遠く離れたお国で戦争が始まった。ああ、それでなくても新型コロナのせいで物価は上がる。 インフレでちまちま貯めた老後資金が目減りしたらどうしよう、とおびえっぱなしだというのに。未来が読みにくいことはなはだしい。
戦争は絶対イヤに決まってる
冗談じゃない。私は男の子の母ですよ。
命がけで産んで、天塩にかけて!? 育てた子どもが戦争に無理やり駆り出されるだなんてとんでもない。
路傍で戦死なんかされた日には悲しみも憎しみも悔しさも…。言葉になんかできない。まだまだやりたいことあったはずなのに。
住んでる町にいきなり爆弾が降ってきたり、故郷を捨てて見知らぬ国に小さい子どもの手を引いていくなんて。軍隊が入り込んで、真っ暗な地下室で子どもを抱いてじっと待つだなんて。理屈じゃないですよ。
何をされても、武器を手にしている相手には抵抗できっこない。
今日を生き抜けるのか、明日からいったいどうやって生きていけば…。
今の日本に生まれてきた限り、まず今まで書いたような不幸は自分の人生には起こらない。ことが私の人生の最大の幸運だ。と思って生きてきたのに。
テレビのニュースやTwitterのタイムライン画像の向こうには、現にウクライナの、ロシアの最前線の人々がいる。
なぜ今どき戦争なのか
ロシアのこともウクライナのこともよくわからない。
いきなり「戦争が始まった」と聞かされて。
良くないことがなぜ起こってしまったのかがわからない。
ロシアにとってウクライナは絶対に手放せない自分たち側につくべき国であり、ウクライナが承知しないから攻め入ったのだろう。
と見当をつける。
しかし今どき、戦争なんてスマートなやり方とは思えない。
外交なり金融なり産業なりで気取られぬよう!? 徐々に相手国の懐に入り込み、気づいたらがんじがらめ、逃れようにも術はない…。
大国というものは、メリットで篭絡させんとする国を吸い寄せ、引き寄せ離れられなくさせる。ものだとばかり…。
力で屈服させようとしても
- 勝とうが負けようが人的・物的に多大な損害を被る。
- 表沙汰になれば非難され制裁を受ける。
- いったん抑え込んだとしても、造反の芽はいたるところに残っているはずで、持続ははなはだ困難を極める。
北風と太陽の例を持ち出すまでもなく、
なぜもっと穏当にコトを納められなかったのだろう。
なぜ両国は戦争を回避できなかったのだろう
戦争をせずに
- ロシアがウクライナを自分の手元に引き寄せるための手立てを尽くす
- ウクライナが周到に根回しした上で西側傘下に行くことを納得させるアクションを起こす
との少なくても前向きの姿勢さえ相手に伝わっていたなら。
ロシアの「クリミアでの軍事演習だと聞かされていたのに」と家族に送った若い兵隊さんやウクライナの爆撃に巻き込まれて犠牲になった方々は辛い・痛い・苦しい目に合わずにすんだはずなのに。
ゼレンスキー大統領は英雄扱いされているけれど
大国ロシアに攻撃されても敢然と立ち向かい、弁舌さわやかでSNSを駆使する若き指導者は今や世界の英雄扱いだけど
攻撃されて世界にその名を轟かすよりも
なぜ、 ロシアに目を付けられずに自国を引っ張れなかったのだろう。
現に犠牲者は出ているではないか。
たとえどんなに時間がかかったっていい、 難しいかもしれないけどロシアに付け入るスキを見せず与えず、 になぜ失敗したのだろう。
100年前、200年前ならともかく
「プーチン大統領を怒らせてロシアに侵攻を決意させた」 ゼレンスキー大統領は、 ほめられたもんじゃないと思うんですけどねえ。
ウクライナの焦土と国民の犠牲と引き換えの名声としか思えない…。
(プーチン大統領は言わずもがななのであえて言及しない)
2人ともミスった
プーチン大統領にしたってゼレンスキー大統領にしたって、ロシアは建前にしたってウクライナのことはよくわからないけど、二人とも選挙で選ばれてるんだ。
なのに、選んでくれた国民を渦中に放り込んだ。
何を信じたらいいのかがわからない
西側から、がれきと化したウクライナの町の様子が伝えられる。
無理やり戦場に連れだされた若いロシア兵のとまどいや死んでしまう直前に家族に送ったメッセージが発表される。
まず、信用できるのか。本当なのか。
さらに「ロシアはこれだけひどいことをしているのだから我々には云々…」の目的があって取捨選択した情報だけを流しているのではないか。
ロシアの建前や侵攻のきっかけは「ウクライナに抑圧されていた地域を守るため」だったはず。
なら、そのへんの地域の、ウクライナにやられたエピソードだって満載のはずなんだけど、今までそんなの見たことも聞いたこともない。
報道するかしないかのフィルター、日本語になってるか。の二段階を経ないと、我々庶民は知るすべもない。
一方的に、フィルターやバイアスの入っているのかもしれない情報を浴びれば浴びるほど「鵜呑みにしていいのか」と心の中で待ったがかかる。
そう、物事はなにもかも、双方の話をじっくり聞いてからでないと何も言えない。
「在日ウクライナ大使館」と「在日ロシア大使館」のTwitterを見に行く。
ウクライナの洗練されていること。ロシアの「こんなのどうでもいい」感のものすごいこと。
ロシア側の見解や動向は「波及効果を狙って出し方を工夫する」視点が皆無なので私ごときがさらっと読んだくらいでは歯など立たない。
狙ってか狙わいでかのシャワーのように繰り出される情報と伝える気がまるでない情報を両手に、とまどうばかりなのです。
ロシアもウクライナも由緒ある国。歴史と文化を誇る国。
何百年単位での民族間の攻防の歴史を知らないことには、滅多なこと言えないし。
「ロシアの残虐非道さ」は受け止める。
にしても、
ウクライナに加え、アメリカだってイギリスだってドイツだってはたまた日本だって、悪業の歴史の事実はあるわけなので
「罪なき者のみ石もて打て」(聖書ヨハネ福音書8章7節)
「あなたのやっていることは間違っている」なんて偉そうに、ちゃんちゃら言えた義理じゃない。
(注.他国に攻め入ってはいけない、の根拠は国連の定めた条項)
物資の量と規模からいけば、ウクライナの勝ち目なんかこれっぽっちもないというのに、援助はしても、深入りはしない。自国の利益が最優先だから。第三次世界大戦になっちゃうから。
石もて投げる人のもともとのありさまが悲惨すぎるんだもの、言うことまともに受け取れったって、無理ですよ~。
今ここで傷ついている人や逃げまどっている人がいるのです。侵攻はやめるべきです。絶対。
ほかには何一つ、確かなことって、ないんだなあ。
双方絶対引かない絶体絶命
経済封鎖なんかしたって、もともとロシアはソビエト連邦時代の物資不足を経験済みだし(平日はそこそこ働いて週末は農業にいそしみ、食うには困らない。住民同士の助け合いスピリットであまたの困難を乗り越えてきた。)
中国(台湾問題があるから今回沈黙)とインド(パキスタン問題があるから今回沈黙)がいる・ある以上、致命傷には至るまい。
(イランなんかもアメリカににらまれて対外的には鎖国状態だけど、もともと大国・豊かなお国柄。国内はグローバル資本が入っていないというだけで内輪では大いに栄えているという)
ロシアがウクライナに 「NATOに入るな」 と要求すること自体がおかしい。
ウクライナの方々が自分で決めることです。
落としどころがどこにも見つからない。
ロシアなり、ウクライナなりが自ら・内から変わるはずだ。
もともと血みどろの歴史が繰り返されてきたエリアなんだし
民族同士のあつれきや感情のもつれも何世代にもわたって積み重なっている。
のはわかる。けど。
どうか、ささやかに・普通に暮らしている人たちが平穏に、安全に。
願わくは楽しい・幸せだ。と感じられる未来になりますように。