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【おすすめ読書】積んどいた本を一気に20冊読んでみる④

中国人物伝 第I巻 乱世から大帝国へ 春秋戦国―秦・漢

乱世から大帝国へ 春秋戦国―秦・漢 (中国人物伝 第I巻)

乱世から大帝国へ 春秋戦国―秦・漢 (中国人物伝 第I巻)

 

 

 

 

中国人物伝 第II巻 反逆と反骨の精神 三国時代―南北朝

反逆と反骨の精神 三国時代―南北朝 (中国人物伝 第II巻)

反逆と反骨の精神 三国時代―南北朝 (中国人物伝 第II巻)

 

 

 

中国人物伝 第III巻 大王朝の興亡 隋・唐―宋・元

大王朝の興亡 隋・唐―宋・元 (中国人物伝 第III巻)

大王朝の興亡 隋・唐―宋・元 (中国人物伝 第III巻)

 

 

 

中国人物伝 第IV巻 変革と激動の時代 明・清・近現代

変革と激動の時代 明・清・近現代 (中国人物伝 第IV巻)

変革と激動の時代 明・清・近現代 (中国人物伝 第IV巻)

 

 

長い本、大河小説、何冊もある続きものの本は読むのに手間暇かかる。(大人は忙しいんだから♪)もはや通史など読み通す気力も時間もない~。と諦めかけていました。が、この本の発刊を聞きつけ、井波律子先生とくれば、読める!と勢い込んで一挙購入。

井波律子先生。京都大学でかの吉川幸次郎先生(中国文学の先生の中の神の中の神)に師事した中国文学の正統派。永く金沢で教鞭をとられ、出す本出す本すべて外れなく、「三国志演義」の完訳者、と聞けば素人ながら力量は伺うことができます。毎日新聞の書評欄でもその名を連ね、評する本のジャンルは多岐にわたることおびただしく。井波先生の文章、好きなんです。丸谷才一先生亡きあと、今の所、私の中では、ナンバーワン。 恋心は尽きることなく、新刊が出ればせっせと買って、いつかは読むぞと積んである。

 

 

奇人と異才の中国史(昔読んだ本だから20冊の計算外)

奇人と異才の中国史 (岩波新書)

奇人と異才の中国史 (岩波新書)

 

 

を読み、脳天ガツンと殴られた感じで、こんな面白い本書く人いたんだわ~とあっさり井波教に転んだのは、そうか、もう10年以上前のことなのか~。この本をはじめとした、各方面に寄稿した中国の歴史上の人物を年代順にならべ、加筆親筆加えたのが中国人物伝。全4冊。歴史の本というよりは、人物史なので、単発で読んでも十分おもしろい。そしていままであっちの本、こっちの本、とばらばらだったのを時代順に並べなおしたことで、取り上げられた歴史上の人物の生涯を追っていけば、いつしか3,000年の歴史の旅へ。現在に突き進む怒涛のようにな中国の時代のうねりを、ありありと実感することができるのです。

第I巻

中国はあけそめし遥か古代の頃、昔習った荊軻(秦の始皇帝を暗殺しようとして殺された刺客)西施(古代中国の伝説上の美女)、孔子(言わずと知れた「論語」を書いた大先生とか)

第II巻

群雄割拠の大混乱の時代の三国志の英雄たち、戦乱の世故にあでやかに咲き誇る文化の香り。

第III巻

花開く牡丹のごとき大唐帝国。おなじみの玄宗皇帝と楊貴妃とか、李白杜甫はこの時代ですね。熟しきった果物が落ちるがごとく唐は滅び、またきた大混乱を経て勢いずく宋。そして砂漠のかなたから砂煙毛立てて疾走してきたチンギス・ハン。

第IV巻

明も清も洗練の度はますます研ぎ澄まされていき、「爛熟」がまさにピッタリ。そして欧米列強&日本の魔の手が伸び、今の中国建国。どこまでも変りようが、極端なんだからぁ~もぅ~ってかんじです。毛沢東とか魯迅とか。

 

 

論語入門

論語入門 (岩波新書)

論語入門 (岩波新書)

 

 

中国3,000年の歴史を読ませる本を書くほどの先生ですから、当然「論語」の本も書くのです。時代ごとに、名を知られた漢学者、評価と名声を確立なさった先生は、必ず初心者向けの論語の本をお書きになられます。

井波先生の師、吉川幸次郎先生は、唐の大詩人、杜甫を評し「どうしてああも、フレッシュなんだろう」とため息交じりにおっしゃられたそうです。

僭越すぎますが、この本読んで、孔子って熱い人だったんだなあ~と。松岡修造ばりに熱いのですよ。

孔子の人となりと考えの底に流れるもの。「論語」の各章の読み所と定番の弟子とのやり取り。人間孔子の素顔に迫るエピソードのかずかず…。

論語、読まなきゃならん。生の「論語」買って読み通せるならそれば一番なのでしょうけど。とりあえず、入門書を。やさしい解説本を。

の方も、「論語」読まなくてもいい、何が書いてあるかくらい知りたい。の方に、おすすめ。