両親連れて温泉旅。行ってわかった鳴子の底力。ホテルはてらうことなくスタンダード。撮影禁止だけどお湯は天下一品。名物お土産はありふれた温泉とひと味ちがって驚愕のお味。絶景を楽しみ、最寄りの道の駅は全国グランプリ! 驚きの連続だったりする。日帰りできます。超オススメです。
泊まったホテル
鳴子ホテル公式ウェブサイト
住所
989-6823 宮城県大崎市鳴子温泉湯元-36
電話番号
0229-83-2001
アクセス
JRだと陸羽東線鳴子温泉駅徒歩5分。
車だと東京方面からなら東北自動車道古川ICから35分。
仙台の北にある大崎市(新幹線で16分)の山の奥深くにある。山あいにこじんまりした昔ながらの温泉街がひろがり、都会の人だったら感激してしまうこと請け合いです。
感想
コスパものすごく良いです。天下の名湯にじっくり浸かり、人情味ある、かみしめるほどに味がある東北のおもてなし。
安いコースだったんで、宿泊したお部屋は地味だけど清潔さは申し分なし。
お部屋以外はリノベしてあってきれい。大浴場まわり、朝夕食会場、みんな軽やかに華やかに温泉気分を盛り上げてくれる。
玄関・ロビー・ホテル周辺
玄関
玄関から入ったところ。
フロント
フロント向かいのロビー
ホテルの真ん前は、小学校。週末宿泊なので子どもたちの姿はなし。
ホテルは山肌にあり、駐車場は狭い。車の鍵は係の方に渡し、取り上げられて、見知らぬ場所に持って行かれてしまう。チェックアウトの時間帯は従業員さんが運転する宿泊客の車が数珠つなぎ!
お部屋
先に両親に部屋に入られてしまい、全景写真が撮れなかった。翌朝、おふとんひいてのシチュエーションです。お部屋はスタンダードクラス。
スタンダードクラスゆえ、シンプル。ロビーがピカピカなので、ひなびた温泉宿風情がわかりやすい。
窓の外の景色は小学校です。
ドレッシングルーム付き。置いてあるのは姿見と冷蔵庫。
お部屋のお風呂
洗面台
トイレ
クローゼットの中の
ゆかたもゆかりの鳴子こけし柄。
S~LLまでサイズを取り揃えておいてあった。
鳴子の温泉
(月間「旅の手帖」編集部の作った番付表)
硫黄の香りはあんまりきつくない。
ホテルまわりを散歩していると、ホテルの排水管からもうもうと湯けむりの立つ温泉水。
湯量が豊富。
大浴場は2つ。1階と2階があって、夜と朝とで男湯・女湯がチェンジ。両方入れる。ほかにプライベートの浴場もあって、予約すれば使える。
日帰り入浴もできる。
大浴場は、泉質が強いこと、老舗旅館ゆえ目新しさで売る必要はないことからか、奇をてらった演出はない。
(桶風呂・岩風呂はあった)
かわりにお風呂は広大で、さらっとしたお湯なのにまといつく感触が心地よく、肌になじむ。
噴出口からはとめどなく温泉水が吐き出され、千年の歴史を誇る「本物」の風格・実力を見せつけられる。
実をいいますと、私、温泉泊まっても、夜はさすがに温泉に行くけれど、あんま執着しない方。
だけど。鳴子のお湯だけは、「朝もう1度入っておこう」とむくっと起き出した。
初体験。
食事
週末1泊の滞在で、1人あたりの宿泊単価は15,000円台。
正直、1泊2食付きで15~16,000円の単価であれば、食事に期待してはいけない。が私の固定観念だったんですけど。
良心的! このお値段でこれだけ豪華お膳が出てくる。
夕食
朝食
ブッフェスタイルです。
Wi-Fiが通じない!
唯一の難癖のつけどころ。
いまどき、Wi-Fiの入っていない宿泊施設など存在しないと思って出かけていったわが家族は打ちのめされてしまった。
部屋に全然電波が入らない(注:docomoの電波は入ります)。
使いたければ1階のフロントかラウンジに出て行くしかない。(しかもコロナ下ゆえかラウンジは深夜~早朝クローズ)
ロビーで美しい和服姿の女将に声をかけていただきまして。
「Wi-Fiが入りません」とぶしつけにも訴えた一宿泊客の私の問いかけへのお答えは。
「申し訳ありません。ここは田舎ですし。
ここのお湯の硫黄の泉質で、Wi-Fi入れてもすぐにだめになっちゃうんです。
ポットなんかもそうです。ロビーとラウンジをお使いくださいませ。」
と恐縮されてしまいました。
深夜、ロビーにスマホをしにいくと、センサーがあるのか、従業員さんがフロントにさっとお出ましになる。
沈黙のお見合い状態。気まずかったりする。
なお、通じるエリアでのWi-Fiの電波の強さは申し分ありません。
鳴子名物スイーツ栗だんご
とてもおいしいです。激推し。
注意点をいくつか。
限定生産なので、 午後に買いに行くと品切れの可能性あり。
私の泊まったホテルでは、 前日まで予約すれば売店で購入できた。
日持ちが良くない。 「買ったその日のうちに食べてください。」 とどこのお店の人にも念を押される。 遠方へのお土産には向かないかも。
お土産物屋さんでは、 発泡スチロールの箱の中に入って売られている。
当日作って、14時ごろだと、 だんごの包みはまだほんのり、 温かい。
甘さ控えめのみたらしあんの中に大福大のお団子が入っており、 お団子の中にはまるごと1コ、栗の甘露煮が入っている。
みたらしあんが保温に一役買っている。
この形状ゆえか試食はなし。
店頭での温泉名物を食べられる形・見えるスタイルでの陳列なし。
ガッツリラップで厳重に包まれたスチロールトレイのみたらしあんのなかの大きめ団子を見せられても、正直そそられない。
田舎ゆえか名物ゆえなくても売れるからなのか食欲をかきたてる食品サンプルなども見かけず。
私は一般に 「消費期限の短いもの」 かつ 「水分たっぷりなもの」 が大好き。
栗だんごも買って帰ってタ食前のおやつに頂戴した。
さすがに包みを触っても熱は飛んでしまっている。
5個入りなので1個ずつにわけて電子レンジで多少温めていただきます。
みたらしあんも団子にもほぼ甘みは感じられず、 栗だけがほのかに甘い。
みたらしあんのつるんと感とお団子の柔らかな生地とお米の香りとかみ応え。早く食べろ早く食べろとせかされただけはある。
作りたての食べ物、 作りたてのお菓子の風味って、 何物にも代えがたい。
ごはんだって、炊きたてが一番おいしい。のと同じ。
今までの温泉饅頭とは別次元のおいしさでした。
リピりたい!
紅葉の盛り一週間後でも鳴子峡は大混雑
鳴子温泉街から車で2~30分。
昨日、温泉街に向かう途中も、ひっきりなしに車とすれ違い、
おそらくはこの車はみな鳴子峡の帰りなのだろう。心して行かなければと内心覚悟していた。案の定。
行ったのは日曜日の10時半ごろ。週末なんだから混むのは当たり前ながら、売店に近い駐車場など甘い甘い。巨大駐車場にはひっきりなしに車が入り続ける。帰るころには空き待ちの車の列で大渋滞。
駐車場の果ての端にしか車は置けず、満85歳の父は果たして歩いて絶景にたどりつけるのか心配になってくる。
私たちは年寄り連れだったので橋の上と橋のたもとの展望スポットにしか行けませんでしたが。
大自然のパノラマは優大で、
見下ろす谷底には渓流が流れ、橋ががかり、米粒ほどの大きさの方々が秋の鳴子の自然散策を楽しんでいらっしゃる様子が見えました。
1日、トレッキング、楽しめます。
駐車料は普通車が1台500円。山歩きが目的でしたら、鳴子大橋の手前に無料駐車場がありました。
売店は人がごったがえし、露天も列をなし、並ぶ椅子には密を避ける家族連れ。
並ぶ駐車中のバイクには四国ナンバーもあった。ビュースポットの鳴子大橋には人は鈴なり、写真を撮ろうにも前の人がなかなか動かず、固まって待つしかない。
ホテルのフロントでは、「先週の週末が一番の紅葉の見頃でした。」と言われてまった。
鳴子峡の2021年の紅葉の見頃は10月下旬。
全国道の駅グランプリ
あ・ら・伊達な道の駅も大混雑
道の駅としては大規模なんでしようが、名勝鳴子峡谷には規模は及ぶべくもなく。
道路沿いの駐車場は満車。誘導された奥の駐車場はこれまた広大。
「じゃらん 全国道の駅グランプリ」 の横断幕に、つい足をとめたくなっちゃいますね。
館内は初もうで並みの大混雑で
生鮮食品・お土産もの・キッチンカー・地元客の誘客のためか北海道ロイズと品揃えはバラエティに富み、レジはみな長蛇の列。
栗だんご、大量在庫あり!
もう少しゆったりできれば、品定めもできたかもしれないけど、何しろ混みすぎていて…。見て歩くだけです。
仙台市郊外の乗馬クラブがPR出店していて
お馬さんに会えました。
連れてこられた馬は、おとなしい。人間でいえば60歳くらいだとのこと。
中央のイベントスペースではストリートピアノやっていて、幻想即興曲なんか生で聞いてしまった。
展示の甲冑兜は、もちろん、伊達政宗仕様の三日月の前立て。
食べ物のお店のチョイスには万全の経験と実績を誇る息子が「ここで昼食を食べたい」と申しますので寄ったのです。
仙台だと牛タン定食なんでしょうけど。
大崎・古川・鳴子方面だと何が名物なのかがわからない。
値段もお手頃、量もほどほどの伊達ちゃん定食にしました。
85歳の父も80歳の母もめでたく完食。
「100歳長寿が現実味を帯びてきたのでは」とどよめく我々。
古川インターから鳴子に向かう途中、 優大・大規模な田んぼの風景が続く。
そういえば、宮城って、ササニシキの本場だった。
続く美田と入れ替わり立ち代わり目に入る防風林に守られたお屋敷に見とれてしまう。
豊かなお土地柄がしのばれました。