ひとみにカルチャーショックを。

旅行・グルメ・美容をメインに綴る女性向けの趣味ブログ

天皇陛下も前の天皇陛下も次の天皇陛下も遠い先祖は魔法使い。

「行幸啓」は天皇・皇后様がご一緒に外出されること。
「行啓」は皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃様が外出されること。「お成り」は上記以外の皇族方が外出されること。

 

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上つ方も下々も大変だ。

宮さまがお見えになる「第〇〇回△△△…大会」。予定なんて、下手すりゃ10年前から決まっていそうな勢いだ。さ来年お見えになられるのだからと森を切り開いたりする。お休みどころを整え、導線をシュミレーションし、…このあたりでトイレが必要なのでは…と改装する。何もそこまでしなくても、と雲の上の方はおっしゃられることでしょう。


傍からもあれこれ言われながらもしかし、そそうがあっては。万が一、万が一のことがあっては。。。と黙々を準備を整える。。。
そして膨大な時間とエネルギーを費やし、お迎え入れの長い長い準備を終え迎える方は最後の力を振り絞り!?へろへろになりながら迎える当日。よーく見ると、マンホールに1センチ×5センチくらいのビニールテープなんか貼ってあったりする。○億分の1の事態に備え、しらみつぶしに貼るらしい。あとは、手が回らないらしく、駐車違反とか物損だけの軽い接触とか、風紀治安を乱す恐れのないものはお咎めなしになったりする。


おいでになる時のシナリオをちらっと見たことがあります。小冊子みたいになっていて、印刷屋さんも決まってるのだとか。(事前に情報が漏れてはいけないと~)ぱらぱらっとめくったのですが日程的にはせいぜい2・3日だというのに厚みは半端なく。
お出ましになられ、一挙手一投足が人の目にさらされる。何気なくかわす一言。発せられたお言葉は、ご本人はお忘れになられても、相手は一生覚えている。古い観光地で、色あせた皇族の方々のお写真を大事に飾っていたりする。
そしてお越し下さるやんごとなき方々は、下々の労苦に報いねばならん。が骨の髄まで身に染みていらっしゃるんだろうなあ…。

 

天皇陛下の御先祖さまは魔法使い

天皇制をどうこう、申し立てるつもりは毛頭ありませんが、天皇・皇后両陛下は本当によく働かれます。あのお歳で。偉いなあ、大変だなあと思わずひれ伏したくなってしまう。自然と頭が下がります。退位、大いに結構ではありませんか。平民は隠居できるのです。陛下もどうかご自分をお大事に。皇后陛下と仲睦まじく、両陛下にはいついつまでもお元気でいていただきたいと、日本国民はみな、心の底よりお祈り申し上げております。


皇族の方々のお仕事は。式典に参加されたり園遊会で社会に功績のあった人を招いておもてなししたり。外国のお客様をおもてなししたり勲章を授けたり参賀に手を振って応えられたり。でも表に出ないお仕事ってあるらしい。神事ってやつですね。

 

なにしろ天皇陛下のご先祖は天照大御神だったはずです。つまりシャーマンであり、呪術師であり、神様であった。その昔、生きることは厳しく、人の命はもろかった。なぜ雨が降らないのか、わからない。祈るしかない。昨日元気だった人間が病に倒れ、治ってほしいのに。見ていることしかできず、流星のように逝ってしまう。自分の無力さと見えざる天の冷酷な仕打ち。亀の甲羅を焼いてヒビの入り方で未来を占い、星を見つめて己の運命を変えたいと願った。今日我々が神社仏閣に気軽にお参りするのとは訳が違う。魔はどこから現れるか見当もつかない時代の人々の祈りと真剣味は私たちの何倍?…2倍?3倍?いいえ、きっと無限大。


そして目一杯の、超強力な祈りのパワーを持つものが人心を掴むのはしごくもっともな話。そして皇紀(神武天皇が即位してからの年数を数える)は2,600年以上。続いている。

 

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天皇陛下の本職の秘められたご公務は

天皇陛下が執り行う神事の多いこと目まぐるしいこと。年明けに四方に1年の安らかなることをお祈りすることに始まり、御先祖さま(神武天皇ほか多数)の命日の執り行われる儀式にお神楽、春は豊作を願い、夏はお祓い、秋は収穫に感謝し…。しかもその儀式は朝方の4時から始まったり、その都度斎戒沐浴をして身を清めたり、古式ゆかしい平安装束に着替えたり、長ぁ~い間正座していなくてはならなかったりと、数えきれないほどの決まりごとがあるらしい。古いものは奈良時代からの歴史があるのだという。天皇陛下が田植えをされた、などとニュースが流れる。これはおまつりごと(新嘗祭)に必要だから。両陛下は私どもの幸せを願って身を削り、私の責務ですから、とお勤めされる。こうした真のお仕事は、実はもっぱら代理に任されていた御代もあったのだそうですが。今上陛下は、そうはなさらない。今まで営々と続いてきた。だから続けていく。生まれついたというだけなのに。意味を見出し、身を捧げてくださっている。それこそが、私が雲の上の方々を心中深くひれふす理由です。


…なにもそこまで熱心にやってくださらなくても…との向きもおありでしょう。確かに。願ったからかなうとは限らない。宝くじ当たりますようにってお願いしたって当たったことないし、合格祈願したから試験に合格するんじゃない。


でも一方で思いは残るのも確かだと、私は思うのです。世界中に教会があるのは、その昔キリストさまの教えのしるし。仏像展を見に行って感激して帰ってくるのは、人はなぜ老い、病み、死んでいくのだろう、と王子様の身分を捨て、何不自由のない暮らしを捨てて荒野に一歩を踏み出したお釈迦さまの思いがあったからなのです。
あるのかもしれないし、ないのかもしれない。けれど、人は昔から、祈りを捧げ、祈りをよりどころとしてきた。これだけは紛れもない事実です。

 

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国をほめ、恋を語ることには意味がある。

おまじないといえば、歌を詠むなんてのもおまじないの一つです。

貴い身分の方が発する言葉には命が宿る。
美しい景色の歌を詠む。これは美しい国土をほめたたえ寿ぎ、幸多かれとの祈りが込められている。
豊かに実る稲穂のそよぎは五穀豊穣を。滔々と流れる水の流れは天災が起こらないようにとの願い。恋の歌は、子孫繁栄を祈って。


万葉集だの王朝和歌だの読んでますと、(これから差別発言させていただきます。あらかじめお詫びさせていただき、続けます)かつての国家の命運を担う方々が女がつれないだの恋い焦がれて死んでしまいたいだの、あなたが振り向いてくれないならお恨みに思いますだの、なんとも女々しい。とばかり思っていたのですが。恋は国家の安寧の基本であります。これは、古代からの伝統を受け継ぎ、無意識に、今でいう少子化対策。未来が続いていってほしいとの祈りも含まれているのではありますまいか。山がそびえ、花は咲き、鳥は歌い、月は水面を照らす。美しさをめで、国土はいつまでも美しいままであってほしいとの願いを込めて。ご自身では気づいていなかったにしても。そして私たちにも、確かに、古代から受け継いだ血が今、流れているのです。ほんのちょっぴりでも、信じてみたい。願うことが、祈ることが、意味のあることなのだと。


(もっとも、天皇陛下の恋の歌は、明治天皇陛下の御世に、側近が禁止してしまったらしい。確かに、軍服などお召しになり、嫋嫋たるお歌を詠まれたのでは威厳が保てないのでしょうが、言いたいことも言えない、詠みたい歌も詠めないのではお気の毒ですね~)

 

最後に

そで垣に咲く朝顔の花をみて髪くしけずる時のおくれぬ


この楚々とした微笑ましいお歌は昭憲皇太后さま。(1849-1914)
明治天皇陛下の奥様、明治時代の皇后さまです。


故丸谷才一先生(1925-2012、昭和の大文学者)が齋藤茂吉の歌など、結局職業詩人のうまさであり詩で生計を立てている気配が柄を小さくしているとけなした上で(笑)
帝王ぶり、国ほめのスケールの大きさを大絶賛した昭和天皇陛下のお歌で締めとさせてください。


広き野を流れゆけども最上川海に入るまでにごらざりけり

 

 

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