ウチの主食が突然白米から玄米に切り替わった。そして玄米食とは、奥深いものだ。酵素玄米に挑戦してみました。
酵素玄米(発酵玄米・寝かせ玄米とも)とは
玄米の前に「酵素」「発酵」「寝かせ」とある。
普通、白米を炊飯器で炊き、残った白米ご飯は炊飯器に入れて保温する。しかし、炊きたてのご飯は保温し続けるにつれ、銀シャリの白は次第に黄色味を帯び、研ぎ方が甘かったり精米から時間のたった白米だと酸っぱい匂いもしてくる。ご飯の食味も次第にボソボソしてくる…。
なので白米をおいしくいただくためには
- に炊きたて
- に急速冷凍&解凍。
が常識。
ところが、玄米の場合、事情が違う。保温し続けるほど(現実には限界ありますが後で書きます)ご飯がおいしくなるという。栄養豊かになるという。消化吸収が良くなるという。21世紀になってから急速に広まった食べ方です。
もともと玄米ご飯は
- 固い
- まずい
から白米食にとって変わられたのです。
しかし現在。炊きあがった玄米を炊飯器で3日間保温し続けるだけで!ご飯は白米にひけを取らないまでに柔らかい食感でいただけるし、置けば置くほど食味がアップし、おまけに健康・ダイエット・アンチエイジングに見逃せない成分が豊富に摂れる。 他にも
- 家の炊飯器で玄米ご飯を保温するだけなので初期投資がいらない
- 気になる電気代は5合炊きの炊飯器・24時間保温で1日10円程度
とコスト面でもハードルが低いため、初心者でもトライしやすい。
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酵素玄米(発酵玄米・寝かせ玄米とも)効果
- ダイエット効果(玄米は食物繊維が白米の5倍、ビタミンB群の働きで代謝が良くなる)
- 美肌効果(ビタミン・ミネラル・食物繊維豊富)
- 対高血圧効果(カリウム豊富なのでナトリウムを排出、ビタミンB1効果で血中の中性脂肪を効率よくエネルギー化して血液サラサラ)
- 対糖尿病効果(GI値は玄米55、白米81で玄米の方がGI値が低い)
- 対脂質異常効果(玄米は食物繊維が白米の5倍)
- 腸内環境改善効果(玄米は食物繊維が白米の5倍)
- 便秘解消効果(玄米は白米に比べ食物繊維が5倍)
- 抗酸化作用(日を置くにつれメラノイジンが発生して玄米の色が濃くなる。メラノイジンは強烈な抗酸化作用を持つ)
- アンチエイジング効果(抗酸化作用のあるビタミンEは白米の1,200倍、メラノイジンも含まれる)
- 抗ストレス効果(発芽玄米ならGABAは白米の10倍、ビタミンB1)
- デトックス効果
- アトピーなどのアレルギー(ビタミンB群の働きで症状緩和)
- むくみ・利尿・デトックス効果(カリウム豊富)
こんなに効いちゃっていいの、ってくらい何にでも効く。
- そして3日間の熟成期間中にたんぱく質やアミノ酸が酵素に変化してビタミンもミネラルもより人体に吸収されやすくなる。
- メラノイジンやビタミンEやポリフェノール効果かつ高温(70度前後)で保温し続けることで雑菌の繁殖を防ぎ、腐敗しにくい。
個人的には、「…炊飯の時、炊飯器なら100度、圧力なべなら104度まで温度が上がり、超高温が一定時間続く。こんなんでビタミンやミネラルは酵素は生き残れるのか」とか素朴な疑問がうかぶ。
しかし 昔の人は玄米を食べていた。白米を食べるようになって「脚気」なる病気が流行し、多くの人が命を落とした。つまり炊飯の過程で脚気予防の要、ビタミンBは少なくとも生き残っていたことを歴史が証明している。
食物繊維なんかは熱に強そう。
たぶん、残っていると言われているものは残っているのでしょう!(と雑なまとめ。でもね、偉い農学や栄養学のセンセイだって「実はまだ解明されていない。」ってただし書きつけての見解、けっこうあるんですよ。)
酵素玄米(発酵玄米・寝かせ玄米とも)毒
大きく分けて3つ。
- 残留農薬
論外ってかんじ。管理が甘ければ糠の部分に農薬が残っているかもしれない。消費者の立場からなら、信用のおけるお店から購入するしか道はない。
- フィチン・アブシジン酸
お米は稲の実。つまり私たちに美味しく食べさせるためではなく、自分の子孫を残すために稲穂を垂れる。そして芽が出るまでの間、胚芽を守るための物質、いわゆる種子毒。玄米の強烈なデトックス効果の大元。
鉄分・亜鉛・銅を体外に排出する。つまり鉄分が足りない人、必要な人、つまり貧血の人や妊娠中の人、やせすぎや体力のない人は要注意。
もっとも、もともとごくこく微量なんだし、フィチンにしたって、アブシジン酸にしたって、工夫次第(浸水時間を多く取る、発芽させる)で減らせるし、持っていかれてしまうミネラルを意識して多めに摂る手がある。
- さらに言うなれば、腹持ちが良いイコール胃腸に負担がかかる。
胃腸の弱い人や小食の人、胃を全摘した、なんて人には向かないでしょうね。じっくり浸水する、柔らかめに炊く、ひたすら良く噛む。実行したとしても。
気にせずずーっと食べてます。の人も大勢いる。一方、げっそり体力の落ちる人も現にいる。
そしていまどき玄米だけ来る日も来る日も食べる人、いないでしょう。パンもあればパスタもある。お菓子も食べるし、外食すれば普通は白米。
どんな健康法にしたって「同じものを食べ続ける」方式には必ずデメリットがある。様子をみながら。極端に走らず。がキモではありませんでしょうか。
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酵素玄米(発酵玄米・寝かせ玄米とも)の作り方・炊き方(簡単!)
レシピ
- 玄米…お手持ちの炊飯器や圧力鍋に合わせた量
- 小豆(あってもなくてもいい)…適量(炊飯器の底なり玄米in炊飯器・圧力な鍋を覆うくらいの量)
- 塩…適量(玄米1合に1グラムと言われている)
作り方
- 玄米+小豆+塩+水でゴハンを炊く。
- 炊きあがったら1日1回かき混ぜて3日間置く。1~7日目くらいまで食べられるが、一番おいしいのは3~4日め。
シンプルです。簡単です。私でもできちゃうのです。
小豆はあってもなくてもいいし、雑穀や黒豆を入れてもいい。しかし小豆と米はもともと相性がいいし、玄米に小豆を入れればより栄養バランスに優れる。(小豆のタンパク質とカルシウムをプラスすることで栄養バランス完璧!鉄板!)
なぜ塩を入れるのか。玄米にはカルシウムが豊富なので、塩なしで炊くとえぐみや苦味がでるので、中和する。
炊き方は原則お手持ちの炊飯器・圧力鍋の説明書どおりですが
- 研ぎ方
玄米の表面を落とす意味で必須。最初に玄米を洗った水はすぐ捨てる(糠くささを残さない) 米粒に傷をつけると水分を吸いやすくなり、美味しく炊きあがる。多少がんばって、2・3回。水を変えながら。〇分間混ぜづける、とか、右回りに回さなければならないなどの流派!?もある。
- 水加減
基本白米は水の1.1~1.2倍、玄米は1.5~2倍。浸水時間が半日以上なら、白米と同じ水加減でもOK。
- 玄米モードのない炊飯器で玄米を炊く
玄米の浸水時間を十分取る。ただし専用コースじゃないから、味は期待しない。
- 基本の玄米の人気レシピを総合した炊き方(フタ付きのナベなら実は何でもできる)
- 沸騰するまで中火 弱火で30分(圧力鍋だとピンが上がって20分)
- フタをしたまま蒸らして20分前後(圧力鍋だと自然にピンが落ちるまで)
実際はしっかりした 圧力鍋・土鍋・ル・クルーゼの鍋 を使い、水蒸気をできるだけ逃がさないように炊くのが一般的。
ご飯に芯が残ってしまった時には水を足してもう1回炊く。
味を追求するのであれば圧力鍋。同じ浸水時間・同じ水加減でも圧をかけることで食感アップ。
しかし後で書きますが、このあと3日間寝かせる。固めに炊こうが柔らかめに炊こうが、日にちがたつうちにご飯つぶ自体が変化して、よりモチモチになるので、あんまり変わらない気がする。
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酵素玄米(発酵玄米・寝かせ玄米とも)の味
正直私、栄養とか効果って、ないよりあった方がいいかなって程度。現代社会、バランスの良い食生活のための選択肢など有り余っている。
なぜに声を大にして言うのか。ひとえに
「酵素玄米はおいしい!白米より断然おいしい!」
まず、玄米って、白米より微量成分が多いから、ゴハンそのものに味があるでしょ。食し、口の中、胚芽のプチプチ感も快い。
そして1日置き、2日置き、3日置くと、我が家の炊飯器のゴハンが変化していく様を鑑賞するのがまた楽しい。
- 1日めはなんとなくボソボソし
- 2日めくらいから発酵が静かに進み、発酵現象特有、ご飯粒のひとつひとつにモロモロ感のテクスチャーが出る。
- 3日めあたりからご飯粒に俄然、後光が差したかのように照りが加わり、見た目赤飯で、玄米のはずなのにもち米と見まごうお味。
- 4日めにはクライマックスへと…。
この間、ご飯粒の色は薄い褐色からじわじわと小豆の赤紫色により増幅されたメラノイジン色へと濃くなっていき、まだ初心者なもんで、 固く炊けたり柔らかく炊けちゃったゴハンも大差ないまでに程よい水分に調整され、食感・食味は最高潮。
そして、酵素玄米って、外食でもまずお目にかかれない。
3日置いたご飯を大量に安定して出し続ける手間は膨大。
「健康」を意識したゴハンを出すなら「雑穀ごはん」ならすぐできるし、取り入れやすいし、手っ取り早いんだもの。
マクロビ系の由緒正しいお店でもかなり難しいのでは。
「1日限定〇〇食」が普通です。
近くに食べさせてくれるお店がなく、時間さえかければ簡単に作れて、栄養満点・効果抜群のオマケ付き。
この世にここまでオイシイ話があったんだわ。が率直な感想・レビューです。
酵素玄米(発酵玄米・寝かせ玄米とも)と発芽玄米の違い
酵素玄米とは、炊いて寝かせて3日たったゴハンのこと。
発芽玄米とは、玄米の浸水時間を長く取ることで米の給水を狙うのではなく、
- 芽を出させることで種子毒を放出させる
- 玄米の中にもともとあり、発芽前に炊飯しては実は吸収されない栄養素を吸収させやすくする。そして発芽させることで増強される栄養素を確保する。
やり方としてはただ水に浸す。
発芽しやすい温度(40度前後)なら時間は短め。暗いところの方が発芽しやすい。ある程度浸水させた後、一旦水を切り、40度前後で置くと発芽は早まる。などとみなさん工夫なさっている。
全部の米粒から芽が出ているまでは必要ない(かえって味が落ちる。)。玄米が水を吸ってまえより白く・大きくなり、胚芽がぷっくり大きくなって、今にも芽が出そうな気配、10粒に1粒くらい、兆しが見えてきた~くらいのタイミングがベスト。
欠点としては
- まず時間と手間がかかる。
- そして炊飯とナイス・発芽状態のタイミングを合わせるのは実は難しい。
- 水をこまめに取り換えないと2日めくらいから発酵臭が漂い始め、家族から「台所の変なにおい何とかならないのか」と苦情が入ったりする。
- 乳酸発酵だからヨーグルトと同じじゃん、と言っても、炊きあがったゴハンにかすかに発酵臭がのこるケースもあり、気にする人は気にする。
など。
最後に
発酵しているから「発酵玄米」なのかって、実は正確には謎でして、理屈って、解明されていないんですよ。
炊飯器の中で熱が入って、メラノイジンが発生しただけって説もあります。
「こうなのではないか」と言い伝えられている部分も数多い。
なのでネーミングとしては「寝かせ玄米」が正しい。しかし一般には「酵素玄米」「発酵玄米」の方が、通りがいいんですよね~。
巷にあふれる「酵素ドリンク」だって、酵素は熱に弱く、市場に出回るには加熱が必要だから、実は「酵素の働いたドリンクに熱を加えて酵素を殺した、元々は入っていたが実は飲む時は酵素が皆無の」ドリンクだったりする。
さらに、酵素飲んだって、身体の中でタンパク質、分解されて吸収されるんだし、腸なり脳なり血液なりに直接酵素が届くとも考えにくい。
でも、美味しいし。効いたって人は現実にいる。私は、続けてみます!