イギリス旅行を控え、予習しようとロンドン・湖水地方・コッツウォルズの記事を書き、画像検索していた時に知ったサイト、「Geograph」。
イギリス全土(イングランド・アイルランド・マン島)の5,773,300枚(平成30年3月5日現在)の写真が、全て利用可能!しかも商用使用可能!
「Geograph」とは?
「Geograph Britain and Ireland」は2005年3月に開始された写真を集めたウェブサイトでイギリス全土を1平方キロメートルの碁盤の目状(グリッド)に区切り、グリッド単位で写真を投稿してもらう。
そして投稿者は自分の写真が「クリエイティブ・コモンズ」のライセンスで使用されることを承諾した上でアップロードする。
イングランドの97%、アイルランドの40%以上のグリッドをカバーし、12,827人の寄稿者が5,773,300枚の画像を投稿し、331,957のマス目中277,642個のマス目、すなわちイギリス全土の83.6%の写真を、マス目ごとに閲覧できる!
そしてクリエイティブ・コモンズだから、無料画像!しかも商用可能!
と検索ワードを入れるだけで使える・見て楽しい画像がより取り見取り。
画像のダウンロード方法
会員登録、不要です。誰でも使える。
英語の検索ワードの検索
イギリス、ピーターラビットのふるさと、湖水地方の画像を探したいときは Googleで「湖水地方」と入力する。
Wikipediaなどで英語の綴りを確認する
「Geograph」のトップページの検索窓に英語の検索ワードをコピペして入れる
気に入った画像をクリック
「Download Image」をクリック
この先、2種類ある。
①欲しいサイズの 青字の「Stamped」ボタンをクリックするだけでクリエイティブ・コモンズのライセンス表示がスタンプされた画像をダウンロードできる。
②黒字の「Stamped Image」と説明書きのある画像を右クリックするだけでクリエイティブ・コモンズのライセンス表示がスタンプされた画像をダウンロードできる。
【クリエイティブ・コモンズとは】
著作権のある画像は著作権者の許可がなけれは勝手に使ってはいけない。
ここで 写真の撮影者が
- 私(撮影者)の名前を明記してください(BY)(表示)
- 画像を加工しないでください(ND)改変禁止
- 画像は自由に加工してください(SA)継承
- 画像加工、かまいません。OKです。ただし、私は自分の写真をクリエイティブ・コモンズで公開したのですから、あなたも同じ条件で元、私の写真を公開してください。(SA)継承
- 私の写真を商用で使わないでください(NC)(非営利)(←このマークのないクリエイティブ・コモンズの画像は商用使用可能。)
を明記の上、Web上に画像をアップロードしている。
「この写真、使いたいんだけど…。」といちいち問い合わせたり許可不許可を回答する手間を省くための仕組み。
「Geograph」の画像は全て「CC-BY-SA」。つまり自分の写真を「私の名前を表示してください!」「あなたが加工した写真もクリエイティブ・コモンズと表示して下さい」への承諾が写真投稿の条件。つまり、商用使用可能!
営利・非営利の線引きって、難しいじゃないですか。「商用利用可能」助かります!
「Geograph」のユニークな機能
検索ワードでヒットする画像を一括表示
観光スポットの地名での検索はもちろんですが、例えば「メソジスト(注:英語翻訳後、以下同じ)」と入れればメソジスト教会が、「変電所」と入れればイギリス全土の変電所の写真を検索できる。「リス」と入れればリスの写真、「バラ」と入れればバラの花畑、開きかけのバラのつぼみ、なぜかハスの花などの画像がピックアップされ、品定めできる。
もともとこのサイトの目的は地理学だし、検索結果は風景写真・外観の写真がどうしても多くなるものの、英語の検索語入力のスキル次第ではお宝画像!?が見つかるかも!?
検索ワードを入れなくても、地図上をクリックすれば画像検索できる
例えばビートルズのふるさと、リヴァプールの画像が欲しい時。「Liverpool」と検索窓に入れてももちろんいいんですが
トップページの地図上のリヴァプールっぽいポイントををクリックし
次の画面も次々お目当てポイントをクリックしていけば
画像検索画面にたどり着ける。
同一スポットで撮影された写真が探しやすい
お目当ての画像が表示されると 画面の右に同じ・近くのポイントで撮影された写真が並ぶ。
例えば同じ海辺でも撮影スポットと撮影時期や季節が変わると写真はがらりと変わり、 何枚も写真を見ていると現地のイメージがつかみやすい。
同一グリッドで撮影された写真が探しやすい
お目当ての画像が表示されると 画面の右上にマス目「○○(地域名を示す大文字英数2文字)××××(数字)」のコードが表示される。
クリックすれば該当コードエリアの情報と写真をまとめて見ることができる。
撮影ポイントの東西南北の位置で撮影された写真がクリックで一発表示
画面の右上のE(東)W(西)S(南)N(北)をクリックすれば 各々で撮影された写真が表示される。
写真のスタンプの文字は自分で設定が可能
ダウンロードする写真のクリエイティブ・コモンズのスタンプ表示の初期値は
「cc-by-sa/2.0-(画像のタイトル)-by(撮影者名)-geograph.org.uk/p/(番号)」
(この記事だとトップのアイキャッチ画像に初期値のスタンプ入ってます)
が画面下右寄せ、文字色白。
「customize the text」をクリックし
オプションには
- 画像タイトル
- 地理リンクを隠す
- リンク
- フォント
- スタンプの場所
- 文字サイズ
があり、スタンプのカスタマイズが可能。
スタンプなしの写真もダウンロードできる
この場合、画面のCCライセンスをコピー・ペーストの上、転載場所にも明記すること。「Stamped Image」ではなく 「Standard Image」を右クリックすればスタンプなしの画像をダウンロードできます。
「解像度別」の画面が出たら「More Stamping options...」をクリックすれば、スタンプなしの画像がダウンロードでき、欲しいサイズのスタンプなしの画像をダウンロードできる。 「Reuse」をクリックすれば「Stamped Image」「Standard Image」に切り替わります。
Geographの歴史
日本語で「ゲオグラフ イギリス」で検索してもさっぱりヒットせず、日本語の「無料画像特集」でも(私の守備範囲内では)ついぞ見かけたことはありませんが、本国イギリスでは
- 2005年以来12年の歴史があり
- 英国陸地測量部(Ordnance Survey)の後援を受けており
- 投稿写真は週毎、月毎、毎年毎にコンペがあり、投稿者のモチベーションをキープ
- 2006年のイギリス&アイルランド版ヤフーの「Travel Find」を受賞
- 英国ウィキメディアン・オブ・ザ・イヤー2012に選出
- 英国図書館が長期間Webアーカイブ
- 多くの写真がウィキメディアコモンズに移され、その写真は数千のウィキペディアの記事全体で使用されている。
と、サイトの安定度・信頼度は確かです。
その他日本人目線で気づいたこと
- 検索結果は風景写真や建物の外観の写真が多いけど、お洒落なお店の入り口とか、イギリスならではの看板とか、街角の彫刻、ロマンティックな橋と川と羊…などの写真も数多く見かけた。「イギリス」のジャンルにとらわれず絵になる写真を探すことが可能。
- 正直、有志が自分の行った場所の写真を投稿しているので、観光パンフレットに載せたいような写真もあれば、有名な教会の写真に交通標識が映り込んでいたり、名高いハイストリートは実は道路の両側に車がびっちり駐車されていたりする。 絵はがきみたいな画像が欲しいのであれば物足りない時もあるかもしれない。一方、実際に現地に出かけた場合の貴重な情報と見ることもできる。
- イギリス全土の、日本ではおよそ紹介されない地域や、写真だけ見たのでは日本だかイギリスだかわからないスポット(ゴルフ場とか高原に道1本とか)、真冬の吹雪の道路の写真や、土砂降りの湖まで、くまなく写真を見て、情報つきで現地の状況を確認することができる。たとえばイギリスを自転車で一周したい!なんて人には便利そう。
- スライドショー機能などもあり、眺めているだけでも楽しい!イギリスに行かずして、イギリス全土のディープかつレアな写真を解説つきで見せていただける!
まとめ
- イギリスの写真サイト「Geograph」ではイギリス全土で撮影されたクリエイティブ・コモンズ画像を探すことが可能。
- サイト内全ての画像が無料かつ商用利用可能。
- 風景写真が主だが、幅広いジャンルの写真が掲載されている。
- 登録必要なし。使う写真のクレジット表記さえ守れば、誰でも、1枚から、無制限にでも、画像使用が可能。
わたし的には、ものすごぉ~く使えるサイトでした!
よろしければ、覗いてみてください。