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【おすすめ読書】積んどいた本を一気に20冊読んでみる①

本ってどうしてこうたまるのでしょう。買っておけばいつかは読むはずだ。とたまりにたまった本を、まとめて読んでレビューしてみます。

 

 

 

腹を抱へる 丸谷才一エッセイ傑作選1

腹を抱へる 丸谷才一エッセイ傑作選1 (文春文庫)

腹を抱へる 丸谷才一エッセイ傑作選1 (文春文庫)

 

 

 

膝を打つ 丸谷才一エッセイ傑作選2

膝を打つ 丸谷才一エッセイ傑作選2 (文春文庫)

膝を打つ 丸谷才一エッセイ傑作選2 (文春文庫)

 

昭和の大文学者、丸谷才一(1925-2012)。10年に1作のペースで長編小説を発表すれば、 「(丸谷才一の新作を)ほめたい」とオファーが殺到。

18の文体を駆使した20世紀文学の巨星、アイルランド人作家ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」を常に傍らに。

かと思えば勅撰和歌集を軸に日本文学史を編み直す視点を世に問い、かの「忠臣蔵」を「怨霊信仰」と「カーニバル文学」の思想がその根底にあることを指摘。

またイギリス仕込みの書評は毎日新聞の金看板となり、現在の日本文学のトップを走るあまたの人材に贈る温かな励ましの言葉の数々。

このエッセイ集は、40年あまりのおびただしい丸谷才一の著作からのベストセレクション。博覧強記、ゴシップ好き。降るような古今東西のウンチクと、あっと驚くサゲに「腹を抱え」「膝を打つ」っぱなしなのです。

文章でお金を取るなら、こうでなきゃ。

 

 

クオリティ国家という戦略  大前研一

クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道

クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道

 

 

 

大前研一 日本の論点2016〜17

大前研一 日本の論点2016〜17

大前研一 日本の論点2016〜17

 

 

かの大前研一先生、そっちこっちで名前を見かけ、その度に「おっ読まなきゃ」と目が留まる。本も読んでみたかったのですが、なにしろ著作、膨大でしょう。全部はとっても無理だけど~と迷っていたのです。ちきりんさんのブログで紹介されてて、迷わずget。

グローバルって大前先生のためにある言葉じゃないかしらん。私たちの父母の世代、「頑張れば道は開ける、きっと良いことがある」って希望があった気がします。今、私たち、なんだかんだ言っても、明日の食べ物に困ってるわけでなく、みんな、スマホをいじってる。豊かなんだけど。でも、なんだか、明日が不安。。。。

それはなぜか。どこから来たのか。そして打ち破る戦略は何か。明確な答えが、至る方程式とともに、ハッキリ書いてある!!!

あとは目とアタマのある方が、実行するだけなのではないかと~。

 

 

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011

村上春樹、エッセイだけ読んだことある。「ノルウェイの森」も「IQシリーズ」も、読んでない。社会現象の域なんだもん。名前があがるたびに気圧されてしまい、手を出すのも気が引けるのです。ここまでビックネームになってしまうと、社会現象というよりは、一般常識として、少しは知っていた方がいいのではないだろうか。

書評を真面目に読めばいいのでしょうが、新刊出る度にレビューの嵐で目がまわりそう。と弱気になり、手に取った本。

世界のムラカミに各国のジャーナリストが、編集者が。村上春樹に迫る。読んでもいない諸作品を、その背景やねらい、描きたかった作品世界を、気鋭の聞き手を前にして、あますことなく村上春樹が披瀝する。

率直な感想。村上春樹って、ロマンチストだ。と。サラサラっと読めて、残る抒情性。がアメリカっぽく、イノセントで、センチメンタルである。

そして今までの人生や海外に移住したきっかけ、そしてストイックな生活ぶり。ひと昔前、文章を書く人って、ある意味破滅型だったのでは?(芥川とか荷風とか吉行淳之介とか山口瞳とか)

いまや「いい作品を書くために」毎日走って、健康に気を配り。が時代の流れなのでしょうか。(我ながらすごいこのまとめ^^;)

ファンなら読んで損ないはず。でも、熱烈なファンなら、この本に書かれていることはもうみんな、御存知なんでしょう。きっと。

 

 

小津安二郎の反映画  吉田 喜重

小津安二郎の反映画 (岩波現代文庫)

小津安二郎の反映画 (岩波現代文庫)

 

 

著者の吉田 喜重さんは映画監督。代表作には「秋津温泉」(1962)、「嵐を呼ぶ十八人」(1963)奥様は岡田茉莉子さん。

「反映画」と看板を掲げてまいますが、小津映画のバイオグラフィーを丁寧に語っていきます。

戦前の、小津監督の若き日の映画は、とにかく、暗い。なぜここまで救いのないお話なのだろう、と読みながら心が暗くなったりして。

2度にわたる第二次世界大戦従軍をへて、訪れた平和、しかし混沌の時代。小津監督は自らのスタイルを突き進む。

そしてやはり、というべきか、クライマックスは「東京物語」。この宝石のような作品の丁寧な描写と解釈に、映画を見た時に勝るとも劣らない感動が湧き上がり、尾道のキラキラ輝く海の光が、脳裏に確かに浮かびあがります。

そしてピークを極め、直後のあっけない、若すぎる60才での死…。図らずも映画のようなどんでん返しで終わる本。

小津本数多くあれど、技術的な(ローアングルがどうだこうだとか)の説明はあまりなく、もっぱら主題の掘り下げと各々のシーンの考察が多かった。映画の名シーンを、文字で再現することって案外難しいのですが、この本は、お見事。です。

芸術選奨文部大臣賞も受賞してるし(1999年)、小津本としては万人向け、外さない本、とお見受けしました。

 

 

 

 

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