スペインのフラッグキャリア、イベリア航空の成田発マドリード行直行便ビジネスクラスの搭乗記。日系以外の飛行機に乗るの、初めてでした。比較も交えながら。
イベリア航空について
イベリア航空はスペイン・マドリードが本社の世界で最も古い航空会社の一つ。スペイン国内線とヨーロッパ路線が主だが、アフリカ・アジア・北米・南米・中米・中東路線も展開。直行便で日本からスペインに行ける唯一の路線を有する。
日本に周航したのが2016年と日が浅い。なので口コミもあまり数がない。オーバーブッキング、CAさんが横柄、食べ物と飲み物の提供が遅い・なってない、機内の清掃がなってない、系統の口コミもちらほらある。でも、あたりはずれはあって当然だし。
基本、無事にスペインまで連れて行っていただければ、私、気にしませんから!
概要
ビジネスクラス19席、エコノミークラス269席
便名 | 出発地 | 目的地 | 出発・到着時間帯 | 運航曜日 |
IB6800 | 成田 | マドリード | 成田日中発 マドリード夕刻着 |
週5便(月曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日) |
IB6801 | マドリード | 成田 | マドリード日中発 成田翌日日中着 |
週5便(火曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日) |
(発着時刻はこちらで御確認ください)
私の搭乗はIB6800便、11時5分発18時15分着、飛行時間は14時間10分。
イベリア航空の成田空港搭乗手続は8時すぎから
成田には朝早く着いてしまい、搭乗手続きは何時から始まるのかがわからない。
朝7時ごろ、イベリア航空のカウンターに行っても、閉まっている。
向かいのキャセイパシフィック航空のカウンターではもう手続きが始まっており、長蛇の列。係の人に「イベリア航空の受付って、何時からですか」とお伺いを立てると「8時過ぎくらいから」と元気よく答えが返ってきた。
7時50分くらいに行ってみると、受付を待つ人の列が出来ており「搭乗受付は8時5分から」と出ていました。
エコノミークラスとビジネスクラスの列は別なのですが、わかりにくい。 私はビジネスクラスでしたが、たいして変わるまい、とエコノミーの列に並んだ。 果たして、ビジネスクラスカウンターでの搭乗手続きは終わりの方になってしまった。
預かってもらえる荷物は23kgまで。 イベリア航空カウンターのすぐ近くに荷物の軽量とパッキングのためのコーナーがあるので、確認しておきましょう。
ラウンジはアメリカン航空
ビジネスクラスなので搭乗手続きの時にラウンジの案内がありました。アメリカン航空のラウンジのペーパーを渡され、係員の方に場所を丁寧に教えてもらう。
ファストトラックを使えるので出国審査はあっという間に終わり、免税店とラウンジを見て回る。 アメリカン航空ラウンジでは、イベリア航空の出発アナウンスもあります。
いよいよ搭乗!
イベリア航空IB6800座席表
イベリア航空ビジネスクラス座席・シート
案内された席です。窓からの景色を見たいから、いつも窓側を希望。ビジネスクラスなら、隣の席の方に気兼ねなく、いつでも通路には行けます。イベリア航空のビジネスクラスの座席は1・2・1席が4列で、5列目が1・2で3席。
サイドボード部分は上段にはヘッドフォン、中段にはアメニティのポーチが入っている。スリッパ置いてありました。
モニターと足置き部分。
サイドボードにはモニターを操作するためのコントローラーと、座席の調節のスイッチ。肘かけもついている。
足置きは先が細くなっている。
けっこう許せなかったこととしては。 ビジネスクラスの大きな特典として、「電源独り占め」がある。
フライトの間、寝ている間にスマホとタブレットをフル充電しておこうともくろんでいたのに。
私の座席のコンセントは、接触が悪く、何回トライしても充電ランプがつかない。 CAさんを呼び立て!? 見てもらってもダメだ…。
「何とかなりませんか」ともう一押ししてみたら、充電器&充電コード&スマホ&タブレットごと持って行かれ、しばらく後、フル充電で戻ってきました。
機内ではWi-Fiは有料なので、わざわざつなぐ気にはならないから、
別にいいことはいいのですが…。
イベリア航空ビジネスクラスのアメニティ
早速履きかえました。
シンプルなベージュのポーチ。でもコットンとカーフのダブル使いになっていて、デザインの国、スペインのお国柄。何気に凝っている。
そしてパッと見は地味なんだけど、このポーチ、中が可愛いんです。ファスナーのブレードに中・外とも、イベリア航空のカラーでもある深い赤が使われていて、ポーチの中はランダムなホワイト・イエロー・ディープレッドの水玉模様になっていて。
アメニティポーチの中身は
ヘアコーム兼ヘアブラシ
耳栓
歯ブラシと歯磨き
アイマスク
コスメセット(ミストとクリーム)
アイマスクとソックスは、生地が柔らかく、手触りふわふわ。
この日は滑走路が混みあっており、定刻どおりに飛行機のドアは閉まったものの、滑走路の手前は離陸を待つ飛行機がずらりと並ぶ。大渋滞。かなり待ち、ようやく離陸。
イベリア航空ビジネスクラスの日本人スタッフ
日本人女性のCAさん1人。
機内アナウンスが機長さんやスペイン人CAさんからあるのですが、当然ながら何を言っているのかがわかりません。
多分スペイン語のアナウンスが終わると、日本人CAさんから日本語でアナウンスがある。
- 機長さんの名前(長すぎて複雑で覚えきれない)
- 天候によって機体が揺れるかもしれないこと
- 1食目は○時間後、その後は共通スペースに軽食・おつまみ・お菓子類と飲み物類を用意し、次いで2食目を提供すること
など、フライト中のサービスの内容と時間の目安などの案内がある。
着陸時のアナウンスも、スペイン人の機長さんの挨拶のあと、日本語に訳してアナウンスしてくださいました。
イベリア航空ビジネスクラスの食事・昼食
機内パンフレットによれば
このたびはイベリア航空に御搭乗くださりありがとうございます。イベリア航空ではどの路線でも最高のお食事をお楽しみいただけます。
イベリア航空のお食事は、地中海料理のエッセンスを感じていただくために、肉料理、魚料理、野菜、豆料理、そして果物をスペイン独特のオイルと味付けでお客様に提供します。
地中海料理の特徴である風味や豊かなバラエティをお届けします。
地中海料理の奥深さを味わい、そして料理を通して垣間見る伝統の世界をぜひお試しください。
機内タパスでスペイン味覚観光
このたび長距離フライトの機内食メニューを更新、スペイン特産品を中心にお給仕します。
ビジネスクラスご利用のお客様は、前菜に、典型的スペイン料理をお選びいただけます。例えば、リンゴまたはマンゴの新鮮で健康的なサラダを添えた、ガスパチョやサルモレホなど。さらには、マグロのトロのトマト添えなそ、より伝統的なお料理もご用意しています。
主菜では、スペイン風ポテトオムレツ、ツナパイ。イベリコ豚ホホ肉料理、仔牛のヒレ肉のキノコソテーとスライスポテト添えのように、スペインの伝統的な味をご用意。D.O.Ca.リオハ、D.O.リベラ・デル・ドゥエロ、D.O.ルエダなど、スペイン原産地呼称ワインをお供にお楽しみください。
まずオードブルがわりに
ナッツをいただきます。
続いては
メニューは
昼食 前菜
温かいパン エキストラバージンオリーブオイル添え |
味噌汁 |
レタスとグリルパンプキンのサラダ ・ペドロヒメネス種のバルサミコ酢ドレッシング |
大海老のマリネ、キヌアのサラダ、ワサビマヨネーズソース |
クロミエチーズ、ドライアプリコットと葡萄添え |
主菜はチキンとパスタから選べるので、パスタをチョイス。
主菜
かぼちゃのラビオリ マッシュルームのクリーミーソース、 グリーンピースと椎茸、パルメザンソーストッピング |
ちなみにチキンだと
チキンの赤ワインソース煮込み、蒸しポテト、グリーンアスパラガスと人参添え ・ヨーロピアンパーチ和風ソース、お豆腐、椎茸と花形人参添え ご飯 |
になります。
ちなみにその2。マドリード発便だと出発の48時間前までに主菜のコースを予約できるそうです。
デザートは
デザート
チョコレートムース |
ココナッツアイス ウエハーストッピング |
から選べるので、チョコレートムースにしました。
飲み物は
紅茶 |
カモミールティー(消化促進効果) |
アニス入りカモミールティー(リラックスと消化促進効果) |
ミントティー(消化促進と免疫力向上効果) |
プーアル茶(脂肪燃焼と抗酸化効果) |
緑茶(強力な免疫力向上と老化防止効果) |
ユーロブレンドティー(脳を活性化し、エネルギーを向上させる効果) |
リンデンティー(不眠を解消する鎮静効果) |
レギュラーコーヒー |
エスプレッソ |
カフェインレスコーヒー |
カフェインレスエスプレッソ |
から選べます。
アルコール類は
機内ではいつでもバーサービスより赤ワインと白ワイン、そしてそのほかのアルコールのお飲み物をご用意しております。iberiaのワインメニューをぜひご覧ください。
とあります。
ラビオリのカボチャソース、おいしかった!チョコレートムースも、素直にチョコの風味を活かしながら滋味があり、エビもしっかりプリっとしていたし。
もうすぐ訪れる未知なるお国への期待は高まるのです。
トイレ兼気晴らしで席を立つと
無人のギャレーには 時間外のスナックとして
サンドウィッチまたはクロワッサンサンド |
カップラーメン |
チョコレート |
フレッシュフルーツ |
ヨーグルト |
ナッツ類 |
が並んでいるので、乗客は自分のほしい分を持って帰ってよい。
CAさんたちは格納してあったイスを出して座っていたり、スマホをいじったりしていた。
トイレの画像です。
イベリア航空ビジネスクラスのフラットベッド
食べてしまえばベッドメイキングをして
ビジネスクラスの最大の魅力は、「横になっての空の旅」ができることでしょう。
狭いエコノミー席で、隣の席の人に気兼ねしながら座りながら眠る
いままでの苦労はいったい何~!? 体、楽!!!
が初めてビジネスクラスに乗った時の率直な感想でした。
エネルギーチャージ、させていただきます。
機内は静か。
イベリア航空ビジネスクラスの食事・軽食
眠りから覚めると
洋風軽食
鶏胸肉ハム、サラミ、パルマ生ハム、カマンベール、マンチェゴチーズ、ケッパー、チェリートマト |
パン |
季節のフレッシュフルーツ |
コーヒーとティー |
ついている小瓶のオリーブオイルのキャップが、あけにくい…。悪戦苦闘して、結局CAさんにSOS。CAさんはギャレーに小瓶を持ち去って行き、しばらく後、無事御開通したオリーブオイルを持ってきてくださる。
パルマ生ハムは、スペイン上陸後、レストランで町でホテルでスーパーでとありとあらゆる所にあり、毎日頂戴することになります。
パンも温かく、小麦の香り。美味しかったです。ごちそうさまでした。
2食目を食べ終わると、間をおかずマドリード到着なので、わりとせわしなく感じます。
イベリア航空機内販売
日系の航空会社であれば、分厚いブランド品やコスメの免税カタログがおいてあるのですが、イベリア航空の機内販売はあっさりしている。
スペイン語のカタログは置いてあるのですが、日本語表記はなく、ユーロだてでお買い物をしても、クレジットカードで支払うと結局カード会社で手数料がかかるのでその分割高になる。
カタログに載っている品物は、日本人の私には馴染みのないメーカー、ブランドのものが多く、もっと詳しく説明がないと、購入する気になれないし…。
そしてCAさんがカタログを手に「いかがですか」と笑顔で目を合わせての販促活動…が全然ない。見せていただくだけでいいです。
イベリア航空エンターテイメント
日系みたいな紙ベースの番組カタログはないので。 自分でモニターをいじって探っていくしかない。
映画も、日本語の字幕のある映画がすぐわかればいいのですが、 モニターで映画を選び、再生の時に言語と字幕を選ぶ式なので、 お目当ての映画に日本語字幕がないと、映画の選択をやりなおさなければならない。
だんだん面倒になってきたので 「アラジン」実写版と「ボヘミアン・ラプソディ」のスペイン語版にしました。
英語でもスペイン語でも言ってることがわからないなら同じ。
そしてミュージカルなんだから、歌ったり踊ったりするシーンなら、まさか吹き替えはあるまい…。 アタリでした。
イベリア航空の新聞と雑誌
頼めば持ってきてくれたのかも知れませんけど。
日本に向かう便じゃなくて、日本出発便だし。
日本の新聞雑誌をわざわざお願いするほどのことでもないし、CAさんから「いかがですか」的な声かけもなかった。
イベリア航空ビジネスクラスWi-Fi
座席にパンフレットは置いてあり、有料です。利用しませんでした。
日系のビジネスクラスとの違い
- 食事が違う
日系はレストラン・カフェ方式で前菜・オードブル・メインと主菜・デザートとその都度お皿に綺麗に盛りつけられた料理が1皿ごとにCAさんがもってきてくれるが、イベリアは1セットのメインのお膳が懐石弁当のように目の前に置かれ、主菜・デザート・ドリンクが順番にいただける仕組み。
「空の上のスペシャルレストラン」的なクラス感はない。
味も一式まとめて出す以上、1皿ずつより多少の風味の違いは感じるものの、スペイン風の見た目と風味の味付けの工夫はされており、十分おいしくいただける。 - 日系のように設備完備が当然というアタマはない(充電できなかったのはショックだった)
- エンタメ・機内販売とも、日系のように「お客さま、よろしかったらいかがですか、お楽しみください 。」的なよく言えばおもてなしの心、うがった見方をすると揉み手をして乗客にすり寄るような気配が一切ない。
- 質実剛健で必要なことはキッチリしっかりやって下さるので、不快感はありません。快適でした。
- ビジネスクラスでは、日本人CAさんが 「イベリア航空のフライトはいかがでしたか。日本の航空会社とか違うところもあります。」と1人1人に最後にご挨拶まわりされていました。
- 何はなくても直行便。乗継なし・待合時間なしにスペインに飛んで行けるのは超ありがたい。
- ビジネスクラスの座席とベッドは、日本人女性の私には十分なサイズで、横になり、リラックスしてスペインに向かうことができました。
食後まもなく、マドリード・バラハス空港に無事着陸。
満足でした! 十分でした!
なお、なぜ日本からスペインに行くのに、マドリード便しかないなのでしょう。 バルセロナへの直行便があってもいい気もします。
素朴な疑問をバルセロナでご一緒させていただいたガイドさんにぶつけてみたところ、答えは。
マドリード側が許さないのだそうです。
「バルセロナばっかり儲けやがって」という訳ですね。
なるほど、いったんマドリードで降りてしまえば、 「せっかくだから『ラス・メニーナス』と『ゲルニカ』見ていくか」の気持ちになるし、マドリードの町歩きもしたくなります。
納得。