サウナー(サウナ愛好家)たちのあこがれ、北の聖地として名高い、北海道上富良野の白銀荘行ってきました。本物はただたたずむ。旅行者は雄大な風格の中に身を置き、ただ感じるのです。
アクセス
札幌から旭川までは特急、旭川から富良野線に乗り換えて上富良野駅で下車。
JR札幌駅のみどりの窓口で「札幌-上富良野、札幌-旭川は自由席特急券、今晩は旭川に泊まって明日札幌に戻ります」と伝え、渡されたのは「ふらの・びえいフリーきっぷ」。4日間有効。お得に購入できました!
ほかに札幌-富良野間を高速バス移動もできる。料金もJRより大幅ダウン。(富良野-上富良野はJR)
上富良野駅からはタクシー予約。車で30分くらい。駅からバスは出ているのですが、1日3本しかない。
- 前泊して朝のバスに乗る昼のバスに乗り白銀荘1泊
- 同じく昼のバスで行ってタ方のバスで上富良野駅まで戻る
の選択肢はあったけど。
雄大な自然は大いにけっこうなんですが、裏を返せば何もない。サウナ入りたいだけなんだし、日帰りでいいかな。と。
レンタカーを借りるテもあるけれど。
旅行者が真冬の北海道の山道を登り降りするのはリスクが大きすぎる。荒れ模様だったりしては命の危険にかかわる。
夏に行けばいいんでしようが、白銀荘の醍醐味は
「サウナで熱波を浴びたあと裸で雪にダイブして水風呂がわりにする」ことにあるのです。
真冬でなければならんのです。
現地のことがよくわからないので事前に地元のタクシー会社に電話を入れて車を確保したけれど
上富良野駅
を出るとタクシーは私たちの車を含め合計3台。
冬はオフシーズンなんだし、予約なしでもイケる時もありそう。
ちなみに料金は行き帰りとも7,000円弱。冬場は割増料金が2割上乗せされている。夏場ならもう少し安い。
「白銀荘、人気ありますね。全国からお客さん、いらっしゃいます。東京からも九州からも。」
白銀荘のあるあたりは、とにかく温泉が多い、道路標識の表示も温泉だらけ。
田畑は雪で覆われ、キツネの足跡がついている。
山また山をひたすら登っていく。
幹の白い白樺の木々が続く。
都会のサウナに慣れた人にはインパクト大きいだろうなあ。
設備
白銀荘は本来サウナ施設専業ではない。
サウナーさんが行って感動して伝え広め、全国区としてはサウナとして知名度は鳴り響いていても、北海道のど真ん中は遠い。主な客筋は登山客や冬場のスキー客の保養所。
休憩できる、お風呂がある。なんだったら泊まれる。
お風呂のついでにサウナがあるのです。
内部は撮影禁止だと口頭で言われてしまい、写真は撮れなかった。
You Tuberさんの動画見て予習していったのに。ちょっと残念。
食事は出ません。持ち込みです。
カップラーメンの自販機はある。
お湯は給茶器から出る。
飲み物もビールを含め、自販機あり。
物販コーナーにはご当地グッズのほかにちょっとしたお菓子くらいはあったけど、食事には物足りない。
ソフトクリームがおいしい、とロコミを見ていたので湯上がりにお願いしたら、サービス業というよりは山小屋の管理人っぽい、がっちりして朴訥そうなフロントの方が別スペースに移動して時間をかけてソフトクリームを出してくださった。
畳敷きの休憩室(簡易テーブルが並んでいる)ではみなさんお弁当やコンビニで買ってきたものとかを広げてお食事。
続いてお昼寝なんかもしていらっしゃいました。
のんびりしてますよ~。マッサージチェアあり。
湯上がりにビールを片手にマッサージチェアの上で寛ぐ男性。極楽極楽!
玄関を入ると券売機があり
入浴料・貸バスタオル・タオル(息子はお土産用に2つ購入)・貸し水着(男湯・女湯のほかに混浴の雪ダイブ用!? の露天風呂がある。行かないのであれば購入する必要なし)・ソフトクリームのお代はみな券売機で券を買ってフロントに渡す方式。
フロントでは荷物も預かってもらえる。
階段を降りて大浴場があって、2階に上がれば休憩室。
休憩室は20畳くらいの広さ。
中の様子
地元の人には当たり前すぎて「どこが良いのかよくわからない」。ところがよそ者にとってはとてつもなく新鮮。贅沢な贅沢な空間。
まず広い! ロビーも大浴場も休憩室も天井が高い。
さらに豪雪に耐えるべく、北海道の建物は柱や梁も内地のそれと重厚さのレベルが違う。
普通の旅行者が行く観光地やホテルやカフェレベルだと内装や置物や家具などに気を取られてしまいがちだけど、白銀荘は山男・山女が集う場所。素のまま。
ちまちました「サウナで稼いで食べている」気配の器の小ささがどこにもない。
大浴場とサウナ
もちろん地元の木材、ヒバがふんだんに使われている。
浴場に入ると木の香りがする。
内風呂は大小取りそろえ、女湯だというのに、露天風呂も広い。奥へ奥へと続き、先に行くほどお湯の温度は下がる。
露天風呂はみんな岩風呂。岩の大きさと列なす景観は地産地消の極みだし、吹き出すお湯は当然汲めども尽きぬ無尽蔵。
肝心のサウナは2段式。温度は90度くらい。時間測定は砂時計の5分計が2つ。
タオルは敷いてあり、気にする人のためのバスマットは売店で購入できる。
ロウリュ(熱した岩に水をかけて蒸気を出しサウナ室内の温度と湿度を上げる)用の水の入ったバケツとひしゃくもセット済み。
ロウリュは「いいですか」と一言断ってから、がマナー。
また、10分に1回程度にしてください、との張り紙もありました。
2月の土曜日、お昼からまりの時間帯で、女湯の人数は…10人はいなかった。
(息子によれば男湯はサウナ室が満員になるくらいの人数は入っていたとのこと)
寄をてらった演出は何一つないのです。全てがシンプル。正統派。
私はガチのサウナーさまがたのような境地には程遠く
初回はサウナ1 0分→露天風呂に行って極ゆる湯に浸る
その後はサウナ5分→露天風呂 極ぬる湯を2~3回繰り返した。
サウナ後の雪ダイブは…息子はやったそうです。
私は度胸がなく、 岩に積もった雪を心臓から遠い手足にこすりつけてから露天風呂につかっていた。
雪にあたった部分は湯船の中でことのほか心地よくポカポカあったかい。
館内には周辺の地図や、 雪の結晶の研究のために山にこもられた偉い先生の紹介や、珍しい、今まで見たことのない形も含む雪の結晶入りのポスターなどが飾られている。
北国って、室内は本州よりあったかいんですよね。暖房の備えの構えが本州とは段違いだから。
ぬくぬくの館内からは雪をかぶった森が見える。
サウナの本場、北欧のフィンランドあたりの森も、こんな景色なのかなあ。
タクシーの運転手さんには15時の迎えをお願いしていた。
休憩室を出ると、来館者、ひっきりなし。午前中なんて閑散期だったんだ。フロントも1名から3名に増員。
広大な3・40台は入りそうな駐車場はけっこういっぱい! スキー帰りの人たちかしら。
上富良野駅は小さくて週末は職員の方は帰ってしまい、無人駅になる。
踏切の「カンカンカンカン…」の音が響き
黄昏はじめた雪化粧の線路をたった1両の列車が近づいてくる。
いやあ、まんま、ドラマみたい。
札幌から旭川までの車窓からの景色は「平原と遠くに見える山々」が基本。
旭川から富良野だと山あいを走り「丘陵」を拝めるスポットがあり、私たちと同じく旅行者とおぼしき男性がスマホを構えると、お、 ここがみどころスポットなのか、と負けじとガラスごしに撮影にいそしんでおりました。