今年の2月、インド旅行に行き、3日間、27歳独身男性のガイドさまにお世話になりました。
お別れした次の日、旅行の最終日にはデリーの国立博物館に行き、アジャンタ石窟のパネル展示のお部屋に入り、
肌もあらわに、まばゆい宝石をまとった女神さまたちをほれぼれと眺め。
…行きたかった。
たった4日では見切れない。
絶対またインド来よう。と固く決心し、帰国の途についたのです。
下心ミエミエで27歳独身男性にコンタクトを取ってみる
私の海外旅行は陸マイラー活動によりタダで特典航空券を取り、現地ツアーを日本で予約していく方式。
(一人で町歩きもするけど、限られた日程の中で効率的に観光地を攻めるなら現地ツアーに軍配が上がる。
また行った国の首都は自分で回れても地方巡りとなると私の旅のスキルではハードルが高い。
現地発着宿泊付きツアーに丸ごと乗っかって安全安心便利を買えばとても楽。)
現地発着のエローラとアジャンタ巡りのツアー、あることはある。
今回と同じく、現地のガイドさんつきのツアー。
インドでは、外国語観光ガイドは国家資格であり、免許制。
3日間、楽しかったな~。
第一、20代の男性に何くれとなく面倒をみていただき(←送り迎え、入場券購入、観光名所の説明、食事と宿は別)一緒に長距離列車や飛行機に乗れたりした。
日本では到底かなわぬ、めくるめく体験でした。
LINEのIDは交換していたので、またガイドしていただけませんか。と頼んでみよう。
向こうもイヤなら断ればいいのだし、
ぜひもう一度、あなたのガイドでインドを旅したい、と指名されて悪い気はしないだろう。
本音を押し隠し、下手に出て依頼のLINEを送ってみました。
個人情報を送ったら「ちゃん」づけで返事が返ってくる
「私は2度目のインドでガイドさまの当たりはずれを気にしなくてすみ、そちら様は指名料として上乗せの料金を受け取れる。双方Win-Winではないでしょうか」との釣り文句が効いたのか効かないのかまではわからないものの、OKの返事は返ってきた。
日取りは未定として希望の旅程を送る。
また、なにしろ私は、ガイドさまの名前(しかも名前のみ、姓非開示)とLINEのIDしか知らない。
ビジネスなのだから身元を明らかにするべきであろう。
と自分のパスポートと運転免許証と名刺の写真を送り、
どうかあなたの身分を証明するものをみせてください。とお願いする。
身分証明は送られてこない。まあ、いいか。もっと先でも。
さらに返信の一発目が「やあ、ひとみちゃん」と私の名前をちゃんづけで呼んできたのには少なからず動揺してしまった。
旅行中は眼光鋭く押しがむやみやたらと強いインド人路上客引き集団の剣幕にすっかり気おされ
27歳独身の影に隠れてビクビクしていた。
フレンデリーで、距離のつめ方がうまいのがインド人、とは聞いていたものの…。
20代の男性に「ちゃん」づけで呼んでいただける。
ありがたいと思わなくては、と気を取り直す。
新型コロナウィルス感染拡大とインドのロックダウン
3月にはインド入国のためのビザが無効化され、飛行機の乗り入れもできず、
日本の外務省からは実質的な海外旅行禁止令が出る。
インド国内の公共交通機関もストップしてしまい、電車も飛行機も動かない。
国際ニュースでは、何百キロも徒歩で野宿しながらふるさとに帰る人達が映し出される。
日本語の観光ガイド業も、仕事がなくなってしまった。
当然LINEは途絶えてしまう。
こちらとしても事態が事態なだけに、生半可な声かけもできないし、無事を祈ることしかできない。
かわいそうに。
後で聞いたら、年内は仕事はないと宣告され、デリーにいても仕方がないのだからと実家に戻り、コロナが落ち着いた7月ごろに借りていたデリーの部屋を引き払いに行ったとのこと。
当然だけど意気消沈
と運命の波に翻弄され続け、いつ事態が好転するのか見当もつかない。
送った旅程も、見積も出せないと丁重な返答が戻ってきた。
もちろん、私だって、日本の海外旅行の解禁になるまで身動きなんかできないんだから
天下晴れてインドに行けるようになったら改めてお願いしますから。
何だったら前金が必要ならおっしゃってください、やり方わからないけど、調べながらやりますから
(インドのロックダウンのはじめごろ、Uberからメールが届き、
インドのUberドライバーにサポートをお願いできますか、の依頼メールだった。
デリーではUberのタクシーには2回は乗ったけど、…私、200ルピーも払ってない。
Uberに1,000円寄付するくらいならガイドさまに受け取ってもらった方が良い)
と送ると、
「最近、鬱気味でした」
「頭がうまくうごきません」
そりゃそうでしょう。仕事を失い、途方に暮れ、鬱にならない方がおかしい。
ごはん食べてますか、眠れてますかと聞くと
「良く眠れます」
と返ってきた。
…大丈夫だろう。本人には言わないけど。
「恋人もいないし、鬱にもなるよね」
…恋人がいたら、鬱にもならなかったかもしれない。認める。
しかしなぜこのシチュエーションで「こいびと」のフレーズが出てくるのだ。
女の子を追い求めるパーソナリティーは、時代にもみくちゃにされながらも健在だった。
LINEを読むこっちは、ぐらりとつんのめった気分になる。
写真を送ってほしいとのリクエスト
兄弟は何人なんだとか、家にバイクが何台あるだの、LINEで世間話なんかやっている。
私としては20代男性に相手してもらえるだけで功徳をいただいた気分になります。
ありがとうございます。(先様はタダで日本語の練習ができるのだから双方Win-Win)
向こうからは妹さんとのツーショットの画像が送られてきて
「ひとみちゃんのしゃしんがほしい」
とおっしゃられる。
…前に送ったパスポートと免許証の写真だけではイメージがつかめないのだろうか。
それとも、送ったことすら忘れているのだろうか。
パスポートの写真は5~6年前だし、免許証の写真は3~4年前。
確かに、顔もわからない相手とLINE交換では気が進まないのもごもっともです。
「ひとみちゃんはじぶんのしゃしんとらないの」
(基本LINEの口調はタメ口)
「とるけど なっとくのいく うつりのいいしゃしんじゃないと おくりたくないので ちょっとまって」
…自撮り写真など、最後に撮ったのいつだろう。
スマホには食べ物の写真しかない。…。
目の前の自分の姿を鏡に写してみれば。つ、ツライ…。自分で自分を見るのがツライ。
つまりよそ様から見ればより一層ツライに違いない。
まともな写真を送らなければ、
それもできうれば写りがよく-5歳くらいにみえる写真を、との女の本能が頭をもたげ
再び気を取り直し、
結果、年齢判定アプリで-21歳を叩き出した写真を送ることができました。
はっきり言って、ものすごく大変でした。
掘れよ
我ながら詐欺っぽい、
こんなの送って近い将来空港に迎えに来てもらっても判別がつかないのではないかと
ぐらぐらしながら
いかがでしょう
がんばりました
の言葉を添えて写真を送ったところ
返ってきた返答は
「かわいい」
の4文字。
掘れよ。
わかってますよ。
外国語ならボキャは限られて当たり前。
多分27歳独身のお母さんは私より年下なんだろうし、
私なんかに美辞麗句を並べる必要はないんです。
それにしても、
彼女欲しいんでしょ!? モテたいんでしょ!?
まさか婚活アプリで知り合った女の子に、同じ調子で返事返してるんじゃないでしょうね。
お願いだから違うと言ってほしい…。
「がんばりました」って書いたじゃないかぁ~!
ツッコミどころ、いくらでもあるだろうが!
光源氏だってドン・ファンだってカサノヴァだって、老若美醜にかかわらずあらゆる女性と××したんだ!
好き嫌い言ってる前に動くフットワークが勝負を、明暗を分けるんだ!!!!
…と私は、楽しませていただいていることにしときます。
掘れよ。はさすがに送れない。
お客に説教されたんじゃ、先様も困ってしまうことでしょう。
とはいえ、放置は夢みる青年のためには良くないと思う。切に切に思う…。。
…おしつけがましくなく、気づきを促すべきでは…。考えなければ…。