10年前に直営免税店で購入したルイヴィトンのバッグ。ヘビロテしているうちに、口のパイビング部分のヌメ革が破れてしまった。
修理先の検討から依頼、終了まで。
修理するヴィトンのバッグ
もう廃盤のトートバッグ。今出回っている型でいくと、グレースフルが一番近い。
10年前に家族でグアム旅行に行った時、直営店で購入。日常遣いで、財布やスマホはななめがけバッグに入れて身につける。ほかの手荷物を入れて持ち歩くのにちょうどいいサイズなので、通勤に遊びに、重宝してヘビロテさせていただいてました。
ヴィトンといえば丈夫で長持ち。ガンガン使い、ヌメ革の経年の色の変化もステイタスのうち。
ポンポンモノを入れ、出かけ、朝車に積み、仕事。帰ってくるとさっと置いて、ろくろくバッグを見ていなかった。
ふと気づいた。パイピング部分の革が切れてる! モノグラムのキャンバス地の切りっぱなしが見える。いったい、いつから!?
修理しなければ。
修理の選択肢
直営店
一流ブランドなんだから。アフターフォローがあっての高級品、お値段です。
一方、10年使い続けたのだから、保証期間は終了。(保証書はどうせダメだし探していない)
ずーっと前だけど、ヴィトンの別のバッグ、修理を頼んだことがあります。
バッグの底のヌメ革部分でした。
修理代が高い。購入価格の半額くらいした記憶がある。
修理を断られたこともある。エピの財布。折れ曲がりの部分が擦り切れて穴が開いてきてしまった。
本体の革そのものの摩耗は、修理のしようがないと言われた。
今修理したいヴィトンのバッグ、購入価格は忘れてしまったのですが、多分10万円前後でしょう。
パイピング革取り換えだって、おそらくは4~5万はかかる。
別のバッグが買えてしまう。
ブランド品の価値としては、直営店で修理しないと、ダメなんですよね。
査定の時にガクッと金額が下がるから…。
そしてヴィトンならヴィトン、製造元以外の人がバッグなり財布なりに手を加えれば、
それはもう、ブランドやメーカーが作ったもの・純正品とは言えない。
自分がもし中古のブランド品を購入するとしたら、と想像力を巡らせれば当たり前の話。
目利きができるかできないかは、買い取る側にとってみれば死活問題です。
ブランド品の修理承りますの専門店
検索をかければ、ヴィトンにシャネル、エルメスにブルガリ、ブランド品の修理を引き受けてくれるトコはいくらでもある。
自分と似たような修理例がないか、探してしまう。
見積を取るだけなら無料なのだから、と画像を送ってみたら見積額が13,500円。安い。
ショップの方曰く、
八方ミシン、工業用ミシンを用いて縫製を施しておりますが、
若干の手作り感が出る場合や細部の美観に影響が出る場合がございます。
気にならない範囲かとは存じますが、ご了承の上、ご検討いただきたく存じます。」
ただし、納期に50日みてください。
とのこと。
50日。…長すぎやしないか。
近所のミスターミニット
ハイヒール党なので、靴のヒール底の張替えはマスト。
定期的に利用させていただいてます。店員さんとも顔見知りの仲。私、お得意様ですから!
聞いてみました。
見積価格は、工場で出します。店頭では出せません。
(店内のパンフレットだと8,000円くらいから)
期間は5~6週間くらいですかね~。」
カバン修理とは、時間がかかるらしい。
見積価格は
- 直営店だと4~5万
- 修理店だと1万円台でできる。
- 期間は最低2カ月弱。
一方、ヘビロテしている私のヴィトン。
気をつけてはいるけれど、ついつい水筒のお茶がしみ出したりして、内側の布にシミなんかもつちゃってるし、お金に困って!? ブランドショップに持ち込んだって、たいした値段がつくシロモノとも思えない。
自分で気持ち良く、できるだけ長く使えれば、それで十分。
今さらヴィトンと同等の格、クオリティと耐久性を兼ね備えたバッグを探し求めるエネルギーを、ほかのことに使いたいのです。
私がブランド品を使う理由って、ほぼココにあります。
今回は、直営店はやめておこう。
値段は、専門店とミスターミニット、比べられないけど、大差ないだろうし
時間がかかることは同じならば、
ブランド品の取り扱いに慣れているお店の方がいいかなあ~。
革修理専門店に2つか3つ、あたってみるテもあったんですが
だんだん疲れてきた。
最初のトコでいいや、と 革修復どっとコム に正式依頼のメールを送りました。
革修復どっとコム ブランド品修理の流れ
- 見積依頼(画像を送った)
- 正式依頼
- 修理品発送(郵送料自己負担)
- 革修復どっとコムからのより詳細な連絡
【診断内容・お見積り】
口革(入口周り)が切れた状態やひび割れなど劣化が激しい為、交換修理が必要になります。
できるだけ近い素材で製作交換いたしますが、レザーは全く同じ素材を入手できないため、同じヌメ革で違和感の出ない範囲の類似素材に変わることをご了承の上、ご検討頂けたらと存じます。
色合いですが、少し焼けた色合いのヌメ革を使用しております。
仕上り感につきましては、一から作り上げる工程と違い、表面を重視してズレが出ないようにする上で、特に内側面や曲線、生地が入込み厚みがある部分にステッチのズレや表面よりも仕上がりが劣ります。慎重に製作はさせて頂きますが、ご了承の上、ご検討頂きたく存じます。
料金(税込)
口革製作交換 13500円
※全て手作業。
■納期:約50日
■送料:550円(北海道と沖縄は1,320円)
■支払方法
銀行振込・ヤマト代金引換(現金)
申し出がない場合は代引き、後日変更可能。 - 料金払込
払込確認のメールは、来なかった。 - 修理終了の連絡・発送
事前にいただいていた発送日ぴったりに、お知らせメールが届く。
修理が終わったヴィトン
感想
修理前のヴィトンは、パイピング部分の革が薄かった。パッキパキで、紙みたい。よって経年で切れてきてしまった。
修理に使われている革は、持ち手の革の色よりは一段色が薄く、見る人が見れば「あれ? 」ってかんじで目が行くかも。
使っていくうちに、また色は変わっていくのでしょう。
本家本元のヴィトンよりも厚手のしっかりした革を使っている。
修理前は、バッグを置くとくしゃっとつぶれてしまっていたのに、
戻ってきたら、パイピング革の強さでバッグがしっかり立つ。
縫い目の糸の太さや色も、持ち手のもともとのものと、素人目には、引けはとらない。
バッグの内側から見れば、依頼前に念を押されていたとおり、革が波打っている部分はある。
気にするか気にしないか、ですね。
直営店で修理したら、ビシっと完璧に。妥協を許さず修理してくれたのかなあ。
見えない部分なんですけどね。
満足です! 死ぬまで使うぞ!
ヴィトン、大丈夫なのか
薄い口革を使い、10年で劣化して破ける。貴方がヘビロテしたからでしょ。
と言われてしまえば恐れ入るしかないんですが。
でも、もっと前に買った、30年モノのヴィトンは
ノエだって
ソミュールだって
まだまだ頑丈で、
「チャチな革を使っているがゆえの修理が必要」なんて、あり得なかったのに。
(そのせいか今のヴィトンのグレースフルは開口部はヌメ革をつかわず、ファスナー式になっている)
ましてや、ヴィトンの修理とは
在庫品のパーツが残っている場合だけ修理を受け、
修理のために新しく部品を作り直すことはしない。
つまり内側の張替えとか、廃盤の金具を似たような金具で代用するとか、
また使えるように修理する。を受け付けない。
「いいものを大事に孫子の代まで受け継ぐ」
のがブランド品だとばっかり思ってた。
私の価値観が、もう、古いのかなあ。
国内ブランドで
末永く、息長く修理を受けてくれる、組織力のしっかりしたブランドのバッグのアンテナも上げていかねば。
吉田カバンとか
しかしレディースは無難・オールマイティーの半面、華やかさがないのよね
ハマノのトートとか
しかしクラシック・正統派すぎて抜け感とは縁もゆかりもない…
ま、追い追い、楽しみながら探していくことにしましょう。