気味な浮遊感あるじゃないですか。カサ・ミラは、外観は戦々恐々してたんですが、普通~の方々の暮らしぶりを見られて、正直ホッとした感。
ミュージアムショップ
サグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・バトリョ、カサ・ミラと、4つのガウディ建築めぐりでしたが、カサ・ミラはスペースが広く、サクラダ・ファミリアほど人がごった返していないので、一番見やすかった。
CGフォトサービス
カサ・ミラやガウディ建築をバックに記念写真を撮れるサービスあり。
入ってしまえば、瀟洒なタウンハウスです。
階段もスペインの香り。バルセロナの香り。
ガウディっぽかった。
(公式HP)
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