インド旅行のタージ・マハル観光と必ずセットでついてくるアグラ城。
タージ・マハルより、みるトコたくさんあります。行っても行っても終わらず、大きいお城なんだなあ、と超大国・かつてのムガル帝国の栄耀栄華がしのばれる。
タージ・マハルと同じ時代の、イスラム建築のステキな装飾がたくさん。実際に行ってみると、観光案内に使われている無骨な赤い城塞の写真とは打って変わった華麗な世界が目の前にひろがります。
目の前にそびえたつ巨大な砦。観光客があふれ、雰囲気はなごやか。
石橋のアーチをくぐって入場し
いきなり赤砂岩の巨大で華麗な門が現れる。
幾何学模様の装飾に見とれてしまう。
その昔、王様が象に乗って通った道。
壁の両脇に穴が見えますね。敵が攻めてきたとき、ここから煮えたぎった油を発射!?して撃退したのだそうで。
またまた華麗なアーチ。
ジャハーンギール宮殿。
の前には、巨大な意志のお椀のようなものがある。
ハウジー・ジャジャンギリ。
巨大な1つの石からつくられていて、王様のお風呂。
階段までついている。
少し唐草模様も残っている。
ガイドさまが写真を撮ってくださいました~。大きさが、わかりやすいでしょ?
宮殿の中に入れば、大きな中庭と
連なる小部屋の数々。
お妃さまや王子様、お姫様が座っていたのかな~。
インドはあったかいから、オープンのままでいいんだ。
向こうに見える入口をくぐると
おおー、装飾、けっこう残っているじゃありませんか!
昔はきっと、金色にまばゆく輝くお部屋であったに違いない。
壁のいろんな形の物置には何が置かれていたのでしょう。
ムカルナス模様も、少しだけだけど、見える。
唐草模様も見える!
バルコニーからはタージ・マハルが見えます。
夏の暑さのために宮殿には冷却システム・利水システムがあり
水盤には水が流れ込んでいたのです。こんこんと水が湧き出ていたのかなあ。この世の楽園を誇示するかのように。
(アルハンブラ宮殿でも同じ話を聞いたなあ)
お花模様も残っていました。
輝く白亜の建物があって、手前はお姫様のお部屋。奥は王様のお部屋。
王様のお部屋のアーチ部分は、彫刻や象嵌が少ない分、大理石の肌の輝きがまぶしい。アーチのフォルムが、インドだわ~。
手前のお姫様のお部屋のアーチの向こうの遠くにかすむタージ・マハル。
今でも十分にきれい。お姫様がいた時はどうなっちゃうの!? ってくらいですよね。
宮殿・御殿といえば、寒い国が通り相場だった私。インドは開口部が大きいから、大きな大きなお城は、日の光をさんさんと浴びて、その昔の技巧もスケールが大きくて雄大で。
そして、アグラ城、セキュリティ、あんまり厳しくない。ガイドさまには「(お城に)触らないように」とは言われ、大事なインドのお宝・財産なんだから、と控えましたが係員・警備員の方が、めっきり少ない。ほぼ見つけられなかった。「ここより先侵入禁止! 」のポールもないし。
入口でのセキュリティチェックを厳重にやって、中では比較的自由に泳がせる。が世界のスタンダードなのかも。(でも落書きもあったぞ! 許せん! )
おかげさまで、じっくり近づいて見ることができます。
いいわ~、好きだわ~。こういうの。
モノトーンでこの装飾! 大理石はインドの地元の素材で、時を経てもクラス感は変わりませんね。
反対側に目をやれば
中庭はこれまた大きく
これまた幾何学模様。
揺れるサリーの衣装と一緒の光景は、インドまで来なければ絶対に見られない。
金色の塔の屋根と
これまた遠くにのぞむタージ・マハルが見えるバルコニーからは
「ほら、オウムがいる。」とガイドさまが教えてくださいました。
正直、来るまでは「アグラ城ってなにあるの」くらいの寂しい知識しかなかったのですが、イスラム建築大好きの私、タージ・マハル時代のタージ・マハルの流れを組むディテールだらけで、好み! モロ好み! 来てよかった~!
ハニカム構造の壁。…全部手で彫ったのか…。
タージ・マハルが一番よく見える、このお部屋で、愛する人を思いながら亡くなった王様のお部屋。中には入れない。
タージ・マハルのお花は赤だったけど、アグラ城のお花は黄色だわ。
タージ・マハル見たい! 一心で来たインドだったけど
見ごたえのあるイスラム建築と装飾。大当たりですよ!
小さな入口があり、ガイドさまに、「言ってきていいですよ。」と教えていただき、中へ。靴を脱がなければならず、地べたに座った女性の前(しか靴、並んでいない)に靴を置く。10ルピー出しました。
ここが謎というべきか、インドあるあるというべきか。
公共の観光施設で、入ってこれないはずなのに、必ず、おそらくはインドの階級の下っぽい、顔色や身なりが一段くすんで黒い方々がいるんですよね~。
中に入ると
小さなモスク。
女性専用のモスクだったんですって。
モスクを抜けると、装飾はややシンプルになるものまたまた豪壮・華麗・清楚なたたずまい堪能できる。
次は広い中庭に出て
さらに望めるタージ・マハル。
最後にやってきたのは王様の謁見の間。
広い~。
金網に囲まれているのが王様の玉座。
前庭も広大です。
出口が見えてきた。
感想・その他
見学の所要時間は1時間前後。午前中のタージ・マハルは1時間20分。
アグラ城の方が時間が短いのに、ずっと長く感じた。
タージ・マハルはですね、極端な話、外観を見て、中に入って、王様とお妃様の棺(のレプリカ)を見ておしまいなのですが
アグラ城は御殿の中にお部屋がいくつもある、バルコニーでタージ・マハルを見る、お庭を見る、モスクを見る。またお部屋を見る、お庭を見る、広場に出る…。
とけっこう早く、見る中身が目まぐるしく入れ替わる。
そしてインドの大事な財産です。
飲食物は持ち込めず(水だけ持ったけど)
休憩用のベンチこそあるが、自動販売機はない。お休みどころもない。
写真撮影は自由なので、ありがたいと思うしかない。
正直けっこう疲れた。
なのにガイドさん曰く
「アグラ城のうち、一般公開されているのは、わずか3割に過ぎません。
残りの7割はインド軍の基地になっており、立入禁止です。」
(ケンジントン宮殿でも、同じことを言われたような気がする。)
そしてインドの観光地特有の大きな特徴として、
たとえば、日本で古いお城に行ったとする。
古い瓦とか、屏風とか、掛け軸とか、お皿とか火鉢とか記録帳とか。
その手のお城につきものの残された品々が、全然ない。
ます後世のインド人に持ち去られ、次にイギリス植民地時代がとどめをさし、
見て回れるのは「お城」「お庭」「絶景」だけなんですね。
ま、インドの屏風の説明書きなど、どうせ読めないから、いいけど。
インドの王様の持ち物や、お妃さまのお衣裳や宝石など、当時、お城に暮らしていた人々を想像する材料が全然ない…。
参道や場内のお土産物屋さんもなかった。
日本のお城と同じく、お堀の中にお城があり、橋を渡って中に入る。
私はドライバーさまに入口でおろしていただいてまっすくお城に入った。
お城を出ても、露店とか、キーホルダーとか、ポーチとかを打っているお店がない。
お土産ものを見て回るなら、タージ・マハルの参道の前ですませておくこと!
アグラ城の前は、お店はないかわりに客引きの人が山ほどいます(笑)
私は、ガイドさまにぴったりくっついて、安全安心。