4月にわらわらと始まったわが職場の新しい生活様式にかかる新しい働き方。何しろ走りながら考えてるもんですから、混乱・矛盾・不都合が入り乱れるカオスな日々が続いております。
前回までのあらすじ
お国から、「密を避けなさい」とのお達しがあったもんだから
- 出勤7割減になるようシフトを組んだから決められた日は自宅で仕事してください。
- ただし、情報資産(書類・資料)の持ち出しは絶対に許しません。職場のパソコンを持ち帰るなら一筆入れて許可取ってください。もちろんネットにつなぐのは厳禁です。
- 絶対に自宅で在宅勤務してください。
- 1日4回(始業・12時・13時・終業)職場に電話連絡を入れてください。
との突っ込みどころ満載の「新しい働き方」がはじまった。
月の終わりに、来月の出勤勤務・在宅勤務の割振表が示されます。
面白いエピソードとしては、
夕方の電話連絡を「忘れた」と言い張った人がいて、12時と13時の電話も乱れがち。
上司は職員の自宅にまで押しかけ(「心配だったから」と大義名分はつく)留守を確認、自転車で外出して戻ってきた現場を押さえることに成功。
始末書を書かされ、以後の在宅勤務は認めないと申し渡され、
2時間は欠勤処理で給料減額かつ夏のボーナスカット。
さらに一部始終を注意喚起の文書で晒された人がいました。
現実的に、困ってしまうのは、在宅勤務の翌日、出てくると不在だった日の回覧文書やらメールやらの整理で、下手すると半日くらいかかってしまう。さらに突発事項が勃発したりするともう、頭パニックです。
お達しは出したものの、使えないことはなはだしい態勢であることは、発布元もじゅうじゅう承知。
お金はなくてもお上には逆らえぬ。臨時の予算も秘蔵のへそくりから捻出したらしい。
現在の態勢
在宅勤務は週2回を原則とする
1日でも半日でも構わない。ただしあくまでも業務が優先であり、できる範囲内でゆる~くやってもらって差し支えない。
(男の人の一部は「仕事にならない」と割り当てられた在宅勤務など完全無視してフル稼働。いようと思えば在宅はできるはずだ。つまりよほど家にいたくないのであろう、家の中で居場所がないのであろうと推察)
自宅のパソコンで職場のパソコンを遠隔操作できるアプリを導入
出来合いのアプリなど使うはずがない。とたかをくくっていたのですが、非常事態です。いやあ、常識って、日々動いていくんですねえ。ひと昔前には想像もできなかった。
ソリトンシステムズのアプリを職場と自宅のパソコンにインストール。
自宅のパソコンから職場のパソコンにアクセスすれば、メールの送受信もできる。文書作成もできる。
操作の内容は自宅のPCには残らないしくみになっており、機密保持は絶対。
…この世に絶対はない。外部の通信ケーブルを使う以上、情報漏洩のリスクはありとしなければならない。今までずっと言われ続けてたのに。
いつの間に主義主張を塗り替えたのでしょうか。
ソリトンシステムズのHPに行ってみたら、官公庁とか巨大企業とかが導入事例として取り上げられていた。
ウチの職場はお客様として認めてもらえたらしい。ありがとうございます。
2ヶ月でわが職場向けに仕様を整えてくれたのだろうか。それともさんざん聞かされてきた割にはわが職場の業務内容はたいしたことはなく、既製品で必要十分だったのだろうか…。
回覧で回ってきた「インストール手順」を眺めながら(←紙ベース。システムは最新でも使う人の頭はなかなか切り替わらない)またもや「この世には変わらないものなど何もない」との諸行無常の感慨がわきあがってくる。
家で職場のパソコン操作ができるのであれば、
職場内ネットワークと、業務用データの閲覧・修正ができる。
大きな進歩です。
やればできるんじゃないですかぁ♡
- 書類の回覧と決裁は変わらず紙とハンコである。つまり在宅勤務・遠隔操作で作った書類はあくまでも草稿であり、出勤して出力しないことには仕事は進まない
- 昭和の御代から延々と続いている厚み〇〇㎝の資料と古すぎるまたは細かすぎる紙ベースでしか確認できない原典確認主義
にはいつメスが入るのでしょう。 在宅勤務は週2日。残り3日の出勤勤務の日に処理しろってことですね。当面は。
なお、在宅勤務に遠隔操作アプリの利用は、必須ではありません。
私は見張られてるみたいでイヤなので、できるだけ使わずに乗り切りたい。
また、私物のパソコンを使わせ、職員の通信契約にタダ乗りし、業務をさせることと在宅勤務に伴う通勤手当の取扱いについても、前例がないがゆえ、内規が全くない。
職場のお達しには従うものの、選べるなら、突っぱねられることがあるなら。
「〇時から〇時まで端末操作の履歴のない間、何をしていたんですか」
などと質問される隙は与えたくない…。
勤怠管理は、アプリの作業状況を監視するのかと思いきや
「電話またはメールで」と変わった。
最初のうちは5分前には自宅PCの前にピタっと座り、
「現在時刻」の画面を出し、
連絡指定時刻の15秒前に自宅の電話から架電。
は絶対抜けなかったのですが、
長期にわたると気も緩む。
「自宅に上司がアポなし訪問してくる」恐ろしい事態にならないよう
遅れたら必死になって電話。5~15分くらい連絡が遅れたのは、2~3回くらい。
パソコンを持たず、通信環境のない職員には機器類は貸与されます。
事前申請が必要です。8台。(あと20年ぐらいで台数が増え、ややこしい手続きがなくなることを期待。)
サテライトオフィス
セキュリティシステムの完備した監視カメラ装備の情報ナントカルームに行けば、出張のついでとかに自分のメールを確認し、ついでにたまった仕事を片付けられる。単身赴任の人なども、週2日の縛りがあるから毎日は無理だけど、できる範囲で帰省先で仕事を進め、職場内に密を作らない在宅勤務の形が可能になった。
さらに、
ここからが我が職場の絶望的な時代遅れとお金がないがわかりやすい。
お触れを出す側の部署の人も正直情けないと思っていることでしょう。
モバイルワーク
を推し進め、出張先でもメールの確認や返信等が行えるよう、グループウェアにアクセスできるタブレット端末の貸出を開始。台数は3台。
千里の道も一歩からといいます。
文書が届いた時は正真正銘、泣いても笑っても3台しかなかった。
半月後くらいには、「タブレット8台、モバイルノート10台に増台する。
令和3年度のさらなる規模増大のため、予算を確保できるようがんばりたい。」
の文書が回ってきた。
正直、8台だの10台だの言われても、遠慮が先に立ってしまう。
事前に予約が必要で、1週間以内の出張とかを想定しており、用途は端末を活用したプレゼンテーションや、現場の写真撮影、報告書作成…。
…しかし、「端末のデータ保存は原則禁止。」とある。つまり作成したパワポはタブレットには保存できす、遠隔操作する職場の自分のパソコンにしか置いちゃダメなのか。
情報漏洩根絶を説く立場からすれば筋は通っているのでしょうが、
使う我々から見れば、使い勝手悪そうなことこの上ない。
新しい機能も、使いこなせればいいのですが
ウェブ会議のアプリも、職員全員のパソコンに行き渡った。
リアル集結ではなくウェブ会議にしましょう、と告知がくれば
出席し、操作を覚えたいのですが
どこからもウェブ会議の声はかからない。
主催する度胸とスキルのある人はまだまだ少ない。
また、在宅勤務の伺いと実績確認は紙ベースで、前日までに申し立てて上司にハンコをもらい、終わったら「予定どおり実施しました」と一筆書いて同じくハンコをもらわなければいけません。
タブレットとモバイルパソコンの貸し出しも貸出確認者と返却確認者のハンコが必要です。
ま、今はきっと夜明け前。黎明期。
「は!? 」と首をかしげたくなるお触れが立て続けに届く。油断も隙もあったもんじゃない。
在宅勤務は、わたし的には助かる。朝のヘア・メイクの時間別のことができるし洗濯物は外に干せる。お昼休みにお皿も洗えるし米もとげる。
今年は新しい局面だらけです。今のところ。