去年はルスツだから今年はニセコかなあ、 とあっさり決めた。行って初めてわかったこともたくさんありました。 もちろん、 雪質バツグン、コースは広大、 外国人皆無でガラ空き!
ニセコに対する大いなる誤解
コロナ前、 ニセコといえば日本、 しかも北海道にありながら外国資本が入り込み、物価は天井知らず、 ゲレンデもロッジも外国人だらけでごった返す。 もはや日本の光景だとは思えない。と聞かされていた。
わざわざ遠くから来て下さるだけの価値のある素晴らしい場所なら、 ぜひ行ってみたい。 混むのも日本語が通じないのもイヤなので行くならコロナ鎖国の今しかない。実際に行ってみて、何かが違うと思ったら。
ニセコスキー場は1つの山(ニセコアンヌプリ山)に
- HANAZONO
- グラン・ヒラフ
- ニセコビレッジ
- アンヌプリ
と4つもスキーエリアがあり、各々の山の麓に宿泊施設が集まっている。
一番大きい、外国人が多い、一番開けている、いま風のホテルやお店が建ち並び、外国人(しかも富裕層)が集まるエリアは「グラン・ヒラフ」。
帰りのバスはアンヌプリから順々に4つのエリアの停留所を回ってお客を乗せていく。最後の「グラン・ヒラフ」。
絶句してしまった。
雪深い山を抜け、突然拡がる、歓楽街ともオフィス街とも毛色の違うネオン輝くサイバーシティ。立ち並ぶ建物も異世界感たっぷり。私の固定観念、「日本の温泉地・ホテルや民宿、ペンションが点在するスキー場城下町」とあまりに異なる目の前の景色に、ただただ感嘆してしまう。
スキー場としてもグラン・ヒラフが最大。
4つのスキーエリア、別々にリフト券がある。
短時間や子ども連れであればシングルユースでも存分に北海道スキーは楽しめる。
飽き足りない、ガンカン滑りたい人ならゴンドラやリフトで山のてっぺんまで登ってしまえば、隣のスキー場のコースへの移動も簡単。「ニセコ全山リフト券」なら4つの巨大なコースをすべり放題。
私が行ったのはニセコはニセコでも「ニセコアンヌプリ国際スキー場。」泊まったホテルも山の中の一軒家状態で、ホテルもメルヘンっぽい。
つまり全然「ここは実は外国ではないのか」と目をこすり頬をつねりたくなる場面はなかった。
ホテル宿泊、スキー滑走の間中、「なんか目指していた路線と違うなあ」との疑問が心の中にくすぶりっぱなし。
帰りのバスで、ようやく疑問水解。
ちゃんと調べていく、知っている人に聞いて確認しておけば落差はなかったのかもしれない。
「ニセコと名がつけば日本にいながらスイスとかカナダとかの海外リゾート気分」との私の認識があさはかすぎた。
海外リゾート気分のアテは外れたとはいえ、コロナ下のホテルもゲレンデも空いていたし飛行機に乗り、 バスに揺られて目指すだけの価値のある極上ゲレンデ。
がっかり・残念とはぜ~んぜん、無縁でしたけどね。
憧れのニセコでスキーしながら気づいたことあれこれ
ホテル直結のレンタルステーションで道具をレンタル。
全山を極める気合いも時間も足りないので、 当然リフト券はアンヌプリ専用です。
購入したのは5時間券。(8時間券もあった)
気がついたこととしては
- ゴンドラもリフトも定員はあるものの、感染拡大防止のため少人数運行に努めている。係の人は相乗りをすすめることはない。
定員6人のゴンドラも、定員4人のスクワットも、全部おひとりさまで乗れる。賛沢ですよねえ。コロナ前には想像もできなかった。写真も動画も位置を変えて撮り放題!
ゴンドラの列は1人・2人・4人…(グループや家族は一緒に乗っても可)のペースで進むので、待ちはもくろみどおりには進まない。でも、10分くらい待てば乗れました。 - リフト券をかざす機械が1台だけ読み込みが弱い。
いくら券をかざしてもゲートは開かず、「ゴンドラでは通ったんですけど」と係の人に訴えると「別のスキー場のリフト券、ホルダーに入っていませんか。1枚だけにしてください。」との教育的指導が入る。仰せに従いました。通りました。 - 平日だったので地元の小学生が何組も来ていて、ほほえましい。
一方、 憧れのニセコ制覇にお見えになったのであろう、ホルダーの「ニセコ全山3日券」の文字もまぶしいベテランスキーヤーもお見かけした。
ゴンドラ待ちの時、 後ろに並んだスノーボーダーさんたちはニセコの雪質を大絶賛。満喫していらっしゃるご様子でした! - 山の天気は、真面目に分単位で変わる。どうせなら頂上まで登ろう、と決心してゴンドラを降りると、目の前は地吹雪が吹きすさび、前も足元も見えなかったりする。
断念し、苦心惨備しながら滑り降り、もう1度ゴンドラで同じ場所に戻ると、今度は山頂まで余裕で見渡せ、向こうの尾根を華麗に滑り降りる砂粒ほどの大きさのスキーヤーが見えたりする。 - 同行した息子は午前中でリタイヤしてしまった。視界が悪く、 下ばかり見て滑っていると、車酔いならぬスキー場酔いしてしまうんですね。
自分でお金を払っていないから軟弱なのです。(と決めつける)
私だって酔いはありました。
難易度の高いコースは諦め、ファミリー向けのコースを繰り返し滑る。
3~4回滑ればコースはだいたい覚えてしまう。下を見ず、視線はできるたけ遠くへ。昼食・休憩時間を除き、きっちり5時間、滑り切りました! - リフトの運行は不安定
レストランでの昼食を終え、会計の時、ニセコ慣れしているとみたシニアのご夫妻は、全山4スキー場のリフト運行状況の電光掲示板を見てひとこと。
「あら、今日は頂上(のリフト)、動いてる。」
数えきれないほどのリフトはあっても、頂上までのリフトは動いたり止まったり。私たちが引き上げる時には山の下側の1つしか動かなかった。
- お天気は右肩下がり。雪は降る降る風は吹きすさぶ。 視界もよろしくない。
つまり、リフトを降りるたびにニセコの新雪、しかも十分すぎる量を堪能できます。 良いんだか悪いんだか。
ニセコの雪質について
雪質が良い、と言われているスキー場で、 過去の経験は
岩手の安比高原、去年のルスツ。
ルスツは、ふわっふわのパウダースノーで、 感動してしまいました。
ニセコの雪は、パウダースノー・アスピリンスノーというには、 多少無理があった。水気が多いというか。粒子が粗く、多少ベタつく感触がある。もちろん、 気温が低いからシャーベットでもない。
朝、滑り始め、アイスバーンっぽい場所もあって、ちょっとひやっとしてしまった。
驚きだったのは、シャリ感のある雪で、なおかつ「スピードが出る」。ニセコスペシャルと呼びたい。初体験。
私のスキーの腕は「中難度の坂をできるだけ地面と平行に回数を増やして往復しながら転ばずに滑り降りることができる」程度。
ところが、ニセコのゲレンデでスピードをゆるめようとしてもで、できない…。もともとの雪質と、滑っている最中でも雪はしんしんと積もってるわけで。新雪では、私程度のスキーの腕前だと抑えがよけいにきかない…。進む進む、早すぎる、コワイ~!!!! で盛大に転んでしまった。
(気温が低いので雪は叩き落とせてウェアが濡れないのも北海道ならでは)
上級者だったら、やみつきですよね。
全山図を見ればアンヌプリのゲレンデのスケール、 1/4かあ、とタカをくくってしまいがちですが、とんでもない! 広い広い。
はじめは人が少なすぎ、滑走エリアの見当さえつけられなかった。案内掲示板を見分けられるまでは「滑走禁止のエリアに迷い込んでしまったらどうしよう。」とビクビクものでした。
日本の顔、世界が目指すゲレンデでスキーができた。楽しかったです。