ひとみにカルチャーショックを。

旅行・グルメ・美容をメインに綴る女性向けの趣味ブログ

道なかば。解雇を迫られ身を引いた同僚について書いてみる。

3月は別れの季節。転勤・配属替えの内示が飛びかう中、年度末を待たずして同僚が一人、誰にも何も言わず、周りから声をかけられることもなくいなくなった。ゴールまで、完走できなかった。イヤな目にさんざんあわされたけど。もう二度と会わずにせいせいしたけど。志半ばで去る姿には、胸に迫るものがありますねえ。(注:フェイク入ってます)f:id:hitomi-shock:20210311062817p:plain

 

 

もともとはエリート職員、40代でクモ膜下

頭良いんですよ。旧帝大を出ている。採用直後に大学院まで行かせてもらっている。修士サマです。順調にエリートコースを歩みつつあった。なのにくも膜下出血で倒れてしまう。始めは近くの脳外科の病院に運び込まれた。しかし奥様が体を張り、命がけで病院とバトルをくりひろげ、大学病院に転院できた。転院先では「ここに来なかったら死んでいた」と聞かされたとのこと。 奇跡の生還。懸命のリハビリ。見た目も普通と変わらない。職場復帰を果たし、めでたしめでたしのはずだったのですが。

脳の病気やいったん受けたダメージって、段々と進行していくのでしょうか。

徐々に異常さが表に出てくる。

復帰してしばらくは、ヒラ職員程度の仕事はできていたそうなのですが、今の部署に配属された時の申し送りは「あの人に仕事させちゃダメ」だった。

 

 

後遺症と我慢して受け入れるにはひどすぎる

職場は業務のためにあり、使えない人ならやめさせればよさそうなものです。

が、ウチの職場は穏当を絵に描いたような場所。

激務で体を壊したのであれば面倒を見なければならない文化。

また「オレの代で職員1人やめさせた」は管理職にとっては経歴に傷がつく文化がしみついており、たらい回しにされてきた。

顔が赤ら顔で目の焦点が合わない。姿勢や歩き方も胸の真ん中を少し丸め、独特の歩き方をする。

そして脳の一部が壊れても、壊れていない部分もある。そのバランスもまた、ひどい。

倒れてから一切風邪の類の病気をしたことがない。

奥様も家にいられても困るので仕事に行ってほしい。

第一生活に差し支える。子どもにもまだお金がかかる。

職場では「はい」と「わかりました」しか言うな、と言い聞かせられ、皆勤賞。

有給休暇の取得日数はゼロ。

朝は始業1時間前に来る。なんでも「給湯室のお茶をくすねる」「ゴミ箱の飲み物や食べ物のクーポン券とレジ袋をあさる」のが目的なんだそうで。

勤務時間中も給湯室が大好きで、しきりに往復。戻るすがらイスの位置を直す、使い損じの紙を1枚1枚リサイクル印を押す、シュレッダーをかけたり、なんてことはマメ。

非正規の女子職員など、弱い立場の人に、勤務時間中に話しかけに行って自分語りをする。(私はお眼鏡にかなわないらしく無事)

(今まで書いてきた経歴その他はみな自分からそのテの被害者に語ったもの)

「ウチのババァがこう言った」
(身の毛がよだつほどイヤだった。自分の命を救ってくれた、観音さま・女神さまじゃないですか)

「休日はタダの座禅のお寺に行って座禅組んでくる」

「住宅展示場に行ってタダの景品もらってきた」

との近況のほかには優秀なお子さまの自慢話が定番。

 

肝心の仕事は、怖くて任せられない。眠っている。

しかも両手を下げて白目をむいて眠りこむ。

お昼休みと終業時間が近づくと目を覚ます。

時間になるとピタッと席を立ち、お昼ならお弁当を取りに行く。夕方ならさっさと退室。

 

 

なんとかいなくなっていただけないか

普通、病気の人というものは、自らが職場の戦力でないことを悟り、恥とし、いたたまれず、自ら身を引くものです。

しかしこの方の場合はその部分がすっぽり抜け落ちていらっしゃる。形で脳にダメージを負ったらしい。

具体的に上げて行きますと

  • 「〇時までに××お願いします(上司に頼まれて封筒入れとかシール貼りとかの仕事を振る)」と頼むと→〇時になると仕事が途中でも無言でピタっと自分の席に戻る
  • 「勤務時間中に眠らないでください」と申し渡すと「寝てません」と言い張ってまた眠る。

言われたことは聞こえているらしい。

しかし行動と反応は、まともな大人のものではない。勤務時間にコレやられたんでは、我々だってたまったものではない。

当然みんなで冷たくする、上司は辛くあたる(注意せざるを得ない)のですが、

  • 「ごみ袋をあさらないでください」と注意されると「誰がチクった」と騒ぎまわる。
  • 居眠りから覚めると自分が〇〇大学(旧帝大)卒であることをさりげなく披露し、息子の出来がいいのは自分に似たからだとヤニ下がる。
  • 熟睡居眠りの動画を撮ると恐縮するどころか「肖像権の侵害だ」と逆ギレし、席に戻ってまた眠る。

一流大学卒ですからプライドも高く、面談すると「自分の能力にふさわしい仕事を与えられていない」とぬけぬけと言ったんだそうで。

新聞の切り抜き方(←主な仕事)がなっていないと若い職員に大声で注意する横柄さ…。

 

1対1での面談の場では職員全員が「何とかしてくれ」と上司に懇願。言われた上司は中間管理職の悲しさ、上からも同じことを言われ、真摯に指導にあたるものの、全然・全く、効果はなかった。

 

この世に正義はないのか、とか思っちゃうんですが、

近年、降格や解雇への、プロセスを決めた内規が整備された。

すなわち

勤務成績が著しく良くない状態が続いた場合、

  • 日誌を書かせ面談を繰り返す
  • 所属内外で研修
  • 改善が見られない場合は文書で警告
  • 再び日誌・面談・研修
  • やはり改善がなされない場合には降格または解雇

との道筋ができたのです。

内規決まらないと動かないというのがいかにもウチの職場らしい。がそんなことを言っている場合ではない! 始動です。

 

 

崖っぷちに追い詰めるまで1年半

だいたい、仕事中に居眠りするな、と毎日毎日注意され続け、直すそぶりも気配もなく、同じことを注意され続け、それでも平然と出勤してくる。

「ちゃんと(仕事を)やれ。出なければ降格だ。給料を下げる。」と言うと「それは困る。」と返す。席に戻ったそばからまた眠りだす…。

回りに迷惑をかけている。自分が膨大な業務の源泉であり組織の負担になっている、の負い目を感じていない…。

私はもう、異常者としか思えなかった。

叱っても叱っても馬耳東風だったのですが

  • 能力にふさわしい仕事がないというので業務を増やし(当然メタメタ、フォローに追われる)
  • 朝に本日の予定を聞き取り、昼は寝ていること、無断で席を立ったこと、業務のミスをその都度指摘。夕方に報告させ上司から叱責を受ける。すべて記録に残す。
  • 1年続けて警告文がやっと出て、もう半年続く。管理職は、淡々と事実を記録するに加え
    「様子がおかしい」「具合が悪いのではないか」「勤務時間中は業務に専念するように」「病院に行ってみては」「有休を取って帰ったら」との言葉を浴びせ続け、日を追うごとにエスカレート。

これでは調子が悪くならない方がおかしい。(いや、もともとターゲットになる前にまともな人なら自ら正すか自らいなくなるんです)

さらに奥様に「ご主人は日中具合が悪そうだ」と手を回した途端、

一気に症状は進み、目は充血して血走り、真っ赤な手指の先は粉をふいて白くカサカサ、あからさまに長時間席をはずす、ミスを指摘されてもうすら笑いを浮かべるだけ。

 

詳細は推測するしかありませんが

  • 降格または解雇(多分こっち)の辞令を受け、恥をさらすか
  • 自ら身を引くか

の二者一択を奥様を巻き込んで迫ったのではないかと。

夫婦の選択は、お金が取れる方だった(注:奥様は元銀行員、今も銀行でパート勤務)

3月に入り、皆勤・有休ゼロが一転して「病院に行くから」と休むようになり、診断書を取って病気休暇に入った。病気休暇なら当分は給料は出る。

 

 

せめて「俺はこんなになっちまって、本当に情けない。申し訳ない。」ってトコが少しでもあれば。見えていれば。

いくらだって、フォローしたんですけどねえ…。
自分だって、いつ同じ身の上になるのか、わからないんです。

 

週末に出てきて、私物は持ち帰ったらしい。

 

「今度の休みには、子ども、帰ってこないんだってさぁ~」って悲しそうだった。

イライラしながら聞いてたんですが、今さらなんですが。思い出したりしています。