ウチの職場は、若手職員は折々にSNSの研修がカリキュラムにある。一般職員向けに講習会が開かれたので、行ってきました。初心者向けです。覚え書き、アップしておきます。
SNSの基礎知識
日本人のメディア接触のあらまし
- 日本人のテレビ・インターネット・新聞・ラジオ・雑誌等のメディア接触時間は一日平均378分=6.3時間(2017年)
- 直近10年のメディア別接触推移
- テレビが減り携帯電話/スマートフォンが増えている
- スマートフォンの普及にともないメディア接触の総時間も増えた
- テレビVSインターネット
2006年はテレビが51%インターネットが20%
2014年にインターネットがテレビを抜き、
2017年はテレビが36%インターネットが46% - インターネットを使って何をしている?
- 平日はメール・電話31%ネットサーフィン19%SNS閲覧投稿23%動画視聴13%ゲーム14%
- 休日はメール・電話19%ネットサーフィン16%SNS閲覧投稿25%動画視聴20%ゲーム20%
- インターネットのうちのSNSとは
ソーシャル(社会)メディア=人と人のつながりをベースにしたメディアのこと - 信頼できる情報源は
1位 知人からの推奨
2位 新聞の社説・コラム
3位 テレビ広告
以下新聞広告、看板・屋外広告、テレビ番組での商品提供、ラジオ広告、検索連動型広告、モバイル広告、携帯電話のテキスト広告。となっている。
つまり信頼できるソーシャルメディアの情報であれば浸透しやすい。
日本でよく使われているソーシャルメディア
- LINE 72.1%
- Twitter 40.8%
- Facebook 36.1%
- Instagram 22.1%
- Google +11.4%
- Skype 10.9%
- mixi 7.6%
日本の代表的ソーシャルメディア
ユーザー属性
- Facebook
ユーザー数(国内)2,800万人
ユーザー層30~50代ビジネスマン
ユーザーの使い方 新聞的メディア - Twitter
ユーザー数(国内)4,500万人
ユーザー層10~40代複数アカウント多
ユーザーの使い方 世間話的メディア - Instagram
ユーザー数(国内)2,000万人
ユーザー層10~30代女性多い
ユーザーの使い方 プロデュースメディア - LINE
ユーザー数(国内)7,100万人
ユーザー層全世代タイムラインの日常使用は20代以下
ユーザーの使い方 プライベートメディア
特徴
- Facebook
圧倒的にビジネスマン・ビジネスウーマンが多い 登録できるのは14歳以上。 本名登録が推奨されていることもあり、「公式な自分」を登録することにより名刺代わり・ビジネスツールとして使われている。 - Twitter
年齢制限がなく若年層は複数アカウントが当たり前。全世界のツイート投稿のうち、1割を日本人が発しており日本人に合っている。
検索としても使われるソーシャルメディア。 - Instagram
圧倒的に若い女性に支持されている カタログ感覚で見られる写真と動画SNS。
利用目的
SNSを活用する際(仕事での利用は除く)の主な目的
- 情報収集(1位Twitter 2位Youtube 3位Instagram 4位Facebook)
- 近況報告(1位Facebook 2位Instagram 3位LINE 4位Twitter)
- 会話 (1位LINE 2位Facebook 3位 Twitter 4位Instagram)
- 情報共有(1位Facebook 2位Instagram 3位Twitter 4位LINE)
基本的な仕組み
- 投稿が表示されるのはニュースフィード。 ニュースフィードは、仲の良い友達の投稿が優先的に表示される仕組み。 つながりの薄い友達の投稿は少しずつ表示されなくなっていく。 (企業アカウントの投稿や広告も同じ面に表示される)
- Facebook のアルゴリズムではその人(ページ)の投稿によく”いいね”やコメントをしている、シェアしている、投稿されたリンクをクリックしている、画像を表示させているなどを判断。
- 優先度は親密度(投稿への反応)×重み(他のユーザーから支持されているか)×時間(新しい情報かどうか)など。
- 投稿が表示されるのはタイムライン。 時系列でフォロワーの投稿が表示される。 (企業アカウントの投稿や広告も同じ面に表示される)
- RT(リツイート)というワンタッチで他のユーザーの投稿を転送できる仕組みがあるため,拡散力が高い。
- 投稿文字は140時までの制限あり。
- RT(リツイート)をすると、RTしたユーザーのフォロワー全員に配信されるため、結果、多くのユーザーに投稿が拡散する。
- Twitter で同じように、フォローするとフォロワーに似た投稿が配信される仕組み。 (原則時系列だが、AI判断で似たような画像を並べる)
- Twitter よりもさらにハッシュタグ文化・チェックイン文化が浸透しているため、ハッシュタグ検索や、位置情報を経由して、投稿を閲覧するという導線も強い。
- シェアやリツイートの機能がないため、ユーザーはハッシュタグで検索をかける。
LINE
LINEアカウントは個人利用のものとは違ったもの。 商用のアカウントは2種類。
- LINE@
制限はあるが無料で開設できる(~1,000通/月まで)。
~50,000通5,400円/月を超えると1.08円/1通。
課金で LINE内のID検索に対応 - LINE 公式アカウント
4週間800万円~(LINE推奨プランは12週、1,000万)。メッセージ・ホーム投稿数に制限あり ※課金で配信数増加可能
「LINE公式アカウント」と「LINE@」ともに2種類のメッセージ配信の方法がある。
- 「プッシュメッセージ」
いわゆるトーク画面に表示されるクローズドのメッセージ。 ユーザーへ一斉にメッセージを配信することが出来る。
送客に高い効果 - 「タイムライン」
Twitter などと同じく、友達登録しているアカウントの投稿が時系列で表示される
投稿内容がタイムラインに流れる。(通知なし)
コメントや”いいね”を通じてユーザーとコミュニケーションをとることができる。
組織としてのSNS活用
使われているSNSと利用目的
よく使われている、利用されているのはFacebookとTwitter。
導入・活用目的は主に3つ。
- 関係者への情報発信
- 関係者以外へのPRとしての情報発信
- 非常時の情報発信
対象者によって伝え方は変わってくるはず
活動情報など(興味喚起)・イベント情報(活性化)・災害状況 などのコンテンツ・ネタは
- 関係者【ちゃんと知りたい】
魅力を発信(拡散)したい・必要な情報を知りたい・参加したい - 関係者以外の【面白いものを見つけたい】
魅力を知りたい・おもしろい情報を知りたい
ユーザーのニーズごとに伝え方は違ってくるはず。
目的別発信内容
- 即時性低・関係者向け
組織や事業内容の紹介・自慢
自慢をした気持ちをくすぐる!(すごいですね。やりましたね!) - 即時性中・関係者向け
行事開催告知など
必要な情報を早く・正確に - 即時性低・関係者以外向け
組織情報 (新卒者採用募集など)
当事者ならではの情報で、ターゲットの気持ちをくすぐる!
(実際に現地に出向かないとわからないもの) - 即時性中・関係者以外向け
PRイベント告知など
見てもらう・知ってもらうことが重要。メディア選びが超重要! - 即時性高い
緊急インフォメーション(災害情報など)
必要な情報を早く・正確に
SNS活用事例
1
組織が主体となっているものだけでのべ 30アカウント以上(FB:25/TW:10/IS:5)。アカウントごとに投稿内容などを使い分けている。
- Facebook
「○」「○○」「○」「○○」など、カテゴリ別の切り口で、事業内容を紹介。関係者以外からも「知っている」「懐かしい」というようなコメントも。風景などの写真のクオリティが高く、文章もコンパクトにまとまっている。 - Twitter
流行のハッシュタグに乗ったり(「#これを見た人は○○の画像を貼れ」など)、人気キャラクターのRTなど、ライトなコミュニケーションを投稿。即時性の必要な災害情報は必要な情報をすばやく投稿。硬軟織り交ぜつつも、ツイッターの特徴をしっかりふまえた投稿をしている。 - Instagram
組織からの発信はほぼ行わず、フォトコンテスト(特定のハッシュタグをつけて投稿されたものを応募作品とみなす)のギャラリーとしてのみ使用。ユーザー投稿のリグラム(別アプリを使って、ユーザーの投稿を再投稿する方法)のみに徹底することで、高品質の投稿が集まっている。
2
FacebookやTwitterもあるが、特徴的なのはInstagramアカウントの数。 約10個のInstagramアカウントを使い分けながら運用。
- オフィシャル フォロワー ○千人台 事業内容について丁寧に説明している
- ○○○ ○○○やイベントを中心に写真を紹介 フォロワー○千人台
- 暮らしの○○○ ○○○の暮らしに関する写真を紹介 フォロワー○千人台
- エコの○○○ エコ関連の取組、情報 フォロワー○百人台
- プレミアム○○○ 推奨品の写真を紹介 フォロワー○百人台
- いやし○○○ ○○○の○○○に関する写真 フォロワー○千人台
みんなで良い写真を「#」をつけて投稿しよう! - Spot○○○ 外国人向けの写真 フォロワー○千人台
外国人が検索しそうなハッシュタグの設定がよくできている - おいしい○○○ 食に関する写真を紹介 フォロワー○千人台
インスタグラマー(独自のインスタグラムのノウハウを持っている)にハッシュタグをつけて拡散してもらっている 。
ちなみにプチインスタグラマーとはフォロワー10,000人以上。
フォロワーの2・3%が”いいね”等で反応していればアカウントは生きている、活発と見て差し支えない。
SNSのトレンド
- 活性目的では、Instagramが主流( インバウンドの流れもあり、海外ユーザーとの言葉の壁がないInstagramの活用が増加)
- ユーザー投稿を利用したアカウントが増加(RTしてあげるなど)
- 拡散目的でのインスタグラマー・ユーチューバー・有名人の起用が増加
- PRの動画ブームは一段落。(コンテンツありすぎ、質にばらつきがある)
SNS向きのコンテンツづくり
まず考えるべきは、ユーザーの役に立つこと、楽しませること。
スマホの中で手を止めるとすればそのきっかけは何?写真?見出し? 思わず手を止める時の気持ちは? を想像し、みせたいコンテンツがあれば
- ユーザーの気持ちを想像し
- ターゲットを明確にした上で
- SNS向きの効果的な切り口に置き換え
- 目を留めさせるテクニックが必要
ユーザーの目的により求められるコンテンツは変わってくる
自慢したい!誇りを持ちたい! なら
#役立つ #○○ #親しみやすい
もっと知りたい! なら
#早く #正確に #わかりやすく #公式情報
関係者以外の人 なら
#おもしろい #ウケる #おしゃれ #なにこれ? #意外!
#ほっこり #スゴイ #キレイ #おいしそう
まとめと感想
- ユーザーのニーズを捉えた上で切り口を工夫し、テクニックを駆使する。と言われたって。実際には試行錯誤。ノウハウを積み重ねていかねば成果はあがるはずもないけれど。基本と動向は押さえておくべきですよね。
- 企業・組織のアカウントって、最初は華々しく打ち上げても、結局担当者の個人的頑張り!?に左右されてしまい、徐々にスカスカに見えてきてしまうのも多い。今回のお手本として見せてもらった2箇所は、とても業務のかたわらできるレベルとも思えず、委託してると見た。予算の規模も大きいに違いない…。「見てもらいたい」の意欲を組織がいかに形にし、エネルギーを注ぎ続けるか。今全盛の表現方法も、永遠ではなく、常に見直す必要がある。
- 私たちの職種って、本来PRとか本業じゃないんで、どうにもアカウントが垢抜けないんだなあ。ネタも良くいえばエバーグリーン、悪く言えばトレンドの大波とは無縁。常に利幅の薄い方面に!? 取り組ませていただいております;;;