私は何の変哲もない、自然だけが取り柄の!? 地方中小都市に住んでいる旅行好きの女。なので「単純な里山の風景」なんかにはあまり心ひかれない。
国内旅行で、 「やる気で行けば極められる」 難易度低めながら感動の分量ハンパなく、 わたし的に 「海外旅行なんのその」 のレベル・スケールの推しスポットの自然編を1 0カ所。
第9位 北海道の大平原
右を見ても左を見ても大平原。島国日本では、前後左右にさえぎるモノのない見渡す限りの大平原は北海道ならでは。一般人でも中心街を車なり鉄道なりで脱出すれば、簡単に開放感いっぱいの大自然を満喫できて楽しい!
遠くに山並みが拡がり、雲の隙間から太陽の光が差し込む。田畑はフルで雪化粧、光が白銀の世界にきらめいて…の風景が続く続くまだまだ続く、見飽きてもなお終わらない…(道内移動を甘く見てはイケナイ)。
北海道は空港や駅を出た時から家のつくりも道路の幅から雪国仕様。
日本離れした景色なら北海道か沖縄。そして食べ物は絶対に、圧倒的に北海道の勝ち! 見るべきものも食べるべきものも多すぎて忙しい!
第8位 仏ヶ浦
青森県の下北半島にある。
北欧のフィヨルドのように白壁が絶壁に落ち込む大自然の希観。北欧だと豪華クルーズ船で周遊するシーンなんかTVで見たりする。仏ヶ浦は遊覧船なので、規模は小さいかもしれませんが、本州の北の端まではるばるたどり着き、手つかずの荒々しい海岸線が果てしなく続くさまはインパクト大!
「海岸線の荒々しい自然」を楽しむ景勝地は日本全国津々浦々、数多い。
伝統がありすぎる・有り余る余波で訪れる人も多く、良くも悪くも人の手が入りすぎて古びて見えたりカラフルな海の色・山の色がファンタジックだったりする。
仏ヶ浦はさいはての荒涼とした風情を堪能できるスポットで、「火星とか月ってこんなかんじのトコなのかなあ」と日本にいながらにしてケタはずれの異世界感がある。
第7位 黒部ダム
公共交通網 (モノレールや電気バス) がしっかりしていて、 たとえ足腰がかなり不自由であろうとも赤ちゃん連れであろうとも日本有数の山の頂上まで行けてしまう。乗り物を降りるたびに絶景、絶景、また絶景。
高度経済成長期の日本が大自然に挑み切り拓いた黒部ダムの景観と物語とダムカレー。ロープウェイから黒部ダムを眼下に見渡して気分は神! 気分は鳥! 気分は仙人!!!
さらに。 信州の空気のおいしさって別次元ですよねえ。 日本中、森の空気は似たようなものだと思っていた私。信州の空気は。車を降りたとたんにわかった。
第6位 太平洋ロングビーチ
愛知県の渥美半島の太平洋側。
私は伊勢湾フェリーで鳥羽から渥美半島に入った。「志摩って松島に似てたなぁ~♪ 」と心中ぼやきながらフェリーを出て、海岸線に出たら、いきなり果てなく伸びる白浜! 超々々…ロングビーチ! 台風シーズンだったので波も特大! エメラルドの海と「ドッパーン!!!! 」と荒れ狂う大波。ココ、ホントに日本!? アメリカ西海岸を彷彿とさせるダイナミックなスケール感に絶句してしまった。 地元も百も承知で(多分)植えられたヤシの葉は盛大に風にそよぐ。
波が高すぎるので遊泳禁止。サーフィン専用。
連綿たる日本の細やかな風情とは無縁のカラっと爽やかなエリア。
第5位 奥会津
福島県の会津若松(戊辰戦争の白虎隊や大河ドラマの「八重の桜」などをイメージしていただけると)のなお先。尾瀬入山の桧枝岐(町民歌舞伎が有名)にいたるあたりのライン。
山は山なんですが「深山幽谷」という言葉がぴったり。じっとりと濡れたような豪雪地帯の木々と、風が吹き、川面が揺れる深緑色の水面。どこまでも深い・深い…。日本っていうより、中国の山奥の桃源郷みたいな静謐感のあるエリア。京都や奈良みたいに長い年月に積み重なった伝承があるわけでもなく、メジャーな観光地も特にない。通りすぎる人は見慣れたいつもの目の前の山や川は天下一品、超一流であることにすら気づいていない。
第4位 瀬戸内海
瀬戸内海は明るく華やか・きらびやか。京阪神山陽四国の名だたる大都市が軒を連ね、行くところ見るものが汲めども尽きぬ。うららかに澄み渡る海。エンタメグルメ、栄光と挫折、哀愁と悲嘆・悲劇、遺構とエピソードにも事欠かず、最新スポットは次々オープン。
世界の絶景と並べて引けを取らない、というよりは、瀬戸内エリアそのものが活気に満ち、風光明媚で逸話に事欠かぬ、超一級地だってこと。
第3位 東京湾アクアライン
長距離バスに乗るだけで海のど真ん中。大海原の真ん中に自分がいる絶景が拝めるんですよ! 海外なんか行ってる場合じゃないですよ!!!(大力説)(自家用車だと車高が低いので景色が見えないのが玉にキズ)
私は千葉は館山から東京駅行きのバスに乗りました。不意にバスはトンネルを出て一気に洋上のアクアラインに浮上! 日本に生まれてよかったぁ! とかマジ感動してしまった。
第1位 鳴門のうず潮
わたし的に日本の超絶自然スポットは2つあるので同率1位でまず鳴門のうず潮。
海峡を隔てて淡路島が見える。遊覧船に乗り、波しぶきを浴びながらエメラルドグリーンの海に出る。目の前で白波を立てて渦を巻くさまを息をのんで見つめるのみ。展望台からも全景は見渡せる。海の神秘・鳴門の神秘。潮の加減に左右され、タイミングを見計らって行かなければなりません。
うず潮を眼下に望める鳴門大橋は、地元の人にとっては永年の悲願であったのでしょうが、景観的にはもったいない気もする…。
世界最大級(世界三大渦潮というのもあり、世界唯一ではない)なのに、世界遺産じゃないのよね。でも私、日本は富士山・奈良京都の次は鳴門のうず潮だと思う。世界に誇る日本のスポットとして。
第1位 那智の滝
鳴門のうず潮と並び、現物の前に立ち、写真や動画なんかじゃ絶対感じられない、自分の知らない世界に人知を超えた大いなる何かがある。威厳に打ちのめされて絶対に忘れられない。
たいした数ではありませんが、海外旅行にもそれなりに行った。
有休取って空港に降りて、限られた日程の中で回れる範囲で一度は見ておきたかったスポットをせっせと回る…。旅のスタイルだと、大げさにいえば「魂が震えるクラス」に出会うって、正直難しい。那智の滝・鳴門のうず潮クラスの感動は…ガンジス川の夜明けくらいでしょうか…。
別格。です。まだの方はぜひぜひ。
番外:自分の住んでいる場所・ふるさと
たいしたことないなんてはじめに言っちゃってるんですけどねえ。
でも、自分の今いるところを愛する。かつて自分のいたところを懐かしむ。人間の原点だと私は思うのです。
今まで並べてきたスポットだって、昔から人が行き来し、守り伝え、語り継いできたからこそ今があるのです。伝わる伝承が、目の当たりにしている景色の感動の何分の一を確かに占める。
今の私たちの思いが明日に続いていく。こんなところにも!? 来てくれる人はいるのだから、自分の住んでいるところがどんなに良い所なのか。熱く語れるようでありたい。
私にとってさいはての地も南国のビーチも、リフレッシュできる場所。同じく、今いる場所も、同じ思いで来てくれている人がきっといるはずなのです。
税金きっちり払ってるし!? 知らず知らずのうちに訪れる人にはないディープなご当地情報、誰だって持ってます。絶対。
今の自分がイヤだって思いたくないし、今いる場所が良くないだなんで思うの、損ですよ。自分のために、自分の今いる場所の良いところを、折々でいいから、数えたりしています。