世界遺産、神宿る島、九州は宗像市の沖ノ島を見る方法は今のところたった1つ。
宗像市の港から出る連絡船に乗り、大島という島に行く。大島の見晴らしの良い場所に行き、運とお天気がよけれは、50km先にある沖ノ島の島影を拝める。
行かなければ絶対見れない。 困った時の宗像三女神(宗像行って初めて知った、世界遺産・宗像大社の3つのお宮の御本尊、日本書紀にも出てくる女神さま)だのみ。うっすらとですが、見えました! 感激!
神湊港フェリーターミナルから連絡船に乗る
限られた時間で世界遺産をオールコンプリートしてしまいたい私は、 当然朝一番のフェリーに乗りたい。
始発は7時40分。出港1時間前くらいに乗客用の駐車場に到着。
一番近い駐車場は7~8割くらいは埋まっていました。 (注:シルバーウィーク中の休日)
ターミナルビルの中はなかなかの混雑ぶり。
乗車券を購入(往復1,140円)し、乗船。
私は船に乗る機会などあまりないので、迷わずデッキの席を取りました。
トイレで下の階に降りてみると、釣りざおやクーラーボックスを持った釣り客が立ったまま談笑しており、間をすり抜けていかなければならない。(つまり結構密)
私にとって大島訪問の目的は、世界遺産の沖ノ島・宗像大社制覇なのですが、行ってわかった。島には民家もあれば道路もある。
地元の人にとっては釣りやサイクリング、乗馬なんかもできる、海水浴場もあれば風車もある。アウトドア系のアクティビティの楽しめる近場のリゾートスポットである。
どおりで船が大きい。車で大島に渡ることもできる。乗船率はパッと見7~8割くらいで、世界遺産なんかより、地元のレジャー目的っぽい人が大半だった。
フェリーは大島に30分弱ほどで着き ともあれ沖ノ島が見たい。
歩いてもいいんだけど、タクシー拾えないかな…とフェリー乗り場出口に向かうと、 1台タクシー、止まっている。
「乗せていただけませんか」と声をかけると予約のお客さん待ちだと断られてしまう。
呼んだり待っていればタクシー乗れますかね、となおも聞くと
「大島にはタクシーは1台しかありません。」と驚愕の発言が!
タクシーが1台しかないなんて、事前に収集した情報にはなかった。
「…沖ノ島遥拝所まで、歩いて何分ですか?」
「2・30分くらいかな…」 歩けるだろう。そのくらい(距離は2km強)。幸い、晴れている! 暑すぎず寒すぎずいい天気!
道もついでに聞いて、教えてもらった通りに大島を横断!?する。
(あとで書きますがもっとスタンダードな行き方は別にある)
大げさすぎますが、山越えになる。民家を抜け、人気のない山道を黙々歩く。
海外旅行なんかだと、たとえ白昼であろうと、特に人気のない場所では身構えるクセがしみついてしまっているけど、ここは日本の福岡県宗像市大島。きっと、多分、絶対大丈夫。つくづく国内旅行は気楽です。わからないことがあれば聞けばよい。(外国語が話せないので海外ではそもそも人にものをたずねることができない私)
多少道を間違えようとも(私はスーパー方向音痴・地図が読めない女・スマホでグーグルマップの矢印を見ていると目が回ってくる)小さい島だ。海が見えたら海沿いの道進めばきっと沖ノ島の見えるエリアにたどりつくはず! と進み
海が見えた!
遙拝所が見えた!
大海原をバックグラウンドに立つ小さいほこら。
世界遺産の栄光に輝く場所のはずですが…。
人の気配なし。こじんまりしていて、建物も年季が入っていない。
正面の扉を開けば、おそらくはその先に、沖ノ島があるのであろう。
遙拝所脇の石段と石碑はさすがに年季が入っている。
登ってみて
沖ノ島、見えるかなあと目をこらすのですが
わかりません…。
とそこに、30~40代の男性5~6人がやってきた。
「おー、今日は見える」とか言っている。
ということは、見えているの!? とさらに目をこらす。
もしかして…アレ!?
沖ノ島だ! 見えた!やった!
来た!見た!勝った! 憧れて、はるばる来たかいがあった~!!! 感涙~。 おんなおひとりさま、テンションあがりまくりです。
肉眼では、もうちょっとはっきり、わかりました。
目もだんだん慣れてきて、遠くが見えやすくなってきたのかも。
お天気も刻刻変わり、くっきりはっきり、沖ノ島が見えてきた!
一番大きく撮れた写真がこちら。
(夜、母親にLINEを送ったら「コレがぁ~!? 」とかはなはだ腑抜けた返信が返ってきた。いいんです。他の人にわかってもらわなくても)
感激さめやらず、パシャパシャ写真を撮り、海沿いをウロウロしていたら、さっきフェリー乗り場で道を聞いた大島唯一のタクシーと運転手さんがいるではありませんか!
「お客さん降ろしたから来てみた」と、泣かせる一言を決めてくれるじゃありませんか! 覚えていてくださった!
「じゃ、次は宗像大社の中津宮お参りしていきたいです~」とお願いし、やっぱ車は歩くより楽だと、平凡にして愚直すぎる感慨にひたり、タクシーはすぐに中津宮の山側の入口脇にとまる。料金はたったの620円! なんだったら5~6,000円くらい払ってもいい気分だった。(当然運転手さんは辞退された)
普通は、フェリーを降りたら
まず宗像大社の中津宮に参拝をすませ、中津宮の奥、裏にある参道(私はここでタクシーを降りた)を地味に歩いていけば、沖津宮遥拝所にたどりつけるのです。案内の「沖津宮遥拝所→」の木の立て看板が、私がタクシーで通った道には立っていたし、私と同じく宗像大社参拝を目的に大島に来たとおぼしき人と4~5人、すれ違った。
また、世界遺産からは外れてしまうのですが、御嶽神社という、大島では一番高い位置にある神社がある。沖ノ島では古墳時代から祭祀が行われ、貴重な品々が神様に捧げられ、今では供物はオール国宝に指定されているのと同じく、御嶽神社の裏にも祭祀の跡がある。
本来、御嶽神社にも参拝させていただくのがスジなのでしょうが、今回は謹んでパスさせていただき、中津宮にお参りさせていただきます。
日本書紀に出てくる女神さまが御本尊なんだから、歴史は古い。古墳時代に全盛を誇った海の民の栄華の名残が、千年以上の時を経て、見える形で私たちの前にあることに感動してしまう。
参拝客は私だけ。貸し切りだ~。
海へ降りて行きます。
本来ここからお参りですよね。逆になってしまった。
もっとゆっくりしたいのはやまやまなれど、
沖ノ島のお宝は本土に行かなければお目にかかれない。
帰りのフェリーを待つ間に港の景色を楽しみ
待ち時間、記念に買ったお札をほれぼれと眺める。800円。
「沖津宮」のお札は大島の宗像大社中津宮限定品。
沖ノ島には神職の人しか行けない。沖ノ島の宗像大社沖津宮で神主さまが念を込めてくださった、私にとってはスーパースペシャルな旅の記念品。