奈良では「奈良ホテル」に1泊しました。憧れのクラシックホテル。
何しろ宿泊者リストには
- アルベルト・アインシュタイン
- エドワード8世
- チャールズ・リンドバーグ
- 愛新覚羅溥儀
- チャールズ・チャップリン
- ヘレン・ケラー
- マーロン・ブランド
- オードリー・ヘップバーン
- ダライ・ラマ14世
と続く。
なぜに我が家ごときが、との疑問はごもっとも。
でもね、新館なら、1泊朝食付き、シングル16,000円(税・サービス料別)。由緒正しき旧館、和室やスイート・インペリアルとお部屋に名前が付くとそれなりに宿泊料ははねあがりますが、全然リーズナブルでしょ。
フロント、ロビー、イルミネーション
12月29日の宿泊でした。
お正月仕様で「頌春」の文字。
皇室の方々の常宿でもあり、セレブの御宿泊の時は、ビニールなどしかず、レッドカーペットが敷き詰められるのです。
格調高くも重厚な、正統派日本情緒あふるるフロント。
日本とドイツの和洋折衷、奈良ホテルの顔の一つ。フロント向かいのマントルピースには鳥居と狛犬。
マントルピースの向かって左には、日本美人画の極致、上村松園の「花嫁」が。昭和10年ごろ、「観光日本」宣伝用ポスターとして描かれた絵の、原画。晴れやかな題材ですし、松園先生の絵をこんなに間近に見せていただけるなんて!大感激です。花嫁姿は、女の人生の華。松園先生の美人画は眉と髪の生え際のぼかしに特徴があるのです。図版ではわかりにくい質感などもしみじみ、見とれ、見入ってしまいます。
入口正面にはティーラウンジがあります。夕食後、ケーキ食べたいな~、と寄ってみましたが、バーラウンジに変わってしまっていた。ちょっと残念。
ラウンジの前で見上げると、吹き抜けになっていて和風シャンデリアがきらめき
不二木阿古の「鷺娘」が見える。
階段を上っていきます。
踊り場の銅鑼は昔、食事や、戦時中は空襲警報発令!を知らせたのだとか。
2階に上るとソファーセットがある。奈良ホテルは高台にあるから、明るい時間は窓の景色を見ながら寛げる。
再び地階に降り、右手の廊下には「ロビー」の文字が。
手前には奈良ホテルの往時の栄華の証拠の写真や新聞が飾ってあります。
「満州国皇帝」は読めるぞ。愛新覚羅溥儀皇帝。
上段中5人(男性4人女性1人)の写真の真ん中がオードリー・ヘプバーン。
ロビーに入ってみると幸いなことに人、いなかった。
天皇陛下の即位を記念した「平成の大時計」と
昭和11年にアインシュタインが弾いたピアノが写真と解説付きで置かれています。
レストランの入口。壁には古い写真がたくさん~。
外に出てみるとクリスマスイルミネーションがまだ輝いている。
当然、奈良ですもん。トナカイじゃない。シカですよね~。玄関向かって右。
玄関向かって左。
脇にも玄関があるのですね。
では、お部屋に向かいます。
途中、廊下の壁には歴代皇室の方々がご宿泊された時の写真が飾られていた。ホテルショップ(お土産に吉野本葛のお菓子とくず湯を購入)もありました。実際に使われた食器類や、全部横文字、ホテルの宿帳の展示もある。
奥に見えるのは結婚式などの打ち合わせスペース。を過ぎ
エレベーターで1階に降りる。フロントは4階。
新館シングルルーム
まず広い!が第一印象。シングルですよ。このお部屋。都心だったら真面目にお部屋、ここの1/3でもおかしくない。
新館は1984年建築。
吉野地方の建築様式「吉野建て」を採用。全室が中庭に面しており、緑の景観が心和む空間です。オーク材の落ち着いた色合いに、大和文化の華やかさを表現したデザインが色どりを添えるしつらえ。寛ぎのひとときをお楽しみください。
(奈良ホテル パンフレットより)
テーブル周り。
ベッドサイド。
浴室とトイレ、洗面所。当然、トイレはウォシュレット。
アメニティ。
部屋を出て廊下。
廊下の途中、非常口のスペースには奈良らしい飾りもの。
お食事
夕食(日本料理レストラン「花菊」)
ホントは町に出て、息子主導でこってりラーメンなど食べさせられるのだとばかり思っていた。ところが、息子、まさかの乗り物酔い。(新幹線で気分が悪くなったのだそうで)あっさりしたもの、かつホテル内の食事を希望したことから、急きょホテル内日本料理レストラン「花菊」へ。
ぼんぼりが良いかんじですね~^^
懐石コースあたりを頼むのが王道だとはわかっているものの、明日からは(我が家にとっては)目もくらむ美食の日々が待っているのです。ここは軽く。あくまでも軽く。
お造りの盛り合わせ
炊き合わせ
かに雑炊
だし巻き卵
奈良名物、茶がゆ。緑茶仕立て。
鴨肉煮付け。
どのお料理も格調高く、量が少ない。かつ、東日本の人間にとってはどこまでもお上品で、味が薄い。己の舌の育ちの低さを卑下しつつ、…テーブルに塩コショウ、ないかな~と目で探すのですが、ないんですね。仕方がないのでお造りの醤油ももれなくいただきました。(ボーイさんに醤油持ってきてくださいと頼む度胸がない;;;)
正直私には少ない。夜中にホテルショップで購入したばかりの吉野本葛くず湯をいただきました~。本場ものは美味しい!
朝食(メインダイニングルーム「三笠」
ここはいったいどこ?私、ホントに日本にいるの?と思わず頬をつねってしまいそう。(でもシャンデリアは和風、壁と天井も和風)日本が誇るクラシックホテルのメインダイニングルームで朝食をいただくのです。
和定食・茶がゆ定食・洋定食から1つ選べる。これから京都に向かう私たち。迷うことなく洋定食をチョイス。
メニューは
- ジュース
- サラダかオートミール
- 卵料理と付け合わせ
- トーストかフレンチトーストかホットケーキ
- コーヒーか紅茶かミルク
ジュースはトマトにして、ホテルでオートミールなど食べたことがないのでオーダーしてみました。えぐ味がないのでするっと食べられた。それと満腹感が続く!お昼になってもお腹がすかなかったのにはびっくりしました。
テーブルには奈良名物、柿を使った特製柿ジャムの小瓶があったので、落として頂戴しました。…言われないと柿だとわからなかったかも。色は柿色。お味はリンゴジャムとイチゴジャムの中間。
オムレツは家庭料理ではなかなかプロの味は再現できないし。カリカリベーコンも好きだけど、我が家のキッチン設備では難しい。
フレンチトーストはたっぷり粉砂糖がまぶしてあり、美味♪息子は「コンビニのフレンチトーストは真ん中は白いけど、ここのは真ん中までフレンチトーストだ~」と感激しております;;パンの厚みが違いますから;;真ん中まで浸みたフレンチトーストくらいなら、お母さん、作ってあげる~。
最後は多分、ロゴの入ったコーヒーカップで、食後のコーヒーを。
まとめ
クラシックホテルは2・3、泊った経験あり。この手のホテルはクラシック、すなわち古い。不便だ。を覚悟して泊まらなければいけません。(某クラシックホテルで全ての設備のあまりの古さに仰天し、往生した経験あり)しかし奈良ホテル新館宿泊、老舗ホテルのおいしいトコ取り、不愉快不都合一つもなし!
しいて言えば、コンビニが遠い。セレブが泊るお宿なので警備などの都合上、若干人里離れていた方がいいのでしょう。息子は夜中に、飛び跳ねる奈良の鹿(実は鹿は夜行性)にぶつかったらどうしよう、と怯えながら夜道を歩いてコンビニに行ったそうです。…乗り物酔いはどうなったのだろう。といささかイラっときた私でした。