2017年に世界遺産に登録された博多から車で1時間で行ける宗像・沖ノ島と関連遺産群。登録されたてだからでしょうか。案内プレートはピカピカ。体験館は至れり尽くせり。どこもかしこもきれいに整備されていて、とっても回りやすかった!
神宿る島 宗像・沖ノ島と関連遺産群とは
宗像市は博多から30kmほど北西にある海沿いの市。玄界灘、東シナ海と日本海の境目あたりにあり、朝鮮半島との距離も近く、古代から大陸との往来が盛んだった地域。
宗像市から60kmほどの位置にある沖ノ島は航海安全・海運を願い神聖なエリアとして古くからの信仰の対象。宗像市本土にも関連の神様をまつる由緒ただしい古い神社があり、周辺には古墳時代からの遺跡が今なお残る。
沖ノ島に行ってみたいと思った動機
世界遺産に登録されたてのころ、大大的に報道されて、初めて知った。
沖ノ島は実は一般人は行けない。神職の方だけが上陸を許されている。
宗像に住む人々は特殊技術、海運技術に長け、大和朝廷との結びつきも強く、時の政権と百済との交流や遣唐使が盛んだった時代、沖ノ島の宗像大社沖津宮では神事が頻繁に行われ、貴重な品々が神さまに捧げられた。昭和の時代に発掘調査が行われ、成果品は実に80,000点。全部国宝。オール国宝。別名、「海の正倉院」。ロマンティックだわ~。国宝をこれだけの数、まとめて見られるなんて、滅多にないチャンス。押し合いへしあいの特別展に行くよりも、地元の常設展示ならゆったりじっくりお宝を鑑賞できそう。宗像大社の神宝館に行けば、見ることができる。
行きたい! 見たい!
沖ノ島に近づける遊覧船なんかあればぜひ乗ってみたかったのですが、なし。ふらりと訪れる一観光客にはハードルは高い。
ならばせめて、島影を見つめることくらいできないか。宗像市から連絡船が出ている大島に行けば、運がよければ拝むことができそうだ。日頃の行いを正し、ワンチャンを狙い、古代のロマンといにしえからの人々の祈りや思いを感じてみようではないの。
と心に決め、まずは福岡空港に降り立ち、レンタカーを借りる。
【世界遺産】神宿る島 宗像・沖ノ島と関連遺産群を極めるにあたり、行くべき場所は4か所。
- 宗像大社中津宮
- 沖津宮遥拝所
- 宗像大社辺津宮
- 新原・奴山古墳群
最初に向かったのは
新原・奴山古墳群。「しんばる・ぬやまこふんぐん」と読む(読めなかった)。
ナビに「福岡県福津市勝浦」と入力し、だいたいの位置まではナビに連れて行ってもらい、道に案内表示が出てからは表示に従って進みます。
新原・奴山古墳群とは
古代、宗像の地に君臨した宗像氏のの5世紀から6世紀のお墓・古墳がまとまってある地域。
道路標示に従いたどりついた目的地は
真新しい土盛りでできたばかりのピカピカの2~30台はありそうな駐車スペース。案内所もできたばかり。
地元のボランティアとおぼしきシニア世代の男性が、観光客に熱心に説明をしていた。
観光客は1組・2~4人くらいずつ訪れ、わりと切れ間はない。
周りは田園風景が広がるのどかなところで、開放感たっぷり。
今の緑に沈んでしまっているけれど、古墳群が作られたころは高台の、宗像氏が治め、名を遺すゆえんでもある海の見える場所だった(入り江を干拓して現在は農地)。今も展望所からは海が見える。できたばかりのころは玉砂利などが敷かれていたはずですが、今はどの古墳も草が生い茂り、風が吹けば緑が揺れる。
近くまで車で行けますかね、と聞いてみると、遊歩道になってますから歩いてどうぞ、ちょっと行って帰ってくるなら20分くらい、ゆっくりぐるっと見て回るなら40分くらいです、と教えていただき、降りて行きます。
大小40コ以上の古墳があり、遊歩道より一段上の尾根や高台に連なって並んでいる。(低い位置にあった古墳は開墾されて田んぼにされてしまったものもあり、高いところのものだけが残った)案内板に「〇〇号墳」とか書いてある。小さいものはただの盛り上がった草むらにしか大きいものになるとさすがに迫力がある。古墳って、実は私、見るの初めてだったのです。
沖ノ島では数々のお宝が発見されているのと同じく、古墳群でも武具や鉄器がみつかっている。
派手な展示はない。どこまでものどかで、静か。おひとりさまの観光客なんて私だけ。中~高校生の子どもを連れた親子連れ、小さい子を連れての親子連れ、大学生くらいの男の子の2人連れとすれ違った。
「神宿る島 宗像・沖ノ島と関連遺産群」の中に組み入れられてしまっていますが、住所としては宗像市ではなく、隣の福津市になる。世界遺産めぐりが目的なら、足の便は覚悟するべき。私も地図を見て、「離れているなあ…」が率直な感想でした。車使えば、道はわかりやすいし、移動の時間も10~20分ですみます。
かつてこの地に栄えた豪族の栄耀栄華とロマンに思いをはせ、すがすがしい気持ちになれました!
実は九州は古墳の宝庫 有名古墳巡りだけでも九州一周できそう
私が古墳を見に行った動機はいたって軽く「世界遺産 沖ノ島」の中に新原・奴山古墳群があったからで
「なるほど、古墳時代の古墳が残っていて観光名所になっている。
国内・海外を問わず観光名所と言えば『どこに行っても寺と城』…、とか思ってたけど、さすが九州。古墳とは目新しい。」
などと見ていたのですが、せっかくだからと入った案内所に置かれたパンフレットを見て
新原・奴山古墳群は国の史跡の津屋崎古墳群のごく一部であることを初めて知った。
津屋崎古墳群は
- 勝浦髙原(かつうらたかはら)古墳群
- 勝浦古墳群
- 新原・奴山(しんばる・ぬやま)古墳群
- 生家大塚(ゆくえおおつか)古墳
- 大石岡ノ谷(おおいしおかのたに)古墳群
- 須多田(すだた)古墳群
- 宮司(みやじ)古墳群
- 手光湯ノ浦(てびかゆのうら)古墳群
- 手光波切不動(てびかなみきりふどう)古墳
からなり、前方後円墳16基、円墳が43基、方墳1基、計60基。
福岡県 津屋崎古墳群のほか
さらに九州の有名古墳群・古墳といえば
- 福岡県 八女古墳群 岩戸山古墳
- 宮崎県 西都原(さいとばる)古墳群
男狭穂塚(おさほづか)・女狭穂塚(めさほづか) - 宮崎県 生目(いきめ)古墳群
- 鹿児島県 唐仁(とうじん)古墳群 唐仁大塚古墳
- 鹿児島県 横瀬大塚山古墳
装飾古墳だと
- 福岡県 王塚古墳
- 熊本県 チブサン古墳
…すごい。
来年の夏は、ホントは新型コロナウィルスに退散していただき、海外旅行に行きたい。
しかし、渡航自粛を続けなければならないのであれば。
九州一周古墳めぐり。
候補に入れておきます。