マルセイユ石鹸の誰も書かなかった素朴な疑問と感想と口コミ。本場マルセイユを超える石けんとは?

(2018/5/4追記)天然素材で安心して使える老舗のこだわりの石けんと言えば、300年の歴史を誇るフランスのマルセイユ石けん。昔ながらの製法、化学薬品不使用。環境に優しくオリーブオイルはオレイン酸やビタミンA・E、ポリフェノールを含み抗酸化力が強い。

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マルセイユ石けんとは

17世紀にフランスの太陽王で有名なルイ14世が出した 王令、

  1. 暑さにより作る石けんの品質が落ちるため、夏場(6・7・8月)の石けん製造の禁止
  2. オリーブの実の熟する5月2日以降に収穫されたオリーブ油を使用する。
  3. 原料の油は、オリーブ油のみ。

の条件を満たすものが世に流通する「マルセイユ石けん」の本物、と言われています。

そして、オリーブ油のみしか使えないため、大量のオリーブ油を大量に安定供給できるエリア。 さらに、石けんを作るのに、塩、それも塩水を大量に使うため、海の近くであることが望ましい。

この2つを満たしたマルセイユが石けん作りの生産地として生き残り、 地名がブランド名となり「マルセイユ石けんは由緒正しい石けんの代名詞」とのイメージが定着したのです。

 

マルセイユ石けんの本物

もっとも、今でもマルセイユ石けんメーカーが全部が全部17世紀のルイ14世が使ったのと同じ石けんを作っているのか、と聞かれれば微妙に違うでしょう。

夏は石けんを作ってはいけない

まず、夏に石けんを作ってはいけないはずですが、「ルイ14世の言うとおりにしています」とアピールするメーカーはありません。現代なら、温度管理を徹底すれば済む話です。

 

5月2日以降に収穫されたオリーブ油を使用

オリーブ油は、マルセイユ石けんの大きな売りの一つ。どこも「天然100%」「植物油100%」「無添加」「無着色」「無香料」をウリにしている。

しかし実が熟しているかまだ青いうちのオリーブを使っているのかまで説明しているメーカーもありません。(当たり前すぎて書くまでもないのでしょうか)

  • オリーブ油を使っていると偽装して、別の油を使い、「マルセイユ石けん」の看板を掲げるメーカーもあるかもしれない
  • オリーブ油を使っていないと正々堂々と原材料のリストを明記し、かつ「マルセイユ石けん」と名乗ることもできる。
  • 1855年のパリ万国博覧会では、パリ商工会議所出品の「マルセイユ石けん」が金メダルを獲得したものの、実は原料はピーナッツ油とパーム油だった。つまり品質が良ければ「マルセイユ石けん」。がまかり通っていた、いるのも事実。

 

オリーブ油100%

17世紀はオリーブ油100%の石けんだけが「マルセイユ石けん」。

オリーブ油100%の石けんは、好みもありますが、あまり泡立たず、泡自体もヌルヌルし(つまり洗い上がりがしっとりする)、おまけにお風呂に置いたままにしているとドロドロに溶けてしまう。

そしてさらに好みがわかれるところですが、本場マルセイユのマルセイユ石けん、香りもけっこう強い!もっとはっきり言えば、匂う!洗い流せばもちろん消えるけど、使っている時は気にする人は気にする。

別名、「カスティール石けん」と呼ばれています。

 

そして、19世紀、オリーブが不作の時期があり、「オリーブ油100%」の看板ははずされ、「オリーブ油を72%以上使う」に変わった。

このため、オリーブ独特のクセを薄くして泡立ち・泡切れを良くし、お風呂場で溶けにくくするためにココナツ油(ヤシ脂)とパーム油を加え、

  • オリーブ油72%
  • ココナツ油(ヤシ油とも)18%
  • パーム油10%

の石けんが現在のスタンダードな「マルセイユ石けん」のレシピ。

 

マルセイユ石けんはどこで買えるか。

フランス、マルセイユでは

LE SÉRAIL (ル・セライユ社)

Savons Le Serail | Savon de Marseille - 72% d'huile

MARIUS FABRE(マリウス・ファーブル社)

https://www.marius-fabre.com/en/

SAVONNERIE DU MIDI(サヴォヌリー・デュ・ミディ社)

Savonnerie du Midi, the true savon de Marseille (Marseille soap)

3社は、検索をかけるとHPが出て、昔ながらのこだわりを持った石けん作りをしていることが確認できる。

日本で通販だと マリウス・ファーブル社は日本で安定して購入できる。

 

 

ル・セライユ社とサヴォヌリー・デュ・ミディ社は厳しい。あっても品切れだったりする。 フランスにお友達がいる・フランスにお友達が行くならリクエストして買ってきてもらう手がありますね。「生活の木」や「東急ハンズ」で探してみる手もある。

石けんにこだわりのあるドラッグストアやアロマショップを実店舗、ネットショップで探してみて

  • オリーブ油またはオリーブ脂
  • ココナツ油またはココナツ脂(ヤシ油またはヤシ脂とも)
  • パーム油またはパーム脂
  • グリセリン(石けんにグリセリンを加えるのではなく、鹸化の過程でグリセリンができる)
  • 水酸化ナトリウム(油を石けんに変えるのに使う)
  •  炭酸ナトリウム(石けんから不純物を抜くのに使う)

これ以外の原材料が入っているのであれば、たとえラベルが「マルセイユ」でも、危ない。 (ラベンダー混ぜて「マルセイユラベンダー石けん」はOKです)

そして現在、日本で一番入手しやすいマルセイユ石けんのメーカー、マリウス・ファーブル社では、近年のパーム油を材料として使うことは環境破壊につながる、と2017年からパーム油を抜き原材料を

「オリーブ油、ヤシ油、水酸化ナトリウム、水、グリセリン、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム」とした。

 

ルイ14世当時のマルセイユ石けんの作り方

  1. 原料の油を釜に入れ、加熱しながら水酸化ナトリウムと一緒に10日間煮込む。
  2. 不純物を取るために、ペースト状の石鹸を海水で洗い(塩析)、冷水でよく洗う。(塩は冷たい水に溶けるが石けんは溶けない性質を利用する)
  3. 30cmほどの深さの枠に流し込み、数日間乾燥。
  4. 切断、刻印後さらに1ヶ月間風通しの良い場所で自然乾燥させる。

釜で熱を加え、石けんにすることから「釜炊けん化法」と呼ばれる方法です。

 

マルセイユ石けんを使ってみての疑問

実は、私、自分で石けんを作るのが趣味なのです。

handmadesoap.hatenablog.com

 

油と水酸化ナトリウムと塩、日本で買えます。

自分で石けんを作り、かつ世界のブランド石けんなんだから、とマリウス・ファーブル社の石けんを使い、浮かんだ素朴な疑問。

 

どんな油を使っているのだろう。

オリーブ油なんでしょうが、ひとくちにオリーブ油と言ってもピンキリのはず。日本で売っているオリーブ油使ったって、絶対フランスのマルセイユ石けんの色と香りにはならない。

自分の作った石けんの切れ端は塩析して粉砕し、粉石けんを作るのですが、マリウス・ファーブル社のマルセイユ石けんを塩析してみても、全然色と香りが抜けない!

(日本で売ってる油で作った石けんを塩析したのに比べて、塩析前も塩析後も色と香りが強烈である。2回・3回・4回…、繰り返して塩析すれば段々と色と香りが弱くなるはずですが試していない)

そして塩析したあとの石けんが段違いにキメが荒く、ボロボロしている。

 

つまり日本で手に入るオリーブオイルと比べて、精製の荒い、別の言い方をすればよりオリーブの性質を残したオリーブオイルを使用していると見ました。

 

10日も熱を加えて大丈夫なのか。

油と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)から石けんを作るためには熱が必要なのです。はわかります。しかし、10日も続けて、油は傷まないのか。天ぷら油だって、何回か使ったら捨てるのに。マルセイユ石けん、良いって口コミはたくさんある。つまり、10日熱を加えても、お肌のためになる成分は残っているのでしょう。それにしても10日は多すぎないのだろうか。有効成分が変質してしまったりしないのか。

 

石けんは酸化しないのだろうか。

自分で作る石けんは、コンディションにもよりますが、下手すると半年で酸化してしまい、うまくいっても1年、条件が揃っても2・3年たっても使える石けんはごくわずかです。

防腐剤(天然素材の防腐剤もあります。ローズマリーやグレープフルーツから防腐成分を抽出したものを使います)を使っても、作った石けんの寿命は多少は伸びるものの、永遠ではない。

気が抜けません。保管には気を使います。神経使います。

酸化すると、石けんが茶色くなり、酸化臭がします。

で、フランスから輸入されたマルセイユ石けんには、製造年月日が明記されておらず、かつ匂い、もとい香りが強烈であり、この石けんは確かにマルセイユ石けんであることは間違いないものの、作ったのは1年前なのか2年前なのか3年前なのかがわからない。

1個売りだとラッピングにビニールやセロファンが使われていたりします。これは、石けん自分で作っている立場からいけば、絶対NG。通気が遮断されてしまう。

マルセイユ石けんは間違いないんでしょうけど、材料に微量成分が豊富に含まれ、製造されてからの期間が明記されていないマルセイユ石けんの香りを嗅ぎ、…100%ピュアなオリーブの香りなのか。他の香りは混ざっていないのか。との疑問がわいてきます。

 

 

異常に固い。

自分で作る石けんはカスタードクリームくらいの固さの生地を型入れして1か月ほど置いて使います。固めの羊羹くらいの固さの時に切り分け、乾燥させる。 そしてマリウス・ファーブル社のマルセイユ石けんは、切り分けるどころではない。固い固い。1コずつじゃなくてバーでも買えます。

 

切り分け用のワイヤーが付いているセットもあって

「切り分けて使うのも楽しみの一つです。あまり時間がたち過ぎるとワイヤーでも切れなくなりますので、その前にカットしてください。」と書いてある。

自分で作った石けんだと、1か月たっても石けんの中に水分はまだ残っていて、見た目より減り方が早い。しかし。

マリウス・ファーブル社のマルセイユ石けんは極固(←私の作った造語)でボディタオルでいくら泡を作ろうとしてもなかなか泡が必要量たたず、立つ泡も自作のマルセイユ石けん、オリーブ油72%、ココナッツ油18%、パーム油10%の石けんと全然違う。泡の量が少ない。泡にコシがない。

まず乾燥が進み過ぎている時点で、「製造されてからかなりの年月がたたないと日本の消費者の手には渡らないのではないか」との疑問がまたも浮かび上がる。

 

そしてマルセイユ石けんに憧れ、自分でも手に入る範囲の材料でマルセイユ石けんと同じ油、同じレシピで石けんを作ったのに、なぜここまで使い心地が違うのか。

 

マリウス・ファーブル社のマルセイユ石けんと自作のマルセイユ石けんの違い。

材料

まず材料が違うのですね。日本で私が買う油は、油屋さんや手作り石けんの材料を取り扱う店で売っている油に限られる。マリウス・ファーブル社のオリーブ油供給元とは別に決まっている。

製法

そして製法が違う。 マリウス・ファーブル社は釜炊けん化法。ホットプロセス法とも言う。 一方、私の石けんの作り方は

  • 脂と苛性ソーダと水を合わせ、
  • 40度くらいを保ちながら混ぜ、
  • 生地が乳化したところで保温し
  • 24時間後に型出し、48時間後に切り分け
  • 28日たったら使用可

の「コールドプロセス法」という製法です。

釜焚きけん化法は熱で一気に、コールドプロセス法は4週間かけて徐々にけん化を進めていく。

コールドプロセス、使う身になると、何といっても製造日がわかるのが魅力。材料は全部自分で納得して選んだもの。安心感がある。

 

…のほうがルイ14世が使っていたものより

  • 泡立ちは良く
  • 泡はまろやかで
  • 気になるクセもなく
  • 洗い上がりはしっとり、

雲泥の差です。

…なぜこんなに良いものがあるのに、ルイ14世が釜炊けん化法の政令を出し、コールドプロセス法の政令を出さなかったかが不思議だ。

 

なぜコールドプロセス法の石けんが市場に出回らないのか。

一口にいえば、流通経路に乗せにくいんんですよ。

現在、化粧石けんを市場に出すには、2年間、腐敗しない製品でなければならず、コールドプロセス石けんは釜炊けん化法にくらべ、

  • 一度に少量しか作れず
  • 4週間保管する手間がかかる。
  • その上、流通の過程でいついかなる環境にあろうとも、酸化は許されない条件で作ることが不可能。

だから有名な石けん、世界に通用する石けんは、

マルセイユでも

 

アレッポでも

 

ガミラシークレットでも、

 

みんな釜炊けん化法です。

 

コールドプロセスのマルセイユ石けん、どこで買えるの?

売ってないんですよ。これが。

手作り石けんのネットショップもいくつかありますが、1ぺんに10コ20コしか作らず、人気ショップだと常連さんが新作を待ちかね、アップと同時に売り切れてしまったりする。在庫が寂しく、品切ればっかり、〇月〇日販売再開予定です。としか書いていないショップもけっこう多い。

第一、めざす「マルセイユ石けん」、そもそもネットショップのラインナップにないことが多い!

どこのショップのオーナーも、シンプルかつ古典的なレシピのマルセイユよりも自分のオリジナリティを押し出したプレミアムな石けんがメイン。

気軽に買えないなら自分で作るしかない、と悟った!?のも私が石けんを自作し始めた動機の一つでした。

 

コールドプロセスのマルセイユ石けんの製作、承ります。

コールドプロセスのマルセイユ石けん、作ります。お譲りできます。

オーダーをお受けしてから石けんを作りますので、お手元に届くのは注文の1か月以降となることをご承知おきください。

出来上がりの石けんは600グラム前後になります。お気軽に問い合わせフォームより連絡ください。

 

 

 

www.hitomi-shock.com

 

 

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